プロブロガーでも有名な立花岳志さんの【サラリーマンだけが知らない好きな事だけして食っていくための29の方法】を読みました。

この類の本はちょいちょい読んできたのですが、サラリーマンを経験せずに独立した人の本は、サラリーマンでいる選択肢のデメリットばかりを強調して、早めの独立をただ推奨されている内容が多く見られたように思います。
ダメ元でも覚悟があればいける!みたいなただの精神論は、
保守的になりやすい自分には新鮮な価値観だったりしますが、やはり後先考えずに行動して自爆するのは違うなと思ったのです。
(ターゲットが独立を目指している人だから、そのような文章になるのは分かりますけどね。)
そこで著書では、触発されて何も考えずに独立したら痛い目を見るよ、という現実の厳しさ、人それぞれ適したワークスタイルがあるから、
独立=自由の定義が当てはまらない人もいるという前提を語られた上で、それでも自分の好きな事をして生きていくノマドワーカーとしての生き方を勧めています。
本書の概要をまとめると、
①今までの不自由な思考の枠組みを外して、
ワークスタイルに自由を与える。
②他人に人生を支配されない。
③好きな事を思いっきりやる。
の3つについてまとめられています。
①今までの不自由な思考の枠組みを外して、ワークスタイルに自由を与える。これについては、特に私が筆者が強調していると感じたのが、自分の「軸」を持つことだと感じました。
本書では自分の「軸」とは、「認識と行動が一致すること」だと述べています。
よく自分の中に軸を持て!という言葉を耳にする方も多いと思います。
私はこれまで「軸、軸っていうけど、具体的に自分の軸を持つってどうしたらいいんだろう?」とその言葉の意味を曖昧にしたまま理解できずにいましたが、これを読んでなるほど、と腑に落ちた感じがします。
しっかりと自分軸を持っていることで他人の価値観に流されることなく、自分の目指すライフスタイル、ワーキングスタイルを確立することができる。そうなるためには自己否定をせずに自分を信じる、そして自分が本当にやりたいことを明確にすることだと語られています。
②他人に人生を支配されない。では自分が付き合う人間関係を変えることが夢を叶える一歩だと書かれています。
案外、自分が普段付き合う人達から受ける影響は大きなものです。
自分だけ「よし!仕事頑張って会社に貢献するぞ!」と高い志を持っていても、会社の同期の飲み会で上司の愚痴大会になり、その場にいる自分もその場の雰囲気に乗せられ参加してしまい、結果仕事のモチベーションが下がってしまいます。
せっかくのモチベーションを維持するためには、いつもいるグループから距離を置くことだといいます。最初は少し勇気がいると思いますが、案外相手はさほどこちらのことを気にしていないということが多いです。
無駄な付き合いを減らして時間を作って目標に向かって行動していくためにも、他人に流されず自分の意思を持って選択することが重要だと思いました。
このように、②他人に人生を支配されない。の章は全体を通して、能動的であれ!ということがメッセージだと私は捉えました。他人に支配されている状態=思考停止の状態 ですから。
普段から出来るトレーニングとして周りの人と違う選択をすることをお勧めされてました。
例えば、友人と食堂で何を食べるかという話になった時に、相手と敢えて違うものを選ぶようにしたり、などです。
③好きな事を思いっきりやる。ではまさに好きな事を思いっきりやるための方法が書かれています。
私が特に印象にのこっていることは、やりたいことがあるならやらないことも決めなさい。というものです。
いつも「よし!読書を習慣にしよう。」と思っても、学校から帰ってきていつもと同じように過ごしているとあっという間に寝る時間になっています。
そして、結局読書をせずに1日が終わってしまい、全く習慣化出来ずいつも自分はダメな人間だと思っていました。
そこで本書は、一日の時間は24時間と決まっている、新しくやりたいことがあるんだったら今までの生活の中の何かをやめないとやりたいことができない。言われてみれば至極当然のことだと思いました。何かを取り入れるには、別の何かを犠牲にしないといけないんですよね。
この話を読んで私は鋼の錬金術師のエドのセリフを思い出しました。
「痛みを伴わない教訓には意義がない。人は何かの犠牲無しには何も得ることには出来ないのだから。~略」
他にも、潜在意識の活用や、住む家、その周りの環境を整えることについてなど、好きなことを思いっきりやる秘訣が書かれています。
立花さんはサラリーマンを長く経験されている方であるのでサラリーマンからの独立に必要な考え、行動がとても理にかなっていて、良い意味で現実的な人という印象を受けました。
元々、独立する前はとても臆病だったという話や、尊敬する人に出会った後自分の不甲斐無さにとても落ち込んだという話があり、自分とかなり共通する部分がありました。
自分が真似したい人だなと強く思ったので、私はこの本は自分のワーキングスタイル、ライフスタイルを楽しめるものにできるまでバイブルにしたいと思います。
立花さんが本書にて厳しくも優しく、自分の好きな事で生きたいと願う人達の背中を押してくれます。
みなさんも是非ご一読下さい!
