この国より、はるか南の地・・・。
熱帯と南半球の陸地にだけに生息している
ミミズに足が生えたような
変わった生き物がいるという。
カギムシ (Peripatus )
分類 有爪動物門・カギムシ綱
生息地域 熱帯~南半球の温帯地域
体長 1~15cm
肢の先端にカギ状の爪がある。
密林の落ち葉の下に生息し、ジメジメした場所を好む。
昆虫、ミミズ、ヒルなどを食べ、敵に襲われると
口から糸状のネバネバの粘液を出して攻撃する。
彼らは太古の昔から姿を変えなかった
「生きた化石」とよばれている。
そう・・・、彼らに似た古生物がなんと!
5億年前のカンブリア紀、
現生の生物とはほとんど繋がりのない
といわれていた不思議生物オンパレードの
バージェス動物群にいるのだ!!
アユシェアイア 属名(Aysheaia )
これもカギムシと同じく有爪動物で、
5億年前のカンブリア紀の浅海に生息していた。
有爪動物といえば、
他にハルキゲニアもいる。
ハルキゲニア 属名(Hallucigenia )
これらはみな、カギムシと同じ有爪動物なのだ。
しかし、このカギムシには他のカンブリア紀に
生息した生物と共通する特徴が、まだあるのだ!!
これはカギムシの口である。
この口はカンブリア紀の覇者と呼ばれる
あのアノマロカリス の口に似ているのだ!
この口は2重構造をしており、
食らえ付いた獲物は2度と逃がさないという
脅威の口をもっている。
くわしくは前回の記事 をどうぞ。
現代でもその口の構造はカギムシに
引き継がれているわけである。
ところでカギムシは
エビ、カニなどの甲殻類や昆虫、クモといった
節足動物の祖形動物だともいわれている。
節足動物と言われる?アノマロカリスは
有爪動物が巨大化してヒレを持つようになり、
後に節足動物につながったのではないかと・・・。
アノマロカリスの祖形動物ではないかといわれる
パンブデルリオン もカギムシのような口を持ち
足もカギムシのように足がたくさんある。