今回の記事では、米国株や米国ETFを取引する際に、各オンライン証券を分析した上で、最もオススメのオンライン証券についてお話したいと思います。

米国株・米国ETFの売買ができる証券会社は、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、DMMです。

 

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比較する上で最も重要な項目は何でしょうか?



最もおすすめの証券会社を決める際に、比較する項目がいくつかあります。

例えば、取扱銘柄数や利便性などだと思います。

ただ、取り扱い銘柄数に関しては、どの証券会社もそれほど大きな差はありません。

主要な銘柄やETFはどこでも扱っているので、マニアックな銘柄を買いたい人以外は取扱銘柄数は関係ないかと思います。

また、チャートの見やすさやUI/UXなど、利便性の面でももちろん証券会社によって違いはありますが、それほど大きな差はないと思います。

テクニカル分析もファンダメンタルズ分析も、証券会社のツールを使わなくても分析できます。

では、比較する上で最も重要な項目は何でしょうか。

一番重要なのは、取引手数料です。

そこで今回は、米国株や米国ETFを取引する際に、最もお得に取引できる証券会社を分析したいと思います。

 

 

手数料には2種類ある



では、そもそも米国株や米国ETFを売買するには、どのような手数料がかかるのでしょうか。

1つ目は、円を売ってドルを買う、ドルを売って円を買う為の手数料、為替手数料です。

2つ目は、株やETFを売買する時にかかる米国株取引手数料になります。

この2種類の手数料について、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、DMM証券がどのように扱っているかを見ていきたいと思います。

 

為替手数料はSBI証券が一番お得

まず、円を売ってドルを買う、あるいはドルを売って円を買う場合の為替手数料ですが、SBI証券、楽天証券、DMMでは、円を売ってドルを買う場合も、ドルを売って円を買う場合も、1ドルあたり25銭の手数料がかかります。

つまり、往復で50銭かかるのです。

しかし、SBI証券の場合、住信SBIネット銀行の外貨入出金サービスを利用することで、ドルから円、円からドルに交換する際に、それぞれ1ドルあたり4銭、0.04円の手数料が発生します。

つまり、往復で0.08円です。

DMM株は日本円でしか取引できないため、米国株を売買すると自動的に為替手数料が発生します。

つまり、自分の都合で円からドル、ドルから円に交換することはできないのです。

これが後々重要なポイントになります。

マネックス証券では、現在、円からドルへの交換手数料は無料です。

しかし、ドルを売って円を買うと、他の証券会社と同じように25銭、つまり0.25円の手数料がかかります。

つまり、往復で0.25円の手数料がかかります。

為替手数料だけを見ると、住信SBIネット銀行の外貨入出金サービスはSBI証券が一番お得です。

 

 

米国株売買手数料は圧倒的にDMM株がお得

次に、米国株や米国ETFを取引する際の手数料を見てみましょう。

SBI証券、楽天証券、マネックス証券は、税込みで約定金額の0.495%の手数料がかかります。

また、最大値は22ドルです。

例えば、1ドル100円の場合、約4,444ドル分の米国株や米国ETFを購入すると、取引手数料は22ドル、日本円にして約44万円となります。

したがって、4,440ドル以上の株式を購入することで、取引手数料が割安になります。

つまり、株式を売買する際には、約定金額の0.495×0.99%、または44ドルの取引手数料が発生するのです。

他の証券会社とは異なり、DMMの株を売買する際の取引手数料は無料です。

つまり、取引手数料だけを見ると、圧倒的にDMM株がお得なのです。

ただし、このDMM株には1つだけデメリットがあります。

他の証券会社では、配当金が米ドルで支払われます。

しかし、このDMM株の場合、配当金は円で支払われます。

DMM株の場合、配当金が円で振り込まれるため、円で振り込まれる際に為替手数料が発生します。

しかも、先ほどの為替手数料は25銭ではなく、1ドルあたり1円です。

これはDMM株のデメリットと言えます。

 

 

結果、どの証券会社がおすすめ?



さて、ここまで説明した結果、どの証券会社がおすすめなのか発表したいと思います。

為替手数料が安いSBI証券、米国株売買手数料が安いDMMをおすすめします。

どの証券会社が一番良いとか、安いとか、言えないのが申し訳ないです。

ただ、どちらがおすすめかは、お客様の取引スタイルによると思います。

では、次の項目で、どの証券会社がどんな取引スタイルに最適なのかを考えてみたいと思います。

 

関連記事:最新版で楽天証券とSBI証券を徹底比較! ポイント還元や手数料でおすすめはどっち?(2023年3月25日公開)

 

どの証券会社がどんな取引スタイルに最適なのか?



