かの有名イタリア料理店
『サバティーニ 横浜店』
料理 :★★★★★
雰囲気 :★★★★★
予算 :1人10,000円~20,000円
昨日はボクの弟の成人祝いということで
ファミリーでサバティーニ横浜店に食事に行ってきた。
普段お目にかかれない高級食材の数々・・
いつも食べているはずの食材も
素材や調理が別次元なので、味が全然違う!!
うーん・・フィレステーキなんて単品で
普段のボクの1週間分の食費ですから(笑)
内装も落ち着きを備えながらもゴージャス!
個室を予約していたのだが、いやー
セレブ気分を味わえました♪
ところでウチのファミリー構成は
親父、お袋、じいちゃん、弟、ボク、あとナナ(犬)。
弟とボクは4歳離れている。
じいちゃんは80歳を超えているが、超元気。
たまに休みの日は一ツ橋大学の
ボート部の指導に行ったりしている。
何年か前にTOKIOの番組に出演して
長瀬とか松岡にボート指導をしていたタフガイだ。
本人は「じいちゃん」と呼ばれるのが嫌ということで
ボクと弟は「じいじ」と呼ばされている。
この席で、じいじが面白い話を聞かせてくれた。
現在弟20歳、ボク24歳、じいじがボク達くらいの年齢に
何をしていたのか、その答えは「太平洋戦争」である。
ボクにとっては、生まれる前の遠い昔の話だが、
じいじにとっては若い頃の強烈な思い出なのだ。
終戦から2年前、じいじは当時一ツ橋大学在学中、
徴兵を受け陸軍に入隊し南方のフィリピンへ配属された。
フィリピンへ向かう際、敵潜水艦の来襲を受け、
友達の乗っている直前と直後の輸送船が
撃沈されるという壮絶な幕開けである。
また、攻撃は何も受けなかったらしいが、
経由地のマカオでは、宿営地に敵戦闘機「グラマン」が
‘どフリー’で目の前を旋回したこともあった。
先日ボクのマンションのエントランスに、
酔っ払ったおっさんが座り込んでいたときは恐ろしかったが
グラマンと潜水艦に比べれば屁でも無いな。
戦争なんだから当たり前じゃないか、と思われるだろうか。
いやいや、じいじはここからがすごい。
命からがらたどり着いたフィリピンで何をしていたのか??
敵との壮絶なゲリラ戦。
ジャングルの中、1週間ロクに食わず休まずの行軍。
死んでいく仲間たち。仲間の肉を食べ、飢えをしのぐ。
赤痢やコレラ菌といった部隊を蝕む病原菌。
胸ポケットから、折りたたんだ家族の写真を取り出し、
死んでも生き延びてやる・・ 歯を噛み締め、写真を握り締める・・・
これは戦争映画では定番の状況だけど、じいじの部隊はちょっと違う。
上陸してから終戦まで、何もしてなかったそうです、はい。
正確にいうと、何もすることが無かったらしい。
どうやら飛行機乗りを養成すべく、はるばるフィリピン
までやってきたはいいものの、練習用の
飛行機まで戦闘に駆り出され、一機も残っていなかった。
だから毎日筋トレとかをしていた。
部隊長、師団長の管理職クラスは日本から
わざわざ芸者を呼びつけ、夜な夜な宴・・・(マジ話)
敵は交戦どころか姿も見せなかった。
何故か??
もはやフィリピンを攻撃する
必要が無くなっていたからとのこと。
終戦2年前には、フィリピンなど南方の島々からなる本土防衛網は
とっくに連合軍に破られており、日本本土は丸裸にされていた。
従って、破られた防衛網に滞在し、宴や筋トレをしているじいじの部隊には
連合軍は目もくれなかったということだ。
どうやら徴兵される時期や、配置される場所によって、
全く戦闘の状況が異なるそうだ。
じいじが徴兵された時期でも、大学の仲間で満州やロシアに
配置された人たちは、ほとんどが戦死していたらしい。
じいじは当時の部隊で、炊飯長をやっていた。
帰国してからはコックになろうと思っていたらしい。
終戦後無事復学できたことで、コックにはならなかった。
しかし、部隊からこっそり持ち帰ってきた包丁と長靴は
大切にとっておいたそうだ。
一番怖かったことは?
と聞いてみた。
「終戦になり、フィリピンから帰港した場所が広島・呉の港だった。
部隊の解散式が行われ、電車賃が支給され、
汽車に乗って家族が待っていることを信じて東京に向かった。
しばらくして、窓から外を見て、驚いた。
見渡す限りの焼け野原・・・
ああ、これが噂に聞いていた原爆なんだなと思ったよ」
このとき長崎に原爆が落とされたことは知らなかったらしい。
何もかもが混乱の中、戦争が終わった。
家族は東京で待っていた。みんな無事だった。
家は焼けちゃっていたらしいけど。
大学に戻ると、クラスメートは半分くらいに減っていた。
満州やロシアに配属された人たちはほとんど戻ってこなかった。
じいじはやがて卒業し、商社に就職、イランやイタリアに滞在した。
ボクと弟は、話を聞いて、
しばらく唖然としていた。
ボクは弟を使い、気になっていた質問をさせた。
「じいじ、・・・人を撃ったことはあるの?」
じいじは答えた。
「いや~僕は無いよ。戦争なんてロクなもんじゃないよ。
リョータ(ボク)とヨースケ(弟)がこの先も戦争なんて行かんで
済むといいな~・・」
じいじ、ボクは毎日元気でやってるよ。
寂しいこととか、苦しいこともあるけど、
楽しく生きてます。
戦争の無い時代を残してくれて有難う。
恥ずかしいから心の中でお礼を言った。
この時代も大変なことが沢山あるけど、
戦争よりはずっと楽だよな~・・・
一杯1,000円のコーヒーを啜りながら
何だか気分が高揚するボクでした。