岡山駅で発車標・放送試験が行われそうな兆候を掴みましたが、翌朝、案の定岡山駅は発車標・放送共に試験を行っていました。2016年3月16日のことです。
本当ならすぐにでも向かいたいところですが、用事を終えてから、15時過ぎからの参戦となりました。
岡山駅の記事では、時系列は無視し、のりば毎に記事を書こうと思います(その方が理解しやすいことが多いと思うので)。
まずは山陽本線下りホーム1・2番のりばと、同上りホーム3・4番のりばから。
基本的には倉敷駅と同じ横幅の筐体だから、同じような表示なんだろうなー、あとは横幅の広い瀬戸大橋線のりばと山陽本線下りホームは、右のスクロール欄が無くなって、SUNTRASでも見たことないような割付をするんだろうなーという期待をしていましたが、良い意味でしっかりと裏切ってきます。
やっぱり目を引く「当駅止」!
今となってはとっくに見慣れた「当駅止」の表示ですが、この時は非常に新鮮でした。
そして、SUNTRASで馴染みのある左右の矢印によって、発着するのりばを示す方式ではなく、なんと以前の岡山駅の表示と同じく、のりばの番号を右端に表示し、矢印は用いないという割付になりました。
以前の表示と比較してみましょう。
・のりば番号が全角から半角へ(フォントも変わってます)
・各パーツが岡山駅独自のものから、岡山システム共通のものへ
・乗車位置表示の色が、日英で変わっていたのを、緑色で統一
といったところでしょうか。
前述のように、当駅止の表示はずーっと岡山駅では出ていなかったのですが、システム導入後は表示されるようですね。
これは案内向上にバッチリ貢献しています。
特に、山陽本線は岡山を挟んで東西で輸送量がかなり違うので、どうしても岡山止まりが多くなります。地元住民の方は慣れている人も多かったと思いますが、この当駅止表示の登場で、初めて来た方には優しくなったのではないでしょうか。
そして、副産物として、3・4番のりばでも「やくも」の表示が見られることになりました。
SUNTRASは、到着する列車の列車名もきちんと表示・放送する丁寧なシステムです。
そのSUNTRASベースなので、岡山止まりのやくも号もきっちりと案内してくれるようになりました。ただし乗客に必要不可欠な情報ではないですけどね…趣味的には楽しいものです。
あと、赤穂線の列車が先発になった際、最下段を占領していた、
「この列車は、東岡山駅から赤穂線に入ります。」というスクロールは、流れなくなりました。
正直必要ないと思ってたのと、当駅止が表示される分、従来より乗れる便の表示が減る時間帯が大半になったため、これは良い判断でしょう。
続いて、1・2番のりば。
横幅28文字という、JR西日本最大級の横幅の筐体が設置されていること(SUNTRASエリアでの最大は20・22文字)、スクロール欄が横に用意された表示は今までSUNTRAS管内では無かったことを踏まえると、恐らく岡山駅もスクロール欄を廃止し、新しい表示形態を用意するのでしょう!
ということでご覧ください…
↑日英が切り替わる瞬間の奇跡のショット
なんと!従来と全く同じ、のりば番号ありの割付ではありませんか!SUNTRASベースではありながら、これは初めて見るスタイルです。
この中には写っていませんが、もちろん当駅止も出ます。
スクロール欄は、右に10文字分。従来と同じ割付ですからね。スクロールの文章について、今までは岡山駅の駅員さんが打ち込んだオリジナルの文章でしたが、倉敷駅と同じように、SUNTRASとほとんど同じ文章へと変更されています。
「[種別] ○○行の停車駅は、〜です。」という停車駅スクロールをはじめ、自由席、指定席、グリーン車の号車案内のスクロールも流れています。
これ以外の、大きな変化は前述の3・4番のりばと同じです。
こちらも以前の表示と比較してみましょう。
偶然にも、近い時間帯の表示を撮影していました。というか、恐らく全く同じ時間の表示を撮影していたと思うんですが、膨大な量から探し出すのが大変なので、近い時間帯のもので許してください。
比較すると、もう少し細かい違いが見えてきますね。
府中行
(列車名欄)山陽線 福山方面→山陽本線
(行先欄)福山経由府中/Fukuyama•Fuchū→府中/Fuchū
快速サンライナー・三原行
(列車名欄)サンライナー→サンライナー
(行先欄)三原→ワンマン三原
どれだけの直通利用者がいるのかわかりませんが、府中行については若干情報量がダウンしています。
全角で表示するスペースがあったのに、なぜか半角で表示され続けた「サンライナー」も、ついに堂々と全角表示の仲間入りです(そんな岡山駅でもごく一時期だけ全角で表示されていた時代があったのは永遠の謎)。
そうそう、大事な表示を紹介し忘れていましたね。
「電車がまいります」の反転表示、接近表示です。
倉敷駅や、その他の駅でも導入されていたこの表示、もちろん岡山駅でも導入されています!
のりば番号が出ていながら、接近表示が出る、というのは、SUNTRASではあり得なかった表示です。さながら、改札発車標なのにホーム発車標と同じ設定がされていて、結果接近表示が出る、というようにも見えます。そういえば東日本のATOSエリアでもあったような…?宇都宮だったかな?