では、具体的な条件について考えてみましょう。

今回は、条件①~④の4つの条件を考えてみました。

 

条件①

条件①では、今日、米国株を1株1000ドルで購入し、1年後に売却します。

この株式の配当利回りを3%と仮定します。

つまり、年間3,000円の配当が支払われることになります。

なお、株価は今日と1年後も1,000円で一定と仮定します。

また、為替レートは1ドル=100円であるとします。

したがって、米国株の購入に必要な日本円は10万円となり、その取引手数料を見てみたいと思います。

 

SBI証券の場合

SBI証券の場合、円を売ってドルを買うときの為替手数料が40円、株を売った後にドルを売って円を買うときの為替手数料が40円で、合計80円の為替手数料がかかります。

株を買うときの手数料は495円、株を売るときの手数料も495円で合計990円です。

SBI証券では、為替手数料と株式売買手数料を合わせて1,070円です。

 

DMM株の場合

DMM株の場合、購入手数料は無料ですが、為替手数料が購入時250円、売却時250円、合計500円かかります。

また、配当金を受け取る際にも為替手数料がかかるので、この場合は1ドル1円の手数料がかかるので、この場合30円の手数料がかかります。

DMM株の場合は、為替手数料と配当金支払い時の為替手数料、合計530円がかかります。

 

この結果だけを見ると、圧倒的にDMM株の方がお得に見えます。

 

条件②

では、条件を変えてみましょう。

条件①を元に条件②を作成します。

例えば、アメリカ株を1株1000円で10株買ったとします。

 

SBI証券の場合

この場合、SBI証券の為替手数料は、円を売ってドルを買うときに400円、株を売った後にドルを売って円を買うときにさらに400円、合計800円かかります。

また、株式購入時の購入手数料は4,950円(約定金額の0.495%)ではなく、最大2,200円、株式売却時の売却手数料も同じく2,200円となっています。

合計すると、株式売買の手数料は4,400円となります。

つまり、為替手数料と株式売買手数料を合わせると、5,200円かかることになります。

 

DMM株の場合

DMM株の場合、購入時の為替手数料は2,500円、売却時の為替手数料は2,500円で、合計5,000円です。

さらに、従来通り、配当金を受け取る際の為替手数料は300円です。

合計でDMM株は1,300円の手数料がかかることになります。

 

この場合、SBI証券の方が若干お得になります。

 

条件③

さらに、条件③では、条件①に基づき1年後に売却するのではなく、20年後に売却するとします。

 

SBI証券の場合

この場合、SBI証券の手数料は条件①と同じ1,070円です。

 

DMM株の場合

DMM株の場合、交換手数料500円+20年間の配当金に対する交換手数料600円で1,100円かかります。

 

20年間配当を受け取り続けるのであれば、SBI証券の方がお得なことがわかります。

さらに、SBI証券のDMM株と決定的に違う点があります。

それは、為替手数料のタイミングです。

SBI証券では、米国株の売買時とは異なるタイミングで為替取引を行うことができます。

しかし、DMM株は米国株の売買と同じタイミングでなければ取引できません。

基本的に、日本円を売ってドルを買う場合は、円高の方が利益が出ます。

また、ドルを売って日本円を買う場合は、円安の方がお得になります。

SBI証券では、株を買う前の円高の時に円を売ってドルを買い、株を売った後の円安の時にドルを売って円を買うことができます。

そのため、円高・円安のタイミングを見極められる人ほどSBI証券はお得です。

一方、DMM株で利益を出しても、円安・円高で損をする可能性があります。

 

条件④

そこで、条件④を用意しました。

条件①が基本です。

ただし、SBI証券の場合、円売りドル買い時の為替レートは99.7円/ドル、ドル売り円買い時の為替レートは100.3円/ドルです。

 

この場合、DMM株よりも、円を売ってドルを買うと300円、ドルを売って円を買うと300円、合計600円の利益が発生します。

つまり、条件①では1,070円の手数料がかかっていましたが、600円と相殺すると、手数料は470円になります。

つまり、DMM株よりSBI証券の方がお得なのです。

 

 

まとめますと

条件①の1株を1年後に売却する取引ではDMM株

条件②の取引手数料の上限を超えた10株の取引き

条件③の配当金を貰い続ける20年後に売却する取引

条件④の円高、円安を考慮した取引ではSBI証券

がお得になります。

 

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まとめ



米国株や米国ETFへの短期投資、少額取引、配当のない株やETFの取引をする方にはDMMがおすすめです。

しかし、配当による長期的なインカムゲインを狙う方、大量に取引したい方、円安・円高を見極められる方にはSBI証券をおすすめします。

ただし、個人的には米国株の取引手数料は国内株と比較してかなり不利だと思います。

取引手数料を考慮すると、1%以上の利益が出ないと損をすることになります。

従って、米国株の短期売買はお勧めできません。

私がおすすめするのは、米国株や米国ETFに長期投資するか、SBI証券には購入手数料無料の米国ETFがあるので、米国ETFを取引することです。

よって、個人的にはSBI証券がおすすめです。

 

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