No.24【思い出のアルバム】
私のピアノの原点である童謡唱歌楽譜集からチョイス🌸
この楽譜は、私の妹が生まれて間もない頃、貯めていたお年玉をはたいて、赤ん坊の妹にピアノを聞かせるために買った楽譜です。
以下、少し長いですが、私が去年指のケガで一切ピアノが弾けなくなった事についてお話しします。興味ある方、どぞ!
※ケガのリアル体験を伝え、情報共有するため、ケガの写真がたくさん出てきます。苦手な方は見ないで下さい。
私事ながら昨年の8月17日、料理で包丁を使ってトウガンを切ってる際、深く手の指を切ってしまい、以後、ピアノどころか普通の生活を送れない4ケ月を送っていました。
血は普通に止まると思うでしょう?
簡単に止まらない時もあります
私がケガした時は、ドクドクと血が止まらず、手を上にしても、腕を押さえても止まりませんでした。
大袈裟ですが、救急車を呼びたかったです。
このご時世なので救急車は呼ぶのを止めましたが、本当に呼びたかったです。
「お願い、血止まって!」と、何度も指にお願いをしました。
ふと小学生の時「救命講習」でしたでしょうか、腕をケガをして血が出たら「腕を上にあげなさい」と教えられた事を思い出し、その後1時間ぐらいは手を上に上げていたと思います。
血は15分ほどで止まってくれましたが、ウチの主人がキッチンや床や壁についた細かい血を拭いてくれました。細かい血しぶきを見つけて全てを拭き終わるのに1週間かかったと言っていました。
何となくその時の状況がお察し出来るかと思います。
私はライター&カメラという仕事を主としていますが、ケガをして最初の2ケ月は上手くお風呂に入れず、ろくに鉛筆が持てず、ろくにカメラを持てず、ろくにPCのキーボードを打てなかったので、本当に苦労しました。
たかが10本のうちの1本の指と思いますが、1本の指が使えなくなるだけで、こんなに日常生活が不便になるとは思いませんでした。
またすぐ傷口が塞がるかなと思っていたのですが、指って、とにかく水に触れる部位なんですよね。コロナ禍という事もあり、どこに行くにも手洗い必須。
手を洗うからカサブタが出来てもすぐに取れ、また傷口が開き、またカサブタ。そしてまた取れる。
でも指が復活してくれなきゃ、私の仕事も生活も戻らない。皆様の優しいご配慮で仕事を休んだり振り替えたりとできましたが、私は自営業です。
私が休むと終わります。
収入が底をつく危機感を覚えました。
自分の指の回復を優先しようと、全てを無視して、手を極力どこにも触れず、洗わないということも試しましたが、やはりこの世の状況でしたので、感染がとにかく怖かった。
だから、どこに行くにも手を洗う→カサブタ取れる。という悪夢の循環の時間を過ごしました。
3ケ月ほどかかって傷口がふさがり、ようやく指の指紋も戻ってきたと思いきや、今度は神経が繋がるのに時間がかかりました。
で、神経が繋がった後も、ふとした時に激痛が走りました。
それがまた、我慢できるような激痛のレベルではなかったので、私はピアノを見るのが嫌になりました。
ピアノを見れば見るほど、弾けない今の自分が嫌でしょうがなくなり、もうピアノを見たくなかったのです。
それに、指が治る心地がしなかったからです。
それで、ピアノを好きと思える人にピアノを譲ろうと、15年以上愛用していた自分の電子ピアノをお友達に譲りました。
ケガした指は、どこをどう触ったら痛いという箇所がなく、いつも突如に激痛が訪れるため、私はもう、ピアノが弾ける日は来ないと思っていました。
仕事もピアノもお風呂も料理もろくに出来ないのは、私の人生には予想外。
命を奪われる事はなかったけど、生きる術を全て失った心地がしました。
私は「希望」や「夢」、「奇跡」「偶然」という言葉が大好きです。そして、自分でもビックリするほど前向きな人間です。
ですが、今回に限っては全く通用しませんでした。
「え?頑張るって何?」
「私の人生は今まで何だったの?」
と思いました。
そうです。
相反していますが、私は、自分がこんなにも音楽が好きだったんだと気付いてしまったのです。
ピアノもトロンボーンも、どれだけやっても上手くならない。
笑われて、怒られて、なめられてばっかの音楽人生。
でも振り返えれば、まだ短い私の人生の半分以上を費やしてきたのは「音楽」。
たくさん仲間や先輩や後輩達と楽しく過ごしてきたのも音楽。
自分に生きる知恵や自信や希望を教えてくれたのも音楽。
気付かないうちに、私はこんなにも音楽にどっぷりハマっていたんですね💐
次の人生になるかもしれないけど、いつかまたピアノが弾ける時には、もう何でもいい。
好きな曲をただただ弾きたい。
何も考えなくていい。
誰の事も気にしないでいい。
「好き」だけで弾こう。
と思いました。
どの音楽ジャンルが好きで、どのアーティストが好きで、どの音楽Youtubeが好きだと言っていた自分の色好みがバカらしく思え、好みなんてどうでもいいと思えました。
弾けること自体が奇跡で、
十本の指があって、
五体満足で衣食住に恵まれ、
ピアノがあって、
ピアノが弾ける環境があって、
ピアノを弾くことを支えてくれていた親きょうだいや回りの人達。
ピアノが弾ける平和な世界。
ピアノを弾けているこの奇跡!
弾いている毎秒毎秒が偶然なんだ。
と分かりました。
そう思った後から、みるみるうちに指のケガが治っていったんですよ。
※上の写真の薬指がケガをしていた指。
他の指と比べると縦のシワがあります。指がパンパンに腫れて通常に戻った証です。
あんなに4ケ月もパンパンだった指が、日に日に細くなっていく。
フツーの指に戻っていく。
あんなに毎日何十回も自分の指を見つめたのは、初めて。
自分の指が、自分の体が、
「有る」というだけで、
こんなに嬉しいとは思いませんでした。
長かった。
本当に長かった。
私のピアノの原点から再び私のピアノがはじまります。
「思い出のアルバム」
※「ピアノ動画」の文字を
クリックすると
私のピアノ動画Instagramに
飛びます。
アカウントなくても見れます
※私はトロンボーン吹く機会が多かったので、「トロンボーンの人」と思われていますが、実は5年ほどトロンボーンよりピアノが早く始めています。
「ピアノとTbどちらが好き?」とよく聞かれますが、選べません。1つに絞る理由が有りません。
どちらの楽器にも異なる魅力があります
執筆者:小鍋悠(こなべはるか)