建設コンサルの子育てビジネス日記

建設コンサルの子育てビジネス日記

建設コンサルとしての奮闘記から、子育てのこと、趣味のこと、不動産のこと、いろいろ書いていこうと思います。

久しぶりのブログです。

 

昨日の新千歳空港で,保安検査場通過後のエリアの店舗でのはさみ紛失をきっかけに,保安検査場が2時間以上にわたり検査が行えない状況となり,検査のやり直しなどによる出発便の遅れ・欠航などで空港が混乱したことがニュースとなっている。先週金曜日の台風で欠航便が多く発生する中でのトラブルで,騒動と損害の大きさは想像に難くない。出発便の遅れと結構は全国の航空ダイヤに影響しただろう。

 

札幌出身で片親の介護に翻弄する身となり,こうしたニュースには敏感になる。年末年始をはじめ,GWやお盆など長期休暇期間中の新千歳のピリピリ感は,表現のしようがないほど。優雅な空の旅とはかけ離れた殺伐の連続がある。皆,がまんしているとは言え,県(道)民性か,いや札幌だからか,怒号が飛び交う状況を目にしたのも一度や二度ではない。出身地としての親しみを込めて言うが,札幌は東京以上に余裕のない地域かもしれない,と感じる。

 

さて,今回の騒動のきっかけになったハサミは現時点で見つかっておらず,単に従業員のミスによるものか,テロリストによる窃盗かは判明していない。ただ,空港会社と国土交通省が協議の故の対応だったことは報じられている。はさみ1個なくなったことを引き金に,おそらく何万人単位で影響が出ていることだろう今回の騒ぎ。適切な判断だったのか,今後議論し,分析・検証されるべきだろう。正しいか間違っているかではなく,適切か不適切か,の観点である。

 

ルールに則ればおそらく正しい対応ではあったのだろう。ただ,それが適切だったのか。足止めを食らった乗客の時間の損害は大きい。想像力を豊かにすると,搭乗を予定している乗客の中にはイライラして心筋梗塞や脳卒中を発症したケースがあったかもしれないし,騒ぐ子供を背にどやしつけて心的ストレスを与えかねない事例もあったかもしれない。こうしたトラブルでは何らかの間接的影響が必ず生じている。こうした状況も精査・分析されるべきものだろう。

 

ハサミに限らず店舗で備品等を紛失することはいくらでもある。それに対し,セキュリティを盾に完璧を目指している部分とのミスマッチがあるだろう。いくらでもあることをゼロにするには,幾重にも及ぶ対策が必要となる。この過程でのエラーが原因となっているのではないか。もし本当に完璧を目指すとき,保安区域内の売店の売価は数倍高価になるだろうし,そうなれば保安区域内の売店は成立しない。逆に,はさみ一本がどれほどの凶器となりうるか,という視点もある。よく検証してほしい。一方的に,店舗やその責任者,スタッフだけに責任をなすりつけるような,思考停止の状態だけは避けなければいけない。判断の過程で,どのような可能性が思考されたのか,硬直化した思考がなかったのか,分析されるべきだろう。ルールに照らして間違っていなかった,というだけではあまりに幼稚だ。

 

こうした問題の検証は,システムを高度に発達させる過程でのタスクのひとつ。正しいか間違っているかの判断であれば,もはやAIで簡単にできる世の中。こうした仕事こそ,数少なくなった貴重な人間の仕事のひとつかもしれない。