先ほど、僕の友人が映画祭でグランプリを取ったと知った。
正直、とても落ち込んだ。
僕が今している仕事…雀荘のホール…の卑屈さが、それに拍車をかけているように感じる。
この仕事に僕が持った第一印象は”卑屈”だった。
休憩一つするにも、ホールに出て店長に大声でご挨拶するという店員ヒエラルキーのショウが行われる。
「女性スタッフが優先して給仕を行わなければならない」という、クソ男尊女卑システムにも抵抗できない。
おまけに店長は意味不明にキレ散らかしている。
過去にした接客バイトの中でも、ここまで尊厳を失ったのは初めてかもしれない。
余りの卑屈さに、気が付くと僕は同僚に言い訳ばかりしていた。
「ここで長く働くつもりはない」とか「だまされてはいった」とか「有名大学に通っている」とか「映画監督だ(どや顔)」とか。
そうやって、僕はむなしく自分の尊厳を回復しようとしていた。
友人のニュースを知ったのは、その渦中だった。
僕もしょぼい短編映画祭に引っかかったことはある。
映画祭に引っかかったこと自体は彼よりも早かった。
ずっとそれが、僕の何かを支えていた。
しかし、僕は今彼に対抗できる手札を持っていない。
いや、僕と彼では作家としてのタイプがまるで違うのだから、意識することはないはずなのだ。
でも僕はこういう時、どうしようもなく自らを全否定してしまう。
もしかすると、僕はもともと卑屈なのかもしれない。
