この4年間、ブログを事実上閉鎖しておりましたが、ホワイト弁護団の活動を踏まえた一般社団法人ホワイト認証推進機構が設立され、ホワイト認証推進の諸活動が活発化してきたことを契機に、このブログを再開しようかと考えてます。
市場経済原理(資本主義)が利益を追求することは、その経済原理からいって必然であるとしても自ずとその限度があると思う。
抽象的論理でいえば、市場経済原理を支える労働者総体の「再生産(=個々の労働者が労働に従事し、その子弟もいずれ労働に従事すること)」を許容しない利益追求は許されない。法は、この抽象的論理の下に「労働者の権利」あるいは「福祉」という名目で労働者の保護を図っており、労働基準法等の各種労働法制はその範疇に属します。
しかし、現実には労働法制が厳格に遵守されていることはなく、社会もまた労働法制違反に対し寛容的ですらあるのです。
そもそも経営者自身が労働者総体の「再生産」などという抽象的論理を意識することなどはなく、ひたすら利益追求を目指しているというのが通常です。何度も言うように、利益追求自体を否定するつもりはないですが、果てしない利益追求の先に何があるのかを経営者自身の足元を含め再検討すべき時期に来ているのではないかと思います。「ブラック企業」問題が偶然に社会問題化されているのではなく、それが今の時代に社会問題化せざるを得ない契機が潜んでいるのだと思うのです。
経営者に問いたい。
利益は「お金」であるが、その「お金」は何のために獲得を目指すのでしょうか。自分自身と家族の「より豊かな生活」を目指すということであれば、それは当然であり、全面的に肯定します。会社事業の拡大と将来の不安定要素を考慮して備えるということも、会社経営者としては当然に考慮すべきことであり、全面的に肯定します。それで、会社の事業が拡大し、将来の不安定要素が軽減してある程度「豊かな生活」が実現したら、その次はどうするのでしょうか。更なる上の「豊かな生活」を目指したいということであれば、それも肯定します。それでは、そこにも到達したらどうするのか。上には上があるということで、更なる上を目指すのもありかもしれません。アメリカやヨーロッパの大金持ちを見たら、まだまだ上があるという考えを持つことも全く否定しません。
利益追求と豊かな生活を目指すこと大事な関係ではありますが、経営者の本当のところの本音は実のところそこにはないように強く思います。事業が面白い、仕事が面白い、面白い事業・仕事をもっと面白くするためには事業を拡大していくしかない、そのために資金が必要であり、その元が利益だから利益を追求し、その利益を事業拡大に充てたい、「豊かな生活」は副次的な口実でしかない、ということではないでしょうか。
「お金」は、札入れに入る範囲では「お金」ですが、それを超える単位になるともやは「お金」ではなく、事業のための「取引単位」になってしまい、札入れの「お金」を使う感覚とは違う感覚で利用しているはずです。
このことを真正面から認めたとことから、利益追求の本来の目的が見えてくるはずです。
(続く)
故意悪意を持つ組織的ブラック企業に共通するのは、「限度を超えた利益追求」をしているということだと思う。市場経済原理の下で、利益追求自体を否定するつもりは全くないが、やはり超えちゃならない一線というものがあると実感する。
市場経済原理(資本主義)が一定の利益を前提として成り立ち展開していることは自明のことであり、その原理は当然に肯定する。しかし、国家レベルでの合意(法律)を意図的に無視することは本来許されないことだ。それは法秩序を守るということだけではなく、市場経済原理に内在する人間としてのモラルを無視することに繋がるからだ。
例えば、ブラック企業といえども、さすがに毒の入った(あるいは腐敗した)商品を売ることによる利益追求はしない。残留規制値を超えた農薬が残っている農産物を売ることによる利益追求もおそらくはない。食品衛生法等に反すれば、すぐに「謝罪の記者会見」をして反省の情を示す。そうしなければ、法秩序を乱すだけではなく、許容されないモラル違反で市場から放逐されるからだ。
しかし、労基法違反、安全配慮義務違反による利益追求があっても謝罪会見をすることない。見解の違いで争った結果、判決が出されてもやはり謝罪会見はない。それでも、市場から放逐されることはないのが実態だ。それは、未だ社会全体が労働法制違反による利益追求ついて「寛容」だからといことなのかもしれない。その「寛容」の理屈に、実は社会がブラック企業を野放しにしてきた本質があると思う。
(続く)
今後、時間がある時に、利益追求の本質についての私の考えをアップしていきたいと思ってますので、宜しくお願いします。
「ホワイト弁護団」の名称は報道されませんでしたが、内容はきちんと伝えてもらえました^^
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130925/k10014801963000.html
