今日は、弁護士にかかるお金についてのお話です( ・ω・)

 

「アレテー法律事務所からのお知らせ」ではなく、

「日々あること」のテーマで、この記事を書くのは、

事務所の集客等のためでなく、ざっくばらんに書きたいから。

 

あくまでも、弁護士 岡本卓大の私見なので、

これを読んで依頼している弁護士さんに

文句を言ったりしないようにお願いします(ーー;)

 

弁護士にかかる費用としては、以下が典型的なものでしょうか。

 

1 法律相談をするときの相談料

2 依頼するときにかかる着手金

3 事件が終わったときに発生する報酬金

 

相談料というのは、読んで字のごとく、

弁護士に法律相談するときに、支払うお金です。

 

着手金というのは、依頼するときに、最初に弁護士に支払う費用。

結果が希望通りになっても、ならなくても、原則、返してもらえません。

 

報酬金というのは、事件が終了したときに、その成果に応じて発生する費用。

 

弁護士に依頼する場合は、入り口で着手金。

出口で報酬金。

入り口と出口で費用が発生

すると思ってもらえば良いと思います( ・ω・)

 

弁護士の費用については、現在は、自由化されています。

そのため、弁護士によって、費用の基準は、けっこうちがったりします。

高い費用を取る弁護士が必ずしも質が良いとは限らないのが、この業界の怖いところ(ーー;)

「金額だけ」で決めずに、その弁護士に依頼したいかを、

きちんと検討することが大事だと思います。

 

自由化されているといっても、

ほとんどの弁護士が参考にしている基準があります。

 

(旧)日本弁護士連合会報酬等基準

 

という平成16年に廃止された日弁連の規定です。

独占禁止法違反ということで廃止されたこの規定では、

この報酬基準より「低い金額」で受任してはいけないというものだったようです。

 

ただ、ほとんどの弁護士は、この旧報酬規定を参考に、自分の報酬基準を決めていると思います。

 

典型的なものをあげると。

 

【相談料】30分ごとに5000円~2万5000円

 

実際には、30分5500円(消費税込み)でやっている人が多いと思います。

 

【民事裁判の着手金】

事件の経済的利益の額が

300万円以下の場合 8%

300万円を超え、3000万円の場合 5%+9万円

3000万円を超え3億円以下の場合 3%+69万円

3億円を超える場合 2%+369万円

着手金の最低額は、10万円

 

「経済的利益」というのは、その事件で請求したりされたりする内容を

金額に換算したもの。

裁判では、「訴額」として、裁判所に納める印紙の基準にもなります。

 

例えば、300万円の慰謝料請求をする。という例でいえば、

着手金は、300万円×8%=24万円(税別)

これに消費税を加えた26万4000円が着手金で、

その他、裁判所に予納する印紙代や弁護士の通信費交通費等の実費含めて

だいたい30万円くらいが最初に必要になってくるのかなと思います。

 

ほとんどの弁護士は、その報酬基準を参考に

事件の難易や依頼者の経済状況等を考慮して、

20万円~50万円くらいを最初の着手金にいただくことが多いというのが

実情かなと思います。

 

【民事事件の報酬金】

単純に考えると着手金の「倍」が旧報酬規定の基準です。

経済的利益の額が

300万円以下の場合 16%

300万円を超え3000万円以下の場合 10%+18%

3000万円を超え3億円以下の場合 6%+138万円

3億円を超える場合 4%+738万円

 

裁判するって、お金かかりますね(ーー;)

 

交通事故の損賠賠償等では、認められる金額の10%が弁護士費用分として

損害に上乗せされるのが実情で、

多くの弁護士は、報酬については、

勝てた金額の10%(消費税別)程度

としていることが多いのではないかなと思います。

 

先の300万円請求の例でいえば、300万円の勝訴判決を得たとしたら、

報酬は、30万円~48万円(消費税別)というところでしょうか。

 

なので、裁判までするかどうかは、勝訴の見込みや回収の可能性等も考慮して、

費用をかけてまで、やるべきかどうかを検討して決めていただくのがよいと思います。

 

ちなみに、最近では、交通事故事件については、弁護士費用特約がついている保険も多いので、

弁護士費用については保険を利用するということがやりやすくなっているかと思います。

弁護士サイドからすると、労力がかかるわりに訴額(=着手金、報酬金)が少なくて、

大変ということもあったりしますが(ーー;)

 

【法テラスの利用】

報酬基準のような弁護士費用は、とても払えない。

そういう方も多いと思います。

そういう場合は、法テラスの法律扶助を利用するというのも手です。

 

法テラス利用の場合、法律相談については、3回まで無料相談ができます。

また、報酬基準よりかなり低い(弁護士の善意に支えられている・・・)法律扶助の

費用基準により、法テラスの審査で着手金、終了時の報酬金が決定されます。

利用者は、法テラスに分割(毎月5000円~1万円)で支払いをしていくことになります。

 

この法テラスの報酬基準が弁護士一般の価格低下につながっているのではないか

という問題が実はあります。

利用する側からすると、安く依頼できる方が利益なように思えます。

 

しかし、我々弁護士というのは、社会正義の実現と人権擁護を使命とした職業です。

必ずしも、一般のサービス業とはちがうのではないかと私自身は思っています。

 

弁護士費用の相場が競争原理で、低く抑えられ、

商売のうまい

「弁護士をビジネスとしてだけやる質の悪い弁護士」

だけが利益を上げ、拡大していく。

派手な広告はできないし、集客能力は高くはない。

でも、誠実に依頼者のために努力する数多くの

「まっとうな弁護士」が、

事務所、生活を維持できなくなり、

質の良い弁護士の使命にかなう活動をする弁護士たちが、

この国からいなくなっていく・・

そうしたら、あなたの困難を本当に解決できる、あなたの人権を守ってくれる

本物の弁護士

がいなくなってしまうのではないか。

 

新自由主義が当たり前のように幅をきかせている現代社会で、

人権の砦であるべき弁護士をいかに育て、一人でも多く残していくかは、

法曹界のみならず日本社会の大きな課題なのかも知れません。

 

なので、社会全体のことを考えるならば、

弁護士費用を負担できる資力のある方は、

弁護士相手に価格のバーゲン交渉などせずに、

気持ちよく、弁護士費用を支払ってください。

弁護士は、それに見合う仕事をします。

 

 

こんな考え方の弁護士 岡本卓大にご相談したい方は、

アレテー法律事務所まで。