りーべ: 母ちゃん、いろんなワンちゃんと出会ったんだね。
母: そうなんだよ。
りーべ: 母ちゃんと、出会った犬の話
母: もっと聞きたい?
りーべ: うん聞きたい!
想い出に残るパピヨン
それは6カ月の女の子、
あるご夫婦の家で生まれた仔犬で、
あるお家に里子に行ったそうですが、
とても凶暴で飼い主を噛むと言うことで返されてきたそうです。
自分の家ではどうすることも出来ないということで、連れてこられました。
名前は「タラ」
しばらく静かに様子を見ていましたが、
知らない家に連れてこられて怯えています。
取り敢えず抱っこをしようと、
手を出すと、「ガブッ」と手に嚙みついてきました。
手から血が流れ出ていましたが、私は叱りません。
「タラ」を抱きしめ大丈夫、大丈夫!と言いながら、家の周りを抱きながら歩きました。
家の周りを抱きながら歩き、
いい子ね、タラちゃん、
いい子、いい子、そう言って顔を近づけた瞬間、
私の低い鼻を「ガブッ」と噛みました。
でも、歯形が付くくらいで途中で止めました。
タラはもうここで学習したのです。
多分、今まで出会った人はタラが噛んだ時に叱ったり、体罰を与えたのだと思います。
そして、だんだん人間不信に陥ったのです。
タラはまだ6カ月の子犬です。
誰がこの子にこんな恐怖心を与えたのかと、
タラが可哀そうで涙が出ました。
その後、何度か噛みそうになる瞬間は有りましたが、タラ自身が途中で止めました。
私のことは危害を与える人間ではない、と悟ったようです。
タラはとても頭の良いパピヨンです。
家族にもタラは噛むかもしれないけれど、決して叱らないでと。
そして無理強いはしないでと。
家族もタラに同じよう接してくれました。
幸い我のパピヨンとは折り合いもよく、
今まで一緒に暮らしていたかのように生活していました。
そして生活していくうちに分かったことですが、
ある日、散歩に行こうとタラを玄関に連れ出した時です。
私が不用意に傘を倒してしまいました。
タラは恐怖で震えています。
タラは傘を異様に怖がりました。
多分6カ月にもならない仔犬に、傘で体罰を与えていたのだと、
タラの様子を見ていて、容易に察することができました。
そのトラウマはなかなか消えることは有りませんでした。
タラはそうして我が家の一員になったのです。
そして、今までたくさんの犬と生活してきましたが、
犬に嚙まれたのはこの時だけです。
いちご収穫
明日もいい日でありますように