広島出身の同期隊員が、ここセネガルの本人の任地で平和展(原爆展)を開催しようと計画している。
原爆や戦争の恐ろしさを知ってもらうと共に、セネガルに今ある平和(JAM)をセネガル人に再認識してもらおうというイベント。
私はこのブログのタイトルにしているとおり、セネガルの最大の魅力は「JAMさ」だと思っている。
それなのに、セネガル人がその魅力に気づいておらず、先進国に憧ればかりを抱いている現状には、違和感を感じているし、もっとセネガルらしさに自信を持ってもらいたいなとも思っていた。
そしてそのイベントの1つの企画が
「あなたにとってのJAMって何ですか?」をセネガル人に聞いて、それを動画で撮影して集めてショートムービーを作成するというもの。俺にもその動画の撮影依頼が来たので活動村で試みてみた。
いやあ、難しかった。
日本語で日本人に「あなたにとって平和とは何ですか?」と聞いてもこの概念的な質問に答えるのは楽ではない。それを、片言のプラール語で質問して、説明してもらう。カメラで動画が撮れることが驚きで大騒ぎな村人をなだめつつ、何度もやりなおししながら撮影を進めた。
最初は義務感でやっていたものの、途中からセネガル人が私の意図を汲みとり、必死で考えながら自分の言葉で表現しようとする様子は個性が出ておもしろかったし、興味深かった。
「家族も仲間もみんな健康なこと」
「毎日、ここで問題なく過ごせること」
「家族や友達や家畜がみんな元気で、いっぱい食べて、いろんな話すること」
「けんかしないこと」
「病気しないこと」
私の活動村10村から30人のインタビューを集めてみた。難しい言葉いっぱい言われて全然理解できないのもあったし、最後まで意図が理解できず「ジャムタン」と連呼してる人もいたけど、それもいいでしょ。
正直やってよかったです。
「お金」とか「先進国」とか「援助」なんて言葉全然出てこなくて、「家族」とか「健康」とか「この村」って言葉がいっぱい出て来た。自分たちの魅力、わかってるやんセネガル人。
その同期隊員が任期延長することになり、平和展開催は私の帰国後になったためそのイベントに参加することはできないけれど、自分が大切に関わり人間関係作ってきた村人1人1人がプラール語を話す様子を動画に収めれたことも日本に帰る上での自分へのいいおみやげができたかな。
変わらぬJAMがここセネガルにあり続けますように。