びっくりして真っ赤な顔を上げたかんろちゃんの視線をとらえてもう一度、きちんとした告白を僕はした。


「僕は、かんろちゃん・・佐藤 甘露(あめ)さんが好きだよ。目の前にいる、真っ赤な顔をして僕をみてる、君が好きなんや。逢って好きになるまでの時間が短いって何か問題なん?昨日と今日、ずっと一緒にいて、僕は君をが好きになったんや。今こうしているときも、どんどん君が好きになってる。今な、僕の心臓ほんまにドッキンドッキンってゆうてんねん。ほらここ、耳当てみぃ。冗談やったらこんなんならへん。」


ちょっとくさいセリフはいたんがめっちゃ恥ずかしくてな、照れた顔見られんの嫌やったさかい、かんろちゃんの手を引いて僕の胸に彼女を引き入れた。少し強めに引いたさかい、そのまま僕の胸に両手をつく格好になってもうて彼女の頭が僕の腕の中にすっぽり収まってた。そっと背中に手を回して、体を固くするかんろちゃんを軽く抱きしめた。


「ほんまに好きになったんや。僕かて初めてなんや、一目惚れってのは。好きや。あめちゃん。」


緊張してるんやろな、小刻みに体が震えてる、なんか話してやかんろちゃん。そう思ったとき、思いが通じたんか、かんろちゃんがちっちゃな声で、返事をしてくれた。


「三光さんのこと、信じます。でも、うち、まだ答えが出んし。もう少しだけ、うちに時間ばください。」


「うん、わかった。いつでもええ。」


「それから、明日の事です。一日一緒にいても構いませんか?うち、行きたかとこがあるとです。もし、三光さんに予定がなければうちと一緒にそこにいきませんか?」


「かんろちゃんからデートのさそい?嬉しいな。かんろちゃんと一緒ならどこでもかまへん。」


そう言うと、赤い顔のまま嬉しそうににっこりと笑ってくれた。かんろちゃん僕を瞬殺するつもりなん?あかんって、僕の腕の中でそんなかわいらしい顔されたら、我慢大変なんやで。もう、このままずっとこうしていたい。その欲望と闘いながら、彼女を腕の中から解放してあげた。中のレストランで冷たい物を食べて、そして家路についた。


その夜の夢は、かんろちゃんでいっぱいやった。めっちゃ幸せな気分でな、夢の中ではかんろちゃんの色っぽいシーンなんかあってな、あかん、そこは僕だけの宝もんやってすでにただの変態や!!でもなほんまに、ひっさしぶりにおみつさんじゃなくてな、自分がちゃんと男で、生きてる女の人の夢を見れてなほっとしたんや、それはおみつさんが自分のやるべきことはもうおしまいやと言うてるような気がしたんや。もしな、今日時間があったら、光源寺に寄って赤子塚に手合わせたい。ちゃんと気持ち伝えたしな、僕は僕の人生をしっかり生きるって宣言しに行くつもりだった。

朝、時間がまだ早かったからな、かんろちゃんに光源寺にお参りに行ってからでええか?とメールを入れたら、

〔私もそうするつもりでした。それじゃ、後で〕

そうメールが返ってきた。一緒の考えなんやな、そう思うだけでなんやウキウキしてん。ほんまにあほや・・・。
今日は僕の方が少し早めに用意して、ロビーで待っていた、おかみさんが嬉しそうにかんろのに付きおうてくれてありがとうね。って言いながら奥に入っていった。身内にそう言われんの、ものすごい応援をしてもらっているようで、ますますテンションアップしてくるねん。ああ、いい返事が聞けたらええのになぁ。


「おはようございます。もしかして待ってました?」


「あっ、おはよう、いつも待たせてばっかりやったしな、今日は先に用意して待ってたんや。」


「ありがとうございます。ふふふ。」


「なんなん?その含み笑い?」


「なんでもないどすえ?へん?」


「・・・・へん。」


ちょっとテンション高いんとちゃう?かんろちゃん。まぁええわ、浴衣姿見られたんは、めっちゃラッキーやったんに、昨日はどさくさに紛れてかんろちゃんを腕の中でみれたんやな~。自然とだらしない顔になってまう。あかんあかん、ここでただの変態と思われたら水の泡や・・。って僕もテンション高!!だってな、よく考えたらな、かんろちゃんからデートの誘いやで、テンション高くなるってもんや、恥ずかしがりの緊張しいの奥手のかんろちゃんが、僕を誘ってくれたんや、あかん、ほんまに今日はどっか切れてる。


「じゃ、最初に光源寺にお参りしてから、ペンギン水族館にいきましょう。」


ペンギン水族館???そんなとこあったんや~。ペンギンしかおらんのかな?水族館なんて、ほんまにデートや。


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