ウチのオカンは週イチで近所の喫茶店に行く。
その喫茶店に行くとお友達に会える。
その時お友達と喋った事を私に言いたいらしい。
ペラペラペラペラ喋る喋る!
ある日
オカン「みんな言うてはったわ!アンタの言う通り!
あそこのラーメン食べたらな、よそのラーメン食べられへんって!」
え、ラーメン?
私はオカンの話を聞くと同時に脳内検索する。
オカンは麺類よりお米が好きやから、
あんまりオカンとラーメンの話なんかしいひん。
てことは、ラーメンちゃう。
あぁ、ちょっと前にオカンとスーパーの惣菜売り場を通った時に焼き餃子が売ってたのを見ながら、私が
「餃子はやっぱり『王将』が好きやわぁ」
餃子の王将公式サイト | 株式会社 王将フ-ドサ-ビス (ohsho.co.jp)
て言うた事を覚えてるんや、
と脳内検索がヒットした
私「それ餃子やな?」
オカン「そやそや!餃子や!」
私「『餃子の王将』やろ?」
オカン「そうや!みんな、‘’他は食べられへん!美味しい‘’て言うたはるわ!
『あそこ』のは、なんや水くさいっちゅうか、なぁ」
え…?『あそこ』?
脳内で検索!
あぁ、数週間前に近所にオープンした
餃子がメインの居酒屋さんの事!とヒット
ちょっと前に家族でそこに初めて行ってみたけれども、
餃子は『王将』を超えることはなかった。(個人の感想)
私「あぁ、近所の餃子屋さんね」
オカン「あそこアカンな」
私「まぁ、私は『王将』が好きやなぁ」
オカン「『王将』て行ってへんな」
私「そやな、最近行ってへんな」
オカン「最近て!全然行ってへん!」
私「いや、最近やろ。前に行ったやん!」
オカン「そうか?いや、これアンタに言わんならんと思て忘れててん!」
…いや別に?
《言わんならん》てほどではないけど?
なんか、とにかく喋りたいらしい。
こっちは脳内変換が大変やけど。
ところで
オカンはカラオケが好き。
歌うのは超ヘタクソやけど。
普段から、自分の好きな歌の題名を忘れんように覚えとこうとして、メモしてる。
そのメモは、デイサービスでカラオケをかけてくれはる時とか、
娘とたまにカラオケに行く時にリクエストする時とかの為に
大事に残しておく、らしい
何気ない会話の途中でも、フッと思い出して
「あの歌、なんちゅー歌やった?」
「あの歌、誰が歌てはるんやった?」
と私によう聞いてくる。
私は「あの歌」が何なのか、オカンの出すワケわからんヒントから脳内検索すると、
だいたい正解を導き出せて、それをオカンに教える。
「そうか!分かった!書いとくわ!」
と言うてメモに書いておくが、それは必ず
「こないだの書いた紙、ドコにやったかいなぁ…?探してもあらへんねん」
てな事になる。
めんどくさい。
その中でも、しょっちゅう聞いてくるのは
杉良太郎さんの『すきま風』で、
これは、特にヒドイ。ひどすぎる。全く覚えない。
「あの歌なんやったかいなぁ?…なんやら言う…風…?」
「あの人の嫁さん、なんちゅー人やったかいなぁ?」
「♪人を愛して〜♪」
「♪小鳥〜のぉ〜よぉに〜寝たらいい〜♪」
「♪寂しい風〜」
「風〜寒い〜♪」
「あの男の人、なんちゅー名前や?」
などなど、オカンは自分の頭の中の【】を、次々に口に出す。
私はもう、それの正解は分かってるから、オカンがいつ正解を思い出すのか笑いを堪えて待ってる。
でも絶対、自分では思い出せずに、ついには
オカン「なんやった?分からん!教えてーな」
と言うので
私「すきま風、な」
オカン「ああぁぁ〜!そうや!なんべん聞いても分からんな!(歌手は)誰やった?」
私「思い出してみ?」
オカン「分からん!もう言うて!」
私「杉良太郎さんな」
オカン「ああぁぁ〜!そうや!なんべん聞いても分からんな!もうアカンな!」
…て、なんか、必死。
ちなみに、「嫁さん誰やった?」もよう聞いてくる。
「伍代夏子さんやで」て言うたら
「ああぁぁ〜!そや!なんべん聞いても分からん!」
て必ず言う。
んで、歌詞も微妙に間違えてる。
♪寝たらいい〜♪
ではなく、
♪眠れば~いい〜♪
やねん。
で、次の日曜日、なんも予定無いし久しぶりにカラオケにでも行くか〜と娘と決めて、オカンに声を掛けた。
オカンは、むろん
「カラオケっ」
と目がハートに
もう早速行く気になって
「♪寂しい風〜♪寂しい〜」
と鼻歌を。
ちゃうねん!
『すきま風』やっちゅーねん。
全く覚えてない…覚える気ないんちゃうかしら…?
まぁ何でも私に話をしようとする事は、イイ事なんやろけど
聞く方は…頭使て脳内変換しな理解できひんから大変や。
ボケたり間違えたり忘れたり、
それでも、とにかくなんでも喋りたい。
そんなオカンの相手は…トホホやねん。
《ものすごーく時間を奪われた感》
に、脱力するわ…