イタリア、アブルッツォ州のオルトーナに生まれ、数多くの名曲を生み出し世界中で愛されているフランチェスコ パオロ トスティは、今から100年前の明日、1916年12月2日15時30分、ローマにて生涯を終えました。
作品は芸術歌曲からカンツォーネまで多岐にわたり、イタリア語、フランス語、英語で作曲されています。
また、歌手として(軽いテノールだった)、そしてヴェルディにも信頼される声楽教師としても有名だったトスティは、人柄についても愛されていたようです。
彼に魅力され、その生涯をトスティの研究に尽力し、第一人者となり、残念ながら去年亡くなったフランチェスコ・サンヴィターレ先生の、作曲家への愛のこもった名著「トスティ ある人生の歌」(森田学さん 訳)の文を引用させていただきます。
明日、トスティに少しでも想いを馳せて頂けたら幸いでございます。
〝…葬儀の後、数日の間にイタリアや外国の数多くの新聞がフランチェスコ・パオロ・トスティの訃報を伝えた。
すべての死亡記事で繰り返される話題は、彼の残した作品の非常に大きな価値とその並外れた普及の記憶に加えて、彼の上品な物腰、にこやかで他人に協力的な性格の人物を失ったことへの哀悼の念だった。
トスティの人物像の記述は、今日でもなお、彼の人生や芸術分野での出来事を回想しており、音楽史上の偉大な紳士の1人に出会わせてくれる。彼の個性は大変ユニークで、彼の数多くの同僚(重要性のある、なしにかかわらず)の持っている個性とは完全に異なる。
1人の男が自らの印に、この座右の銘を刻んだのは偶然ではない。