プル族の放牧体験(2009.9.11記) | Jam Tun!  Jam Tun!

Jam Tun!  Jam Tun!

Jam Tun! (ジャム タン)とは、プル族の言葉で「平和だけ」ってこと。
あらゆる挨拶をされてもこの「Jam Tun!」って答えればオッケー!
セネガルの大地で青年海外協力隊員として、どっぷりプル族と向き合いながら生きた日々の記録。

私が活動しているのは、プル族という遊牧系の民族の村です。このブログのヘッド写真は典型的なプル族の人たちの姿。彼らは、牛・羊・ヤギを放牧してそれを食糧としたり、ミルクを飲んだり、街で売ったりして生活している。

実際に国道を車で走っていると、たくさんの動物を連れたプル族の姿はしばしば見かける。

そんなプル族の村で、実際にどのように彼らは生活をしているのかをプル族と向き合いながら感じ取る毎日です。




そして、先日は彼らの放牧に付いて行ってみた。360度景色が同じ原っぱを、プル族の少年2人と犬2匹で、数百頭の羊とヤギを連れて歩くこと6時間。正直、ヘトヘトになりました。ただ、羊やヤギが草を食べるのを見届けながら、少しずつ誘導しながら移動して行く。草木の触れあう音と動物の鳴き声しか聞こえない炎天下の中、たくさんの動物とゆっくりゆっくり進んでいくのは、なんか言葉では上手く言い表せない貴重な体験でした。

Jam Tun!  Jam Tun!

彼らはこれが、生活。生きていくためにしていること。子供のころから学校にも行かず、父親や兄弟に連れられ、動物の扱いやこの地域の様子を学んでいく。この仕事に誇りを持っている。村からもずいぶん離れた場所で、その動物たちのそばに寝泊まりしながら、動物と自然と向き合っていく。

Jam Tun!  Jam Tun!

このプル族が何百年も前からこの地で、世代を超えて受け継いできたやり方に、少しお邪魔させてもらえたことはすごく貴重なものでした。先進国日本から来ているボランティアとして、経済的には発展していないセネガルの田舎に、何かを「教える」「指導する」という観点になりがちです。でもこのプル族の放牧の様子を見ていると、彼らが作り上げてきた「世界」というものは、壊してはならないなと感じさせられた。




こういう体験を通じて、日に日にプル族への愛着が湧き、彼らも放牧まで付いてくるこの日本人を受け入れてくれている感じはあるので、いい関係を継続させられたらと思う。