’ 紅花ものがたり ’ —— 生け花詩4( 2012.07.15を推敲 )

——愛しているよ
生き抜くことこそ愛
梅雨空のとばりに灯る花蛍
風になびいて 揺れるあなたの花粉
弱りし胸に降り注ぐ太陽の匂い
まさぐる手の指 押し広げながら
そっと触れる 柔らかい花房
一斉に あなたの面を覆い尽くす
強い陽射しを吸い取って
熱く愛の色に染まりゆく
蓄え育む 初夏のエネルギー
黄から朱赤へと 熟成し移りゆく
逞しい花色に込められた命のドラマ
生きて生きて どこまでも
愛の色は 古代エジプトから
色彩の悦びはギリシャから変わらない
花の色香に包まれる掛け替えのない幸せ
その季節に合った爽やかな香りこそ
最も優れた肉体への癒しの薬
底はかとない自然の摂理は神秘の驚き
——青い空に 紅の花房揺れむれて
ただ見詰めながら 永久にと微笑む花なりし
‘ 夢のなかで笑っていた君は ’ —— 生け花詩3( 2009.05.01を推敲 )

香り立つ美しさで ぼくに寄り添い
隣りの席で ぼくの話に相づちをうち
溢れんばかりのうれしそうな顔
君の笑い声が車のなかに響き
ぼくの上気した声もハモって
ふたりで懐メロを歌ったね
——夢のなかの君は 一体だれ?!
確かに感じる懐かしいひとなのに
なぜか思いだせない 遣る瀬なさ
ぼくを凝視める信頼のまなざしは
どこかで深く通じ合ったような
——’幼なじみの思い出は~青いレモンの味がする~’
観光バスの中でマイク取りあい歌ったよ
マドンナだった君は今ごろどうしているだろう
ひとり想っていただけの憧れのひと
ーーもしや夢の中に現れたのは
同じように歳を重ねた君だったのかい
囁く声がぼくの深い心にエコーする
ああ胸を打つ 此れは遠い古里の匂い
屈託なく笑っていた あどけない君の姿
どうかまた夢の中で会いにきておくれ
——もう還らない愛しい若き日の夢
ゆるぎなく輝く まごころの世界














