love
「困った・・・。」
俺は困っていた。彼女と呼んでいいのか、いけないのか迷うような、女の子がいる。この子とは学校で出会った不思議な子だった。普通の子、どこにでもいそうな、そんなオーラがありながらも、他の子のように流行などに乗ることのないちょっと変わった子だった。その少し変わったオーラに僕は魅了された。元来俺は性格の変わった子に惹かれるらしく、この子にも例に漏れず惚れてしまったのだ。
「いいよ。」
そういう内容のメールが来たのはもう2年も前だ。初めてデートに誘ったときの返信だ。俺はずっとデートに誘うメールを何度も送っていたが最初の半年ほどはことごとく断られた。俺自身もこの子は、デートにすぐのってくるような子ではないと思っていたし、難しいなとも若干思った。しかし、ここまで断られるとさすがの俺もあきらめかけたが、ようやくこぎつけた。
その後、何度もデートを重ねたが、二人の間が縮まることは一切なかった。オシャレなところもいったし、彼女が気に入りそうなところも何度も行った。しかし、彼女からデートを誘うことはなかった。むしろ、彼女はデートとすら思っていなかったのかもしれない。ただ単に中のいい友達と遊びに行ってる感覚かもしれない。
しかし、俺はある決断をした。
「告白する。」
しかし、冒頭に書いたとおり『困った』ことがある。彼女は潔癖なのだ。彼女は電車に乗って、他人と触れることを拒んでいた。なので彼女と遊ぶときはいつも長袖だった。そんな彼女を俺は「壊れ物を触るように」接していたのかもしれない。この「脆さ」が困ったことなのだ。
だけどこののままでは先に進めない。俺は「困った」ことをふりきり告白をする。決めた、もう後ろを振り向かない。
いっしょうけんめい
こんだけやったって あんだけやったって
誰もみてくれないんだって そうおもってた
だってこんな私だし こんな私だし
だけど あなたみてくれた 私のいっしょうけんめいを
そばで見てくれた 黙ってずっと
だから私は これからもいっしょうけんめいやってみせる
こころにちかうよ だからがんばる
つめたい瞳で言わないで わたしはやってるよ
みんなには分からないと思うけど わたしはがんばってるよ
要領悪いし ドジだし
だけど あなたは見てくれる
私のいっしょうけんめいをみてくれる
だから私は冷たい目でみられようとかまわない
あなたがいっしょうけんめいをみてくれるから
ありがとう
あなたのおかげでがんばれる
クリスマスマジック
なんとなく、気分がウキウキになるのは私だけではないだろう。街はイルミネーションで華やかになり、道行く人々も心なしかウキウキなように見える。私はそんな街や人々を見るのが、とても嬉しく感じる。
私にとって今年のクリスマスは特に予定もないのだが、街のイルミネーションや人々を見に、街にくり出した。私は1人、駅前のベンチに腰掛けながらクリスマスの空気を楽しんでいた。
すると目の前のイルミネーションの前でカップルが喧嘩を始めた。おやおやクリスマスなのに…。
おおよそこんな喧嘩であった。彼が待ち合わせに遅れたあげく、逆ギレをした…という感じ。とまあ、彼の形勢はかなり不利だが、無様にも怒鳴り散らし、片や彼女の方は半泣きで言い返している。私が仲裁するような話しではないが、彼女が可愛そうに思えてきた。
私は小さな声で「リリス」と呪文を唱えた。すると彼女のポケットから彼へのクリスマスプレゼントが落ちた。彼女は「せっかく…」といいながら泣くと、彼は さっきまでの剣幕は嘘のように「ごめん。」と言い彼女を抱きしめた。
「良かった。」本当は私利私欲の為に呪文を唱えるのは禁止されているが、クリスマスの日ぐらいいいだろう。私は雑踏の中へ戻った。
