覚悟 | 野球と映画、ときどき…

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日ハム栗山監督の最新刊です。


「覚悟に優る決断なし」


とは野村さんの名言です。


この著書は


栗山さんが監督を受託した覚悟


そしてペナントレースを通じて


小さな決断を積み重ねてきた


その時々の覚悟を


新人監督らしい謙虚さと


ジャーナリストとして培った経験から


ストレートかつ明瞭簡潔に語られたものです。




ご自身は野球選手としての実績はないと謙遜していますが


20年に及ぶ評論家(取材する立場)生活で


フィールド外であっても常に野球と向き合って来たわけですから


再びユニフォームを着ても問題はなかったと思います。


WBCの監督問題でもそうでしたが現場の風を知らないと


ということで監督選考が難航しましたよね。


タイガース和田監督があれだけ長年現場にいても


上手くチームを指揮できなかったのはなぜでしょう。




栗山さん自身の手腕を評価するより


もっと評価されていいのは


親会社とフロント(球団関係者)の姿勢だと思っています。


よく栗山さんに白羽の矢を立てたと思いますね。


栗山さんが監督を受託した理由は


球団関係者の語る


ファイターズの来季の戦い方


そしてチームの中・長期的なビジョンが


明確かつ魅力的だったからだそうです。


メジャーを数多く取材してきた栗山さんの理想とする球団経営のイメージは


球団主導で 組織をきちんと作り上げて 選手を生かしている


チームだそうです。


そのビジョンがファイターズの球団関係者から語られたものと


驚くほど重なっていたと著書で紹介されています。


それ以外のファイターズの魅力や


栗山さんと北海道の浅からぬ縁


そして栗山さんのお父さんの未来を見過ごしたかのような遺言(予言)が


最終的に栗山さんの背中を押したエピソードとして語られていますが


それは皆さん、本を読んで確認してくださいね。




斉藤祐樹を開幕投手にしたこと


中田翔を4番で使い続けたこと


開幕戦で稲葉を2番に起用したこと


オールスター後に陽岱鋼を1番にしたこと


そして吉川を復活させたこと


全てその理由がここで明らかにされており


単なる監督の直感や人気取りで行った選手起用ではないと分かります。




「踊る大捜査線」の青島じゃないけど


組織には信念を持った人が必要です。


熱血漢と揶揄されても苦労人選手の活躍に涙して


また、周囲のどんな批判も恐れず立ち向かっていく姿こそ


栗山監督が選手やファンからの信頼され慕われる所以でしょう。




仲間を信じることと自分を信じる勇気が大切だということを


改めて感じさせてくれた本です。




監督就任後、毎日各試合後に日報(試合の反省点)を記録しているそうです。


ですから特定の日にちで、この試合のあの場面で何を感じたかなど


まるでリアルタイムのドキュメンタリー気分で読むことができます。


そういう意味では今が旬の本でしょうね。


ファイターズ関係者が読んでも不快感のない内容かつ


元ジャーナリストとして短く分かり易い表現を利用しているため


読みやすかったなというのが最初の読後感です。




今日、明日の戦い後


もう一度読んでみようかと思います。


やはり短期決戦では監督経験がものをいったか


それとも恐れを知らぬ新人監督の覚悟が勝ったか


日本シリーズの結果も楽しみです。