少し専門的な話になるのですが、表示される位置について解説します。
種別欄の右1文字分の空白と、行先欄の左1文字分の空白の間に表示されています。すなわち、接近表示の左右に1文字ずつ空白がある、ということですね。
倉敷駅も同じです(出雲市が3文字なので、見た目上1.5文字空いてますが、行先「欄」は4文字分充てられていて、出雲市の左右に0.5文字分ずつ空白があるので、トータルでは接近表示の左右に1文字ずつ空白がある、ということになります。とか言ってもここら辺の内容はかなりディープなので、気になる方はTwitterで質問下さい)。
17時代に話が飛びます。
岡山駅といえば、非営業列車の案内も非常に細かく表示することで大変有名でした。鉄道ファン向けにわざと表示しているのか?という意見も出るほどで、「鉄オタに優しい岡山駅」なる異名が付くほどでした。
しかし、その優しさも新システムの統一性には負けてしまいます。
種別欄に「貨物」、列車名欄に「通過貨物列車」、遅延時は列車名欄は「遅れ通過貨物」→「遅延通過貨物」→「遅延通過貨物列車」と変化してきましたが、ここでついに「通過」表示へと統一されてしまうことになります。
自身のハンドルネームにもなっている「遅れ通過貨物」は、発車標に興味を持つきっかけになった表示です。昔からどことなく詳しいな、と感じていた岡山駅の発車標でしたが、時たま姿を現わす「遅れ通過貨物」は、橙色で目立つこともあり、また、時にとんでもない遅延時間でやってくることもあり、遭遇するといつも写真に収めていた思い入れがあります。
それに、いざ口に出して読んでみると大変語感がいいのです。おくれつうかかもつ。
一見長ったらしいけど、いざ読んでみると一発で覚えられるんですよね。
ということで、岡山駅を始めとした発車標の面白さを広めたい、という思いと、覚えてもらいやすい、というメリットを兼ね備えた名前を名乗って、僕自身は活動しているわけです…と話が逸れてしまいました。
非営業列車の細かい案内をしなくなる、ということで、岡山駅の発車標の魅力は半減してしまいました。しかし、発車標の本職は面白さではなく、旅客案内をすること。ごちゃごちゃ長ったらしく表示しているよりかは、シンプルな方が良いでしょう。本質に立ち返って、分かりやすさを前面に押し出した「通過」という表示にリニューアルされました。
ということで、接近表示も「列車が通過します」が見られます。
どんな列車が来る時でも、「列車がまいります。ご注意下さい。」しか表示しなかった岡山駅ですから、大きく進化しました。
これは岡山システムで初めて見るスーパーいなば号の表示。
英語は撮れていませんでした…が、前のガタガタ2段表示よりも、横並びの綺麗な表示になっていましたよ。
こちらも新旧比較。
日本語表示は元々綺麗だったので、大きく変わったようには見えないですね。
そう言えば、新表示の号数、1桁ですが、SUNTRASでは1桁号数は全角数字になるのに対し、岡山システムでは半角数字になるようですね。案内上の不都合はないでしょう。
さらにもう1時間後、18時台の1・2番のりばです。
普通・当駅止というのは、SUNTRAS導入路線では嫌という程見かける表示でしょうけど、岡山には初見参。これに「電車がまいります」と出ていれば、SUNTRAS導入路線とほとんど同じレベルの表示案内ですね。
そして、やはり当駅止の恩恵か、スーパーいなばの表示がここのホームにも出るようになりました。
遅延時には時々見られますが、特急が2列車以上定期的に表示されるのは、当駅止が挟まる新表示ならではの光景です。
ここで、注目していただきたいのが、列車間隔の狭さ。非営業列車が挟まるとは言え、5列車表示の筐体で、最上段から最下段までの間隔が11分というのは、大都市にも引けを取らないレベルです。
参考までに、大阪環状線・大阪駅の同じく5段の表示を撮影したものを貼っておきます。
朝ラッシュの時間帯で、スクロールが流れているため最上段から4段目までの間隔でしか比較できませんが、それでも11分です。
ユニバーサルシティ方面桜島行というのは、ほとんどの人にとっては非営業のようなものですから、岡山駅と条件が一緒です。
岡山支社の山陽本線の帰宅ラッシュ時間帯は、大阪環状線を超えるレベルであるということが、図らずも明らかとなりました(暴論)(両数を見ないように)。
冗談はさておき、当駅止の登場に伴い、最上段から最下段までの間隔が縮まるようになりました。
岡山駅で1番段数の大きいものは瀬戸大橋線の改札発車標ですが、ホームに絞ると1・2番の山陽本線下りホームが5段で最大です。
そんな1・2番のりばの発車標を、数年間見てきましたが、どれだけ間隔が詰まっていても、最上段から最下段まで14分を切ることがありませんでした。貨物が遅れていたとしても、後続のスジに載せたりしていて、ついに本稼働まで14分を切ることはありませんでした。
(↑この時間帯の場合、本来なら16:24に通過貨物列車があり、16:20から24の間に所定13:54通過の貨物列車を入れれば、最上段から最下段まで10分間隔の表示を撮影できた可能性があったが、恐らく13:54通過の貨物を16:24に通過させることで、ダイヤへの影響を小さくしていると考えられる。また、