ふたたび「しずく」を読んでみた。
数年前に読んだと木の感情とは、また違う。


西さんの文章に魅せられて、
それっぽい口調を意識してみる。笑

この本は女ふたり(にひき)の六つの物語で
構成されている。

どれもステキな物語だけど、
その中でもいちばん心が動いたのが
「影」というお話

☆あらすじ
恋愛に疲れ、ひとりで島を訪れた
そこで出会ったのが島では嘘つきと呼ばれ
疎まれる女、みさきだった-

作中の中で自分を影にたとえて
゛環境によって形を変え、時には消えさせした。゛

このことばも、そうそうそう!と思わず頷いた

人によって自分を演じているから
結局自分は何?どれが本当の私?とわからなくなってくる。

ラストシーンでは演じてる自分も自分として受け入れていく。
゛自分を作ろうが、それをするのはすべて「自分」
なのだ。「ありのままの私」なんて、知らない。゛

救われた。

全部自分だとして受け入れたいと思ったし、
いろんな自分を持ってる自分が少し好きになった。


「木蓮」という物語
この中でいちばん好きな作品かもしれない。

☆あらすじ
恋人の子供を一日預かることになった。
元妻との間にできた子供。しかもセックスって何?と聞いてくる、ませた餓鬼だった。

恋人に嫌われたくないがために取り繕うとして表向きはいいお姉さんを演じようとするけど、
腹の中は違った。主人公の感情の描写が毒舌全開でとにかく面白い。

ついには吹っ切れて、恋人のことも気持ち悪いと思ったと言い出し始める始末で、最高すぎる。笑
すかっとする物語。


それぞれの物語に出てくる女性は、それぞれに個性がある。年齢も違うし、性格も違う。
物語を読みだすと、その女性の雰囲気がすっと伝わってくるから、さすが西さんだ。

そして、どの女性も救ってくれる。

しばらく西さんワールドを楽しもうと思う。