昨夜の「光る君へ」
悲しくも美しい「枕草子」誕生物語でした。
栄華の極みにあった中の関白家の没落、検非違使に土足で踏み込まれ、泣き喚きながら連行されていく伊周や隆家兄弟、取り乱す母・貴子、絶望の淵に立ち、髪を下ろす中宮・定子。
火に包まれる二条邸の中で必死に定子を助けようとする清少納言。
それぞれの生き様をくっきりと描き分けながら、心のうちまで痛いほど伝わってくるような回でした。史実を元にしながら、ここまでドラマとして作り上げられるのか、と感嘆して見ていました。
そして生まれた「枕草子」。お馴染みの「春はあけぼの」から始まるあの名文が、単なる趣味のエッセイではなく、これほどまでに優しく、奥の深いストーリーに繋がるとは思いもよりませんでした。
これから、見る目が変わりそうです。