爬虫類にはトカゲ、カメ、ワニ、ヘビ・・・・。
その爬虫類の中でも、
最後に現れたのが「ヘビ」。
足がなく、細長い体をしている
爬虫類の中でも異質の存在。
ヘビの目にはコンタクトレンズのような膜があり、
まったく瞬き(まばたき)しないので
とても不気味な雰囲気をかもし出している。
(キングコブラ。世界最大の毒蛇にして最強の不気味顔!)
爬虫類の中でも最も歴史の浅いヘビではあるが、
どのような進化の過程で、このような姿になったのか
今だよくわかっていない。
★「ヘビ陸上起源説」
オオトカゲの仲間が、地中に潜りったり、岩の割れ目の中を動き回る
ようになり、その時に手足が邪魔になり退化させてヘビになった
という説であったが・・・・。
2000年にオーストラリアとカナダの研究者が
トカゲが海に泳ぐことからヘビが生まれたという説が
出された!!
★「ヘビ海起源説」
白亜紀後期(9900万年~6500万年前)、ヨーロッパの海の地層から、
ヘビの祖先の近縁とされるアドリオサウルスなどのドリコサウルス類の
化石が発見されており、ヘビはヨーロッパの海から生まれたとされる説が
有力とされている。
アドリオサウルス 学名(Adriosaurus suessi )
このヨーロッパの浅い海に生息していたアドリオサウルスの
ほかにドリコサウルス など6種類のドリコサウルス類が発見されている。
泳ぎを効率化させるために胴を細長くして手足はほとんど退化させた。
また白亜紀後期ヨーロッパの海では
ヘビに近縁とされる
大型海生爬虫類モササウルス類の
最古のものが発見されている。
モササウルス 学名(Mosasaurus )
こいつは全長10mを超える超ド級海生爬虫類。
モササウルスは胴体が長く柔軟で、
可動性の高いアゴを持つところはヘビと同じだ。
とりあえず、「トカゲ」から「ヘビ」への進化系統図。
ヘビの近縁な絶滅したドリコサウルス類と
これも絶滅したモササウルス類は海の生き物であることから、
またヨーロッパの海の地層で続々とそれらの化石の発見から
ヨーロッパの海での「ヘビが海起源説」はかなり有力だ。
そしてほぼ間違いないであろうと思われた・・・。
しかし・・・。しかしである!
なんと、日本の石川県白峰村の桑島化石壁
今から1億3000万年前の白亜紀前期の地層から
新種のドリコサウルス類が発見されたと
2004年に発表された!!
つまりヨーロッパの最古とされていたドリコサウルス類より
3000万年もさかのぼることであり、
日本で発見されたこの新種のドリコサウルス類が最古になるのだ!!
しかしそれだけではない。
発見された地層はかつては川や湖などの淡水域だ。
つまりこの最古のドリコサウルスは陸上に存在していたことになる。
ヘビの祖先、ドリコサウルス類はヨーロッパの海にだけにいると
されてきた・・・。しかし
ヨーロッパからかけ離れた日本で、
しかも海から陸上へ・・・。
また最古の座も奪うほどの
隅々まで180度覆す大発見である!!
この発見によりヘビの起源は「陸上起源」なのか「海起源」なのか
再び迷宮入りとなってしまったのである!!