卵について | ドゥーラのりこ

ドゥーラのりこ

オーストラリア在住のお産サポーター(ドゥーラ)、ヒプノバーシング™講師、マッサージセラピストです。
妊娠、お産、育児、健康、環境、ホームスクーリングに関しての色々な情報や考えをシェアしています。

今日は卵のお話。


私の日本の地元、和歌山のある田舎で養鶏場があるのですが、近くを車で通ると、ものすごく臭いんです。動物の自然な匂い、というものではなく、なんかおかしな匂い。
何かが腐っているような匂い。

山奥にあるその建物自体は大きく、鳥の泣き声は聞こえるのですが、外には鶏1匹も見えませんし、鶏が出歩けるような場所らしいスペースもない。

一生、閉じ込められたまま過ごしている鶏達が卵を産んでいるのです。

それらが市場へ行きます。

毎回、そこを通る度に、考えさせられます。



オーストアラリアでも、閉じ込め式の養鶏場は沢山あります。

Caged Egg 

と、ちゃんと「檻に入っていた鳥の」、と書いてくれているところもありますが、ほとんどが

Natural Egg

だの、

Nutoritious Egg

だの、

Farmer's Egg

だの、

Premium Egg

と言う名前をつけられて、かわいい写真やイラストを入れて、まるで自然な卵かのように売られています。


檻で暮らしている鶏達、自然な日光に浴びることのない鶏達、身動きが出来ない状態で過ごしている鶏達を見たことのない方は、ここクリック

たまに、大手スーパーへ行っては、いろんなものの値段をチェックしてみるのですが、卵の値段が1ダース2~3ドル、とか、超安過ぎで、びっくりしてしまいます。

こんだけ安く出来た卵、鶏がどのような状態なのか、考えただけでも、恐ろしい



Free Range Egg 

は大丈夫でしょ? 

と思われている方…


オーストラリアのFree Rangeの規定は何かご存知ですか?


Caged Eggが、「身動きが全く出来ない」状態だとすると、Free Rangeはただ単に、

「身動きが出来る」

なんです。


だから、外に出れなくても、日光が浴びれなくても、「身動きが出来れば」、Free Rangeとして販売出来るんです。

大きな建物に、鶏をわんさかいれて、混雑しているけど、檻にいれてないから、Free Range~、と言える訳です。ずるい… っていうか、もっと規定を厳しくするばいいのに。

その建物に窓や換気扇をつけてあげたり、1日に何時間は、野外に出れたり(檻付きで)、とするFree Range養鶏場もあるようですが、それらはFree Rangeの規定ではないので、守らなくてもいいんです。

利益や便利を考えると、建物の中に閉じこもりになってもらったほうがやりやすいんですよね。

Free Rangeの最低条件は、1平方メートルあたり、鶏8匹以下のスペースで、重ね上げないで、地面にいればよし。

だそうです。

出来るだけ沢山の鶏を入れれるように、上記の条件ギリギリまで鶏を入れている養鶏場がほとんど。


1平方メートル8匹って、少しは身動きできるだろうけど、やっぱり混雑し過ぎ!


Free Range Eggの鶏達も、Caged Eggと同じように、くちばしは切られますし(麻酔なしで)、抗生物質や人口ホルモンも与えられますし、餌も条件がないので、MSGはもちろん、遺伝子組み合え穀物や動物性のものを与えることが出来ます。


単にFree Rangeと書いているからと言って、ヘルシーな卵だとは思わないように!



一方、オーストラリアのOrganic Eggは、必ず、自然光の当たる野外、自然の草がある場所へ出れることが条件です。

そして、抗生物質や人口ホルモンは一切なし、餌もオーガニックの餌でなければなりません。

ただ、残念なのは、Organic Eggでも、オーストラリアのオーガニック規定では、条件によっては、くちばしを切ることも可能だし、餌にサプリメントを入れることも可能であるし、外へ出るのも時間制限することが可能、というところです。

私は、オーガニックの養鶏場に直接電話を入れ、くちばしは切るポリシーなのか、野外に自由に出歩けるのか、それとも時間制限があるのか、餌は何を与えているのか、餌だけでなく、自然の草、虫(ミミズなど)も食べているか、等を聞いて、納得してから、その養鶏場の卵を購入しています。

良い養鶏場なら、親切に丁寧に、そして正直に答えてくれます。


オーガニック認定は摂っていないけど、鶏をとっても尊重した育て方をしてる所も沢山あります。

オーガニック認定は、なんだかんだ言っても、ただの認定。
認定費用もかなりかかるし、そんなのに認定されなくても、うちは尊重して動物を育てています!

っていうファームはいいですね。

実際、そうゆうファームは、Organic認定機関が規定しているやり方よりも、もっと厳しく、動物を思いやったやり方を使っていることが多いです。


ちなみに、Organic Eggより、さらに自然に近いやり方を使用しているのがBiodynamic Eggです。

Biodynamicのファームは、レベルが違う。

ゴミを出さない、動物&自然が主役。部分的に集中するのではなく、ファーム全体を見、全てのやりくりを人間の都合ではなく、月の周期に合わせて、リサイクル、回るようにする。

ちょっとスピリチャルかも?

でも、昔はこれが普通だったんですよね。
カレンダーではなく、月の周期が基本っていうのは。


ちなみに、オーストラリアでは、Organic Eggは1ダース6~10ドル、Biodynamic Eggは10~14ドルほどします。

値段が少し高くても、OrganicやBiodynamicの卵を食べてみて下さい。


ほんの数ドル多く払うことで、動物を思いやるファームに貢献していることになります。

そして、味が驚くほど違うことに気付くはずです。


あ~、鶏が飼いたくなってきた~!!!