今回は「株価暴落時に積立NISAで絶対に避けるべき失敗」についてお話したいと思います。

 

最近の株式市場は、中国の大手不動産会社である恒大集団の破綻懸念から急落し、その直後に急騰するなど、かなり不安定な動きをしています。

もし本当に恒大が破綻したら、中国の不動産バブルが崩壊し、世界経済にも影響が出るのは必至です。

そんなニュースを聞いて、不安になっている人もけっこういると思うのです。

実は、こういうときに初心者がやりがちな典型的な失敗があります。

それは、暴落を恐れて現在運用している「つみたてNISA」の資金を売却してしまうことです。

投資サイクルの途中で資産を売却してしまうのは、持ち続けていれば得られたはずの利益を無駄にしてしまうことになります。

この記事の前半では、なぜ途中で売却するのが良くないのかを徹底解説し、後半では、暴落時にパニック売りをしないためのコツを紹介します。

 

この記事を見れば、初心者の方でも積立NISAでやりがちな失敗を回避し、着実に資産を増やしていくことができるはずです。

ぜひ最後までご覧ください。

 
 

積立NISAで初心者が犯しがちな失敗



冒頭でもお伝えしましたが、積立NISAで初心者が犯しがちな失敗は、暴落時に資産を失うことを恐れて、現在積立NISAで運用している資金を売却してしまうことです。

たしかに、不穏なニュースを聞いて心配になる気持ちもわかります。

また、暴落するのであれば、暴落する前に売ったほうがいいと考える気持ちも理解できます。

しかし、「つみたてNISA」で資産を保有している方は、何もせず、そのまま保有し続けることをおすすめします。

というのも、相場のタイミングを予測するのは本当に難しいからです。

実際にやってみればよくわかるのですが、相場は笑ってしまうほど予想通りに動いてくれません。

今、積立NISAファンドを売ってしまえば、暴落に巻き込まれる可能性を回避できますから、精神的には楽かもしれませんね。

ただ、みんなが下がると騒いでいるときに限って、そんなに暴落しないこともあります。

積立NISAファンドを売却したら、政府が救済してくれて破産を免れるという話も聞きます。

また、そのニュースが流れると一気に株価が最高値まで回復する可能性もあります。

あまりに株価の上昇が早いと、買い戻すタイミングがつかめず、単に買い戻しの機会を逃してしまうかもしれません。

株価が再び最安値になる可能性もあります。

 

関連記事:つみたてNISAとNISAについてわかりやすく解説!

 
 

株価を短期的に予測することはほとんど不可能



株価は、私たちがコントロールできない要因によって上下に動くことがあり、短期的に高い精度で予測することはほとんど不可能なのです。

ちなみに、株価が下落しているときは、上昇しているときよりも値動きが激しくなる傾向があります。

一回の激しい動きで上下に動く傾向があるということです。

このようなタイミングで短期売買を繰り返すと予想と違う方向に大きく動いてしまい、含み損や機会損失を抱えることになります。

目先の動きを見越して短期売買を試みても、何もせずに株価が下がり続けた場合よりも高いリターンを得ることは難しい場合が多いのです。

 
 

特に何もせず、いつも通り積み立てを続けることが最も安全



したがって、初心者の方が株価が下がっているときに行うべきことは、特に何もせず、いつも通り積み立てを続けることが最も安全です。

株価を気にしない方がリターンが上がるケースも多いのです。

しかし、頭では「気にしない方がいい」とわかっていても、いざ株価が下がると「なんでこんなに気にするんだろう」と不安になることもあるでしょう。

これはある意味、気になるのは当然なのです。

実は、投資を始めて間もない頃ほど、株価の値動きを気にするようになります。

投資を始めたばかりで価格変動を気にするのは、もちろん投資経験が少ないからですが、それ以上に影響が大きいのは、株価が少し下がっただけでも含み損になることです。

これは実際に投資をしてみるとわかるのですが、時間が経てば経つほど含み益は増えていきます。

含み益が蓄積されていると、多少株価が下がっても利益が残るので、それほど焦ることはありません。

一方、投資を始めた直後は、含み益が全くありません。

株価が少し下がっただけでも、すぐに含み損になります。

私たちの脳は損失を避けたいと思うようにプログラムされているので、少しでも損失が発生すると過剰に反応してしまうのです。

 
 

株価を気にする状況は飛行機が離陸するようなもの



投資を始めた直後から株価の動きを気にするようになる状況は、飛行機が離陸するようなものです。

離陸する前にちょっとでも地面にぶつかると、ものすごい揺れになります。

景色があっという間に変わり、体にかかるGの力で「うーん」という感じです。

離陸前は、このように心にも体にも負担がかかっているのです。

でも、離陸してみるとどうでしょう?

