今回は、円安が止まらない中で積立NISAを始めることに不安を感じている方に向けたお話をさせていただきます。



このパートでは、円安が危惧される今、なぜつみたてNISAを始めた方がいいのかについてお話します。

20年ぶりに1ドル130円台に突入した円安ですが、非課税期間が一度に切れないことや、つみたてNISAが長期投資を前提としていることから、現在の為替レートをあまり気にせず始めることができます。

つみたてNISAの購入方法である積み立て投資は、円高になると安く購入できることにつながるので、将来的に円高になっても慌てる必要はないのです。

 

この結論を踏まえて、円安のときでもつみたてNISAを始めてもいい理由を説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

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円安でもつみたてNISAを始めた方がいい?



たしかに、20年ぶりに1ドル130円台まで円安が進みました。

日米の金利差拡大で、利息のつかない日本円が売られ、今後さらに利上げが予想される米ドルが買われているのです。

2022年の年初には1ドル=114円程度でしたから、約4カ月で10%以上も円安になったことになります。

 
 

つみたてNISAの非課税期間

では、なぜこのような円安状況でも「つみたてNISA」を始めることに問題がないのか、その前提で「つみたてNISA」の非課税期間をおさらいしておきましょう。

非課税期間は、積み立てを開始した年から最大20年間なので、例えば2021年に積み立てを開始した場合、非課税期間は2040年に終了することになります。

この非課税期間中は、いつ売却しても利益に対して税金がかからないので、つみたてNISAは非課税期間が長い長期投資向けであることを知っておきましょう。

2021年に行った積立の非課税期間は2040年に、2022年に行った積立の非課税期間は2041年に終了します。

つまり毎年積立を続けたらそこから約20年間は税金が掛からず運用できるので非課税期間の終了は1年ずつずれていくと思ってください。

この非課税期間の終了が1年ずつずれることでどうなるかというと20年後から非課税期間の終了が順番に始まっていきます。

1年目に積み立てた金額は20年で終了しますが、20年目に積み立てた金額はさらに20年で終了しますので、非課税期間は今から40年後に終了します。

 

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ある時点で為替レートが大きく動いても慌てる必要はない

例えば、毎年積み立てた金額の非課税期間終了から20年後に円高になった場合、為替変動による損失が発生しますが、5年目に積み立てた金額の非課税期間が終了する頃には、既に為替はかなり回復しているはずです。

なお、米ドルと日本円の過去のチャートは後ほどご紹介しますが、まとめると、非課税期間の終了は20年後からなので、ある時点で為替レートが大きく動いても慌てる必要はないと言えます。

また、積立投資は円高になっても割安で買えることにつながります。

例えば、ある米国株の株価が30ドルで、1ドル100円だとすると、1株買うのに約3,000円かかります。

しかし、1ドル70円の円高になると、30ドル×70円で1株あたり2,100円で安く購入することができます。

つみたてNISAでは、購入方法が積立のみなので、円高になったときに為替差損が発生しても、新規の積立購入で安く買えればラッキーということになります。

 

次に、過去の日本円と米ドルのチャートを見てみると、近年は一定のレンジ内で行ったり来たりしていることがわかります。

このように、政治的な要因もあり、日本円と米ドルが極端な円安・円高を続けることは難しいので、長期的な投資を考えている方は、コツコツと投資していくのが良いのではないでしょうか。

米国株や米国ETFに投資している方は、円高になったときにドルに換えることは可能ですが、ドルを買ったところからさらに円高になる可能性もありますので、現実的には、相場に基づく投資と同様に、かなり難しいかと思います。

ですから、特に初心者の方は、為替を含めた積み立て投資で、精神的な柔軟性を持って投資を続けていくのが良いと思います。

 

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遠い将来、円高になるのか円安になるのか?



将来、円がどうなるかはわからないという前提ですが、現在の為替レートは50年前くらいまで下がっています。

直近では70ポイントを下回っており、1972年当時と同じ水準まで円の価値が下がっています。

ただ、これにはいろいろな考え方があり、もともと円の価値が高すぎたという見方もありますが、いずれにせよ、他の主要通貨と比較して、日本円の実質的な価値が下がったと仮定しましょう。

この円の価値の低下の主な原因は、日本が長年続けてきたゼロ金利政策により、金利の高い通貨を保有した方が利息を得られるため、日本円の魅力が低下していることだと言えるでしょう。

しかし、円高の進行、少子高齢化などの逆風を考慮すると、長期的には円安が進むと思います。

ただ、仮にそうなったとしても、「つみたてNISA」で米国株や世界株などの投資信託を積み立てている方は、外貨建ての資産を持つことになり、十分なリスクヘッジになると思います。

 

さて、ここまで為替の話をしてきましたが、一番大事なのは株の成長であることを忘れないでください。

過去150年を振り返ると、S&P500は短期的には上がったり下がったりしていますが、長期的には右肩上がりの成長を続け、過去30年で10倍以上になっています。

したがって、為替相場に多少のマイナスがあっても、長期保有することで銘柄自体の成長による大きなリターンを確保することができるはずです。

 

 
 

まとめ



思い立ったら積立NISAから始めよう。

これまで述べてきたように、NISAのメリットは、円高のときでも割安に株を買えるので、現在の相場を気にする必要がないことです。

つみたてNISAは20年間投資を続けても、一度積み立てた金額は総投資額の数分の一にしかなりませんから、継続が大事です。

相場によって積立額を増やそうとする人もいますが、結局、株式市場も為替市場もどうなるかわかりませんから、まずは日常生活に支障のない程度の少額から始めるといいと思います。

NISAの購入方法である積み立て投資は、円高になると割安な投資につながるので、将来的に円高になっても慌てる必要はありません

このように、現在の為替レートを気にしすぎず、しっかりとしたスタンスで貯蓄の運用を続けていくことが大切です。

 

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引用元:円安が危惧される今、つみたてNISAを始めるべき?将来の為替・・・