皆様こんにちは。
わたくしのブログをお読みいただきありがとうございます。
前回に引き続き『葛根湯』のお話をさせていただきます。
そもそも葛根湯とは中にどんな生薬が入っていてその生薬がどんな働きをするのでしょう?
その事について今回はお話していきますね。
まずは葛根湯と言うくらいですから・・
①葛根
これは葛餅(くずもち)などを作る時に使用される葛の根です。
これには後背部を温め頭痛やかたのこわばりを緩和させたり、湿疹の初期に発疹が不十分だったりしたときに効果があるとされています。
また、発熱時の口渇や胃腸が弱ってる時の下痢様症状にも用いたりします。
②桂枝
文字通り桂の木の枝ですね。ちなみに桂の木の幹の皮の下の部分を肉桂といいます。
料理などで使われるニッキのことです。
これには後背部をやはり温め発汗を促し頭痛や発熱・悪寒などに効果があるとされています。
また他にも血流なども整え手足のしびれや冷えに効果があり体の余計な水分も除いてくれます。
③麻黄
日本ではほとんど目にすることのない『麻黄』という植物でこの生薬は寒い所で冷えた体を温め発汗させることで頭痛や肩こり身体痛を緩和します。また咳止めの働きやむくみにも効果があります。
④白芍
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花の芍薬の根の部分です。
この生薬には『補陰』の効果(少なくなった体を構成する基礎物質を補う事)があり①~③で発汗させることで少なくなった水分を補うように配合されています。そのほかにも筋肉のこわばりや自律神経症状、生理の調整などにも効果があります。
⑤甘草
マメ科の甘草という植物の根の部分です。
この生薬は一時、疑アルドステロン症という病気を引き起こすといわれました。
実際にその症状は起こります。ただしこれは甘草という生薬が悪いのではなく適応の患者さんに使用してないことから起こります。
ので漢方の専門家から選んでもらえば問題はありません。
それどころかこの生薬は胃腸虚弱やのどの痛み、咳止めとしても効果がありこむら返りの痛みも緩和します。
⑥生姜
こう書いて漢方では『しょうきょう』と呼びますがつまりは『しょうが』です。
そう冷奴などにかけるあのショウガですね。
体を温める代表的な食べ物として知られていますが漢方では冷たいものを摂り過ぎたことで起こる冷えや葛根や桂枝・麻黄などの温めの補助薬としてつかわれます。他には解毒剤としてつかわれます。
⑦大棗
我が家の庭には生えているの当たり前の植物ですがナツメという植物の果実を干したもので胃腸の保護や働きを促進して体に必要な基礎物質を作りやすくします。その他にも緩和薬性といって効きが強い薬の刺激を緩和して副作用を防止します。
以上が『葛根湯』という漢方薬に配合されている生薬とその働きです。
このことから次回は『葛根湯』がどういう人のどのような症状に合うのかを書いていこうと思います。
話は変わって・・・
むかし僕がある漢方の研究会に参加失しました。
講師は中国人の割と有名な方でした。
その中で大棗についてお話があり、大棗は補血薬と言っておられましたので、質問時間に『補血薬ではなく養血薬では・・』と質問したところ『棗の実は赤いから補血薬です。』と言われその日はそのままにしておきましたが、帰ってから様々な文献を調べなおしましたがどこにも『補血薬』との効能はなくやはり『養血薬』(補血は基礎物質である血を補うもの養血は胃腸を整え血が作りやすい状態にすること)。
その後、別の研究会でお会いしたところまた同じ話をしていたのでそっとその講師に伝えたら・・・
『だから日本人の先生は細かすぎて嫌いなんです!!!』って切れられちゃいました・・・
講師選びや薬局選びは慎重にですね
僕のいる『漢方相談おくすり本舗』のホームページです。
よかったら覗いてみてください。
https://www.okusurihompo.com/
葛の画像です(ウィキペディアより)