地上にいたときよりもずっと速く飛んでいるのに、気持ちはずっと落ち着いています。

高度が上がれば、多少コードが落ちても、リラックスして本を読み続けることができます。

実際、運用はこのイメージに近いです。

含み益が増えるまでは、飛行機が離陸するまでは、周囲の小さな変化も極端に気になります。

しかし、ある程度の高さに達した後は、多少の下落はあまり気にせず日常生活を送れるようになるはずです。

ですから、資産運用はスタート直後が一番難しく、失敗しやすい時期だと言えます。

含み損を抱えやすい時期に相場が気になるのはある意味当然であり、これは仕方のないことです。

時間が経って経験や含み益が蓄積されると、次第に気にならなくなります。

今、気にしていても、時間が解決してくれる問題なので、まずは気にしていることを受け入れたほうがいいと思います。

気になるのは当たり前、今は含み益がないからしょうがない、と受け入れてもいいのではないでしょうか。

 

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パニック売りを防ぐためのコツ



最後に、パニック売りを防ぐためのコツを紹介します。

暴落が心配になったとき、不安になるようなニュースを見たとき、私たちがやっているのは長期投資であることをもう一度思い出してほしいのです。

金利が上がるとか下がるとか、テーパリングがいつ行われるかとか、恒大グループが倒産しそうだとか、そういうことを気にするのは短期売買をしている人達です。

短期売買とは、半年とか1年とか、そういう期間で利益を上げることを目的とした投資方法です。

短期投資で損をしないためには、相場の将来の方向性をしっかりと見極める必要があります。

金利の動向、インフレの影響、中国情勢など、さまざまな要素を考慮しなければなりません。

しかし、この方法はかなり難易度が高いので、初心者向けではありません。

初心者の方は、10年、20年という長いスパンでインデックスに投資するのが一番良い資産運用方法です。

もちろん、投資が好きで、マクロ経済指標や株価の動向を研究して将来の値動きを予測できるようになりたいという熱意があれば、それはそれで面白いでしょう。

失敗も多いと思いますが、一つ一つ問題点を洗い出し、仮説検証を繰り返し、軌道修正していけば、投資スキルは向上していくはずです。

ただ、「初心者のため、そこまでして投資をしたいとは思っていません。最終的に老後の心配をしなくていいところまで資産を増やせれば十分」と考える人のほうが多いのではないでしょうか。

そのような価値観を持っているのであれば、目先の価格変動に惑わされない方が良いと思います。

 

直近の下落を気にする初心者の方の多くは、あまりにも短い時間軸で値動きを見ているのではないでしょうか。

すでにインデックスへの長期投資を何年も実践している人は、長い時間軸で株価を見ているのです。

これだけ長い時間軸で見ていると、どうしても日々の値動きが気になります。

株価を見たり、最新のニュースを取り入れたりしても、インデックス投資でやることは特に生まれません。

そのようなインデックス投資に不要な情報に耳を傾けていると、無駄に心が揺らいでしまいます。

わざわざ貴重な時間を割いて株価をチェックし、勝手に心が揺らいでしまうのは、二重の意味で不要なことをしていることになるのです。

株価は上がるときは上がるし、下がるときは下がります。

しかし、じっくりと時間をかけていれば、やがて暴落を乗り越え、順調に上昇する可能性が高いのです。

株価のチェックは月に1回や年に1回チェックするくらいがちょうどいいと思います。

 

成長株やトレンドフォローなどの短期投資法では必要な情報をチェックしますが、インデックス投資の資産はすぐに使うお金ではないですし長い時間軸で見ているので、定期的にチェックする必要は全くありません。

値動きが気になる人は、虫眼鏡で見なくてもいいものを見ていることになります。

一歩下がって、長い時間軸で全体を見てみると、「なんでこんな小さなことで不安になるんだろう」と、きっと気持ちが落ち着くはずです。

ですから、資産運用をする際には、ぜひ長い目で見るようにしてください。

 

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まとめ



というわけで、今回は「暴落時に積立NISAで避けるべき失敗」というテーマでお話しました。

積立NISAで短期的な視点に立つ必要はありません。

20年先を見据えた長期的な視点で投資を続けていきたいですね。

そうすれば、20年後には今よりずっと多くの資産を手に入れることができるはずです。

 

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引用元:暴落時の積立NISAで避けたい失敗