当たり前だが

肉食魚などは獲物をアゴで捕らえる。

しかしアゴで獲物をガッチリくわえたとしても

次に獲物を飲み込む段階で

アゴのくわえる力を緩めた瞬間、

獲物に逃げられることはよくあるらしい。


そんな肉食魚の悩みをスパッと解決した

口の構造をしている生き物がいる。

しかも魚類が現れる前の大昔、

5億年前のカンブリア紀に!!


アノマロカリス  (Anomalocaris canadensis

アノマロカリス

「奇妙なエビ」と名づけられた

原始的な節足動物。

カンブリア紀の海の最大の生物にして、

食物連鎖の頂点に立つ王者。


まず、こいつに口に喰らいつかれた

獲物はもう逃げる術がないという・・・。

その脅威の捕食システムとは!

アノマロカリスの口

アノマロカリスの口は頭部の下側にあり、

円形の形をしている。

この口は実は2重構造になっている。

2重構造の口

このように外側の口が開けば

奥の口は閉じるようになっている。

これを交互にくりかえす。

これで1度、喰らいつかれたら、

獲物は逃げることはできないことは

お分かりいただけるが

さらにその2重構造の口にくわえ、

頭部の2本の触手でガッチリ、獲物をホールドする

徹底振りだ!


そのおかげでアノマロカリスは

世界中の海に繁栄した。

化石はカナダ、中国、オーストラリア、グリーンランドなど

様々な地域で発見されている。

アノマロカリスの系統図

そして、アノマロカリス類やそれに近い生き物の種類は実に多い。

アノマロカリスの口のようなものを持った

パンブデルリオン パラペイトイア などヒレに肢を

もっており、

アノマロカリス類は口が体の下側にあるなどに理由で

最初は海底を這い回る生き物だったが、

次第に海中で泳ぐ遊泳性の生き物に進化し、

肢を退化したのではないかといわれている。