不思議な話②『メジロ』
文&絵(朝一揚羽)
これは前回のお話『不思議な話①』でお話し致しました、「臨死体験」の続きのお話です。
私が二十代後半に、服薬で、アナファラキシーショックになり臨死体験を伴うような入院から一年後の頃です。
退院後、ひとつ月程は、記憶や言語の発生等、たいへんな時期がありました。その後、日増しに健康を取り戻して、退院一年後、ひとり旅をしょうと、高速バスに乗りました。
高速バスの停留所は、自宅から徒歩で30分程の道のりで、真冬の1月下旬に早朝家を後にしました。
家から10分程歩いていたら、前方50メール辺りに、小さな黒い塊が見えました。
近寄って見ますと、
「メジロ」が道の真ん中で死んでいました。
可哀想に思い(カラスや猫に食べられそうで…)私は、硬くなったメジロをハンカチに包み、高速バスのバス停付近の公園の木の下にでも埋めて上げようと思ったからです。
バスの到着時間には、余裕があったからです。
メジロは全く、無傷で白い眼をして硬くなっていました。
どうして、こんな所で死んでいたのかな…?不思議に思いながら、歩を進めました。
そして、予定通り停車20分前にバス停に着きました。
あれあれ、目的の高速バスが止まっています。
私は隣接の公園には、寄ることが出来ず、急いで停車中の高速バスに乗り込みました。
そしてバスの中央辺りの席にゆったり乗る事が出来ました。
暖かな暖房と、バスに乗れたことに安堵を覚えた私は、暫くはメジロの事を忘れてしまいました。
バスが走り出して30分程した頃、私のジャンパーの右ポケットがピクピクと動き始めました。
あれあれ…急にメジロの事を思い出しました。
余りにも、右ポケットが動き出すので…ハンカチを腹の辺りに持って来ると、
なんと!メジロが生きかえっております。
可愛い眼で私を見て、ペコリとお辞儀をすると…
勢い良く、運転席へ飛んで行ってしまい…
運転手さんは、道路側が渋滞中だったので、運転席側の窓を開けたら、メジロは外に向かって飛んで行きました…
その後一年、私の身近に数々不思議な事が起きました。
例えば、
カギが曲がる(スプーンも)、
亡くなる間近な人が何となく分かる、
予知夢のようなモノが見えた等々、
その後一年続きましたが、
その後は、全く何もなくなりました。