お私は近所の外猫をTNRして餌やり、清掃などをして管理し、
適宜周知やあいさつなどをしながら活動する名もなきボランティアです。
そんな私のところにさえ、子猫の保護依頼が来ることがあります。
依頼者は、はっきりとは依頼条件は言ってくださらないのですが、
状況と内容からすると、無料かつ丸投げでの保護依頼と思わざるを得ないのです。
では、保護費用っていくらくらいするのかを考えてみましょう。
保護した際には、避妊去勢(一万~)、ワクチン(数千円)、ノミダニ除去虫下(千円)
などの初期医療がかかり、そこに上乗せでその他の医療費がかかることがあります。
餌代、トイレ砂代などは、初期投資と維持費用がかかります。
先住猫がいる場合は、保護猫と一定期間隔離するスペースが必要です。
保護する猫を譲渡する場合は、譲渡する相手を見つける手間も時間もかかりますし、
何より、もし里親が見つからなかった場合は、保護主が終生飼養の義務を負います。
ところで猫の終生飼養費用は、大体100ー200万円とも言われています。
こういった全てを全額ボランティアもちで丸投げすることはかなり無理があることなのです。
にも関わらず、TNRなどをしているというだけで、
私に「無料で猫を引き取ってもらえる」と
思われた方々から、猫の保護依頼をいただきます。
私は、できないものはできないので、
事情を説明し、保護依頼はお断りしています。
しかし、断った際にやはり憂鬱な気持ちにはなります。
私だって、助けられるならその猫を助けてあげたいから。。。
私は名もなき地域のボランティアなのに、こういった保護依頼をいただくのです。
地域で頑張られている団体(といっても個人ボランティアの集まり)さんは、
どれほどこういった依頼が来るかと思うとゾッといたします。
胸を痛めながら、保護依頼を断られている方も多いのではないかと思います。
ボランティアさん、どうかご自愛ください。。。
そういう思いで画像を編集してみたので、以下載せます↓
ところで、皆さんがかわいそうな子猫を見つけた方はどうすればよいでしょうか。
地域によって事情は異なりますが、少なくとも沖縄の状況をお話します。
(おそらく多くの地方では同じ状況だろうと思いますが…)
残念ながら、沖縄ではどこの愛護団体も個人も逼迫していて、
保護依頼は受けられるところはほぼありません。
動物愛護法の改正もあり、保護活動者一人あたりが飼養できる
猫の頭数にも制限がかかっています。
保護の需要に対し、譲渡先の数も、保護活動者の数も足りません。
かわいそうな猫を見た時、まずは自分自身で保護することや、
保護譲渡することを考えてください。
保護や譲渡について、どうぶつ基金さんのHPも参考になると思います。↓
https://www.doubutukikin.or.jp/activitynews/猫を保護したら!?/
有料での猫の預かり代行制度なども県外などにありますが、
人件費、光熱費、飼養費用、医療費込だと、
里親が見つかるまで毎月2-3万円支払いが生じると覚悟することをお勧めします。
また、こういった預かり制度を利用する場合は、
その団体の収支報告書が明瞭であること、
飼養状況が衛生的であることや、
猫の隔離期間の隔離場所の状況などを事前にチェックすることも非常に重要です。
上記が困難であれば、その猫の手術可能な時期に来たとき
自身でTNRをするという選択肢もあります。
※注)餌やりだけやるのは、猫の繁殖を促し、野良猫が増えてしまうので、
餌やりする際はTNRをセットにするようにお願いいたします。
作った画像↓
自身でTNRを行う場合、
TNRのやり方を教えて欲しい、
安価で安全な手術をしてくださる病院を知りたい
といった依頼の場合、助けてくださる愛護団体もあるかと思います。
私もこういった依頼には応じています。
一方で、TNRをボランティアに丸投げすることもお勧めしません。
ボランティアのガソリン代、時間や気力なども有限だからです。
私は、TNRを誰かに丸投げするのではなく、
自身でTNRできる人材が増えることを祈りますし、
それが健全だと思っております。
自身で輸送や捕獲ができない等の事情がある場合は、有償のサービスがあるので
そちらも是非ご利用ください。
『ねこから目線。 沖縄』さんは、捕獲や搬送などのTNR、里親募集の斡旋などを有料で承ってくださいます。
ねこから目線。 沖縄 さんのInstagram↓
https://www.instagram.com/nekokaramesen_okinawa/?igshid=MzRlODBiNWFlZA%3D%3D
ちなみに大阪、京都、福岡久留米などにも、ねこから目線。さんがあるそうです。
猫ボランティアの時間、精神力等も有限です。
命を助けたいという気持ちは素晴らしいですが、
沖縄猫やボランティアの現状も知っていただけたら、配慮していただければ幸いです。
そして私個人としては、
自分自身で動くこと、場合によっては有償サービスを利用して自身で
解決を図るなど、自力の活動をしてくださる方が増えることを祈ります。