ちゃんと心で聴きや

「うちは”亀”苦手なんよ！！」

そんな問題とちゃうやろ。

「亀の話とちゃうやろ、君はここに来て何を求めてん？君が言ってる事、僕にはさっぱりわからへん、君は亀園さんの何に興味持ったんや、まずはそこから考え直しいや！！」

こっちに来てからも、ちいーともわかってへんカメ子見てたらなんやめっちゃむしゃくしゃするわ。ほんまに何があそこまでけったいな考えに及ぶんか、カメ子の頭ん中覗いてみたいわ。こっちに来たら、亀園さんが、ズーパーマンにでもなると思うてたなんて、小学生じゃあるまいし、第一人がそんなに変身出来んのだったら、この企画自体が意味がないっちゅーねん。

むしゃくしゃしてたら、いつの間にか亀の水槽の前にきてんねんな。

「なぁ～スカーレットちゅう名前やったかな、お前。僕は君と話がしていみたいわ。今、君が何を考えてるんか、何を見てんのか。そうしたら、見えてくるもの変わるかもしれへんなぁ。」

僕かて、聴いてへんのかなカメ子の心の声。何にあせってるのかわからへんけど、もう少し、付きおうてやったらまた変わるんやろか？けったいで、不器用で、図々しくて、でも、精一杯何かを掴もうとして、もがいてる事だけは、僕にもわかる。この旅でカメ子に何か変化があると、ホンマはええんやろうに・・・。

朝、起きてカメの飼育室行ってみたら驚いたわ、カメ子が掃除手伝ってたわ、あいつも少しは向きおうてみようと思うたのかな？おうおう、カメとにらめっこかい？

そうやってもう少し、自分以外の心の声を聴きや。

「なんや、めずらしい風の吹き回しやな。」

「少しでも、亀園さんに近づけたらと思うてな。」

「ほうやな。頑張りや。」

動物と話せる能力と人の心を読める能力、あって役に立つのは？

動物と話せる能力
人の心を読める能力