「席が少ない・・・・」


田代氏が頭を抱えてる

現段階の最大問題。


旧よろず町店は小さくて

頑張って10人のキャパ。


もう、ぎゅうぎゅうである。



団体さんなどはほとんど

無理でバラバラに座ってもらう事

しかできず迷惑かけていました。


今回の新店舗である子安町店は

広くなってギュウギュウでは無くなった

ものの思いのほか席数が作れず

田代氏が悩んでいた訳である。



総面積は遥かに旧店舗より

広いのですが

ある程度、席と席に間隔を

確保すると席が少なくなる。


コレでは新店舗に引っ越す

意味が無い。


ソファー席、4~6人用小上がり

は田代氏の念願であり、

奥芝商店の基本コンセプトでもある。


旧店舗からソファーや小上がりが

ない事を気にしていた田代氏。


僕は大きなソファーをあきらめて

イス席に切り替え、小上がりを思い切って

二人用に小さくして席数の確保を進めたが


田代氏は頑として聞き入れない。


田代氏のコダワリと決意は

よ~くわかってるつもりでいるから

何とかしてみたいものの理論的に

面積を増やす事は無理である。


むー・・・・と頭を捻り

色々考えてみた。


妙案は幾つかあったが


どれも現実的ではない。


今あるものを最大限に利用し

何とか解決をするには・・・・



ふと、窓を眺めていると


僕も言わなければ良いのに

つい口が滑った。



「窓の外に席を作るか・・・・」


何気ない一言だった。


田代氏もほとんど聞き流してると

思ったのだが一晩明けて――。


「窓の外に”テラス席”作りましょう!」



田代氏は今にも唄いだしそうに言った。


一方、僕は迂闊な一言に後悔する。


また作業が増えるのだ。

しかも作った事ないし。




テラスの構造は

床と柱と天井で構成される。


簡単に考えると


小上がりに柱を立てて

屋根を乗せる。


言葉にすると簡単だが


小さな手抜きの家を作るのと

一緒である。


くどくど愚痴や言い訳をするものの


新しいものを作りたいという登山にも

似た挑戦する気持ちもふつふつと

沸いてくる。


そもそも奥芝商店を立ち上げた時から

いつもそんな事の連続なのである。



 スープカリー奥芝商店 カレー屋の主、サジを投げる


そうしてテラス席の制作が始まった。

画像の裸足の男子はタシロ氏の

懐刀 ツネダ氏。


以前も書いたがこの作業中

裸足でスクーターに乗りだす

ワイルドなお兄さんである。

(当然すぐ引き返してきたが)

とりあえず柱を4本作り

それを立てて床を作ってみた。

これに屋根を付ければテラスになる。

何だチョロイじゃないか!

心の中でそう思ったのだが

これがやはりというか、いつもどおりというか

そうもいかず・・・・・。

次回に続く。

久しぶりに更新です。

しかも番外編。

自分の事を少し書きます。

オクシバネタじゃなくてごめんなさい。



昔、僕の幼い頃、

今は亡き祖父に質問した。


「サンタはいないんでしょ?」


クリスマスプレゼントを条件に

良い子にしてないと貰えない的な

事をいう母に疑問を持っていたのだろう。


なんせ今まで見たサンタときたら


・黒い長靴はいてたり

・髭の紐が耳にかかってるの見えてたり

・おまけにボンゴ車でやってきたり


と、あくまでも子供だましで

親もプレゼントをサンタから受け取るのを見て


「良かったねー」


なんてニコニコしながら言うもんだから

子供だって空気読んでここは無邪気に

喜ばなくてはと気を使ったりしてるわけだ。


そんな疑問を祖父にしてみたわけだ。


僕の祖父は物知りで

よく難しい顔をした大人たちが

よく相談に来ていたのだ。


そんな祖父なら幼い僕の質問に

ある程度は正直に答えてくれるだろうと

期待した。


祖父は晩酌をしながら僕の質問に

こう切り替えした。


「おまえの家にはツリーを飾ってるかな?」


もちろんと僕はうなずいた。


「やっぱりな、だったら来ないよサンタさんは」


「えー!!」

僕は思わず叫んだ。


「ツリーのある家には来ないんだよ」


「なんでー?」


「その家は幸せだからって間に合ってるよって

印なんだよ」


????

疑問だらけの僕に祖父は話を続けた。


ツリーのオーナメント(飾り)はいわゆるオモチャ

のようなプレゼントの形をしたものが

ぶら下がってる。

あれは我が家はこんなにもプレゼントが

あるからこの家はサンタさんの気遣いは

無用ですよという印なんだそうな。


なんでそんな事をするかというと

サンタ爺さんも万年年寄りで毎年大変だ。


サンタにプレゼントを貰った子供たちは

その後も良い子にして立派な大人になり

プレゼントを毎年沢山用意するのは

難儀だろうとかっての大人たちは

サンタ爺さんに今後は僕らが自分達の

子供にプレゼントをあげるから

サンタ爺さんは本当に不幸な

カワいそうな子供にだけ

プレゼントあげてください。

と言ったんだそうな。


サンタ爺さんはその後、幸せそうな家に

プレゼントがぶら下がったツリーがあれば

子供達を窓からチラ見して次の町に向かう。


と、そんな事を話した。


僕は


「昔の大人だけずるい」


というと


祖父はそうかもなと笑い


「昔はな木の馬や小さな人形で子供達は

大はしゃぎだったんだよ。お前の好きな

おもちゃはなんだ?」


「ミクロマンとカウンタックLP500」


「そりゃワシにもわからんのにもっと

爺様のサンタにはわからんよ」


そう言って笑う祖父の顔は今でも

忘れられない。


たしかに木彫りの馬をシーズンオフに

こりこり削ってるリアルサンタに

ミクロマンやカウンタックをリクエスト

するのは気が引ける。


そうしてまんまと僕から欲しい物を聞き出した

祖父はコレまたまんまとクリスマスに

子供の僕をサプライズさせるプレゼントを

くれたのだ。


どうもサンタは居た方が良い


子供ながらに思う事にしたわけで。

それを祖父からの回答とした。


毎晩晩酌をして鼻を赤らめていた

祖父はサンタというより

赤鼻のルドルフ(先頭のトナカイ)みたいで

毎晩ご機嫌だった。


僕が大人になり祖父が亡くなって

随分たつが、最近とある縁である施設

の方から話を聞いた。


祖父は僕の誕生日とクリスマスに

親の居ない子供の施設に餅とケーキを

毎年送っていたそうだ。

そして毎年こう言ってたそうな


「ワシはプレゼントを貰ったからね

今度はワシがあげたいんだよ」




良い話は終わってから聞くことが多い。

祖父はずるいと思う。


僕は誰にプレゼントをあげたら

いいのだろうか・・・・。

そんな気持ちがひょっとして

サンタクロースの存在の

ヒントかもしれませんね。

なんて考える僕でした。


メリークリスマス!














江戸中期、北の地で商いを営む

”奥芝 洋介 緒値諸ノ守 ”

(おくしば ようすけ おねしょのかみ)

は、江戸の地にてエゲレスから伝来した

汁伽哩(しるのカレー)を流行らせようと

その丁稚奉公頭である

”田代 裕也 超合金ノ介”に全国行脚して

修業の後、江戸は八王子にて”奥芝商店”の

看板を掲げよと命令した。


右往左往しながらも

町大工”大田 鈍灌”(おおた どんかん)と

懐刀の常太朗(つねたろう)と

共に恐れ多くも田代城を建造。

予算が足りないのか城は小さく、お役人様にも

冗談で済んだと後に語るは

好々爺になった田代翁。


冗談にも程はあったものの何とか

八王子の地に根付き、良縁、良水に恵まれ

”お舞”、”お奈央”、下足番”しょうた”等と

奥芝商店 田代城を盛り立てたそうな。


平成のこの世に続く現、田代城。

まさに天晴れかな、ちょいちょい・・・・。


と言ういきさつがあったワケでは無いのですが

池波正太郎の小説よんでたらこんな感じの

文章が書きたくなってやっちゃいました。

めちゃくちゃですが雰囲気だけでも伝われば

なによりです。


お城、と言うより屋敷みたいな

田代城ですがまあなんか

いいじゃないですか。


小さいながらも一国の主となった

田代氏は今後どのような展開を

見せるのか、個人的には楽しみです。


少しづつお城になっていく田代城を

今後もよろしくお願いいたします。


では手前、コレにて失礼仕る。てんてん