久しぶりの投稿です。
ムニエルの演奏会用ワルツもかなり弾きこんで馴染んできたので、次なる曲にチャレンジし始めています。
ペッティネのクリスマスソング。実は昨年のクリスマス直前に楽譜をイグチ楽器より手に入れ、少し弾いたのですが、思ったより手ごわくクリスマスには満足な演奏はできませんでした。今回は1か月以上前から弾きこんで、クリスマスには間に合わせようという算段です。これ独奏曲の中では初級と見なされているけど、そんな簡単な曲ではないと思います。メロディーと伴奏を同時に弾くので、メロディーが途切れないように左手の動きを素早く行わないといけないし、右手のトレモロも途切れないよう続けなければいけない。まあ、重音部分に関してはギターやウクレレのコード弾きを慣れた人ならそんなに難しい事ではないかもしれない。
しかし、この曲「楽譜通り」に弾こうとすると、大変難しい個所がある。冒頭少し進んだ後のピッチカートです。連続したたった3つのピッチカートなのだが、これが難しい。薬指をA線の5フレットに置いてトレモロを奏でる間に人差し指をG線の2フレット目を押さえながら、空いている小指で引っ搔いてピッチカートする。次にD線の4フレット目に中指を置いて、小指でピッチカート。次に中指を離して開放弦をピッチカート。開放弦なので音が伸びるので、すかさず小指か中指を弦に置いて消音。この一連の動作もすばやくやらなくてはいけないし、ピッチカートの音も明確に出さねばならない。そしてその間トレモロも綺麗にむらなく弾く必要がある。毎日練習しているが、二番目のピッチカートが上手く出しにくい。左手のピッチカートのコツとしては左手のはじく指が弦に対し直角(フレットに平行)にして弾くと無駄な力を入れずに音が出やすい。なので、ネックを上げる角度も重要だ。試行錯誤していくうちに今ようやく形になってきた。プロの演奏家はどういう風にこの個所を弾いているか公開されているYouTubeを色々見たが、楽譜通り左手のピッチカートはせずピックで弾いている方々ばかり。ちょっとガッカリ。その方が音楽表現上良いと考えてるのだろうか?私はやはりこの部分は左手のピッチカートで弾いて温かみのある雰囲気を醸して、この曲の中で最も美しい次のメロディーにつなげるべきだと思うのだが。とにかく一度聴いたら、その美しさに魅了される曲です。静かな夜とかに弾いて自分も身近にいる人も癒す事ができるので、クリスマスの時期に限らず演奏しても良いでしょう。
現代のプロのマンドリストに敬遠される?ほどの技巧を入れた名曲ですが、作曲したペッティネはカラーチェから難曲協奏曲1番を献呈されたくらいだから、難なく弾いて聴く人を魅了したでしょう。演奏家でもあり、作曲家でもあり教則本も作ったマンドリンの良き教師でもあったペッティネですが、楽器の開発もしていて、VEGA社と組んでスペシャルモデルのマンドリンを開発している。ペッティネモデルと言われるもので、ナポリ風でとても作りも姿も素晴らしい。どんな楽器かこちらで見られます↓
https://web.archive.org/.../californ.../giuseppe_pettine.htm
少年時代までイタリアで過ごしアメリカに渡った移民のペッティネ。やはり生み出した曲も楽器もイタリアの雰囲気を感じてしまいます。