母: いよいよ、9月だね。

リーベ: 今年も残り4カ月だよ。

母: コロナコロナで、3/2が過ぎちゃったね。

リーベ: 本当だね、計画していた旅行もみんなキャンセルしたね。

母: なんだか生活が一変したね。

リーベ: そうだね、早くコロナの終息を願いたいね。

母: このまま生活様式を変えながら、暮らしていくのかもしれないね。

リーベ: ウィズコロナだね。

母: 人間は今までいろんな困難にぶつかっても

リーベ: 逞しく生きてきたからね。

母: そうだね。

リーベ: 母ちゃん、頑張ろうね。

母: うん、人事を尽くして

リーベ: 天命を待つ

 

10年前の明日香村のかかし祭り

りーべが何処か分かりますか?

 

 

 

 

 

 

秋冬野菜の植え付け用の畝、何度か耕運機をかけて準備済みだけど、

台風の影響で強い雨が降ると土が流れるのでマルチを張りました。

 

 

 

 

 

短編小説

化 野

 著者・わびすけ

 

第1章 出逢い

第二話

 

 

それから半年余り、四日も降り続いている長雨にいいかげんうんざりしていた六月の半ば頃、四回生の渡辺から電話があった。

「発足以来二十年目の記念公演なんです。

是非素晴らしいものをやりたいのです。」   

渡辺は多少声をうわぞらせながら言った。

創太は、電話の向こうで眼鏡の枠を絶えず小刻みに上下させているであろう渡辺の、常に急き込んで物を言う時の癖を思い浮かべながら、一言、一言、間をおいて答えた。

「二十周年か、.....早いものだな。それでいつが公演日なんだね。」

「十月五日、創立記念の......」

「創立記念の祝会という訳か。それにイプセンの『人形の家』をやるというのだね。おもしろいじゃないか。ところでノラは誰がやるのかね。」

「野木綾です。」

「野木綾?.......」

「綾さん.....四回生の...ほら、筒井さんも2.3度逢ったことがあるでしょう。ええ、ええ、いつか『わびすけで』逢ったとき、ノラをやってみたい、と言っていた小柄な女性です。」

 創太は 渡辺の説明を聞きながら、もう綾のイメージがはっきり浮かんでいた。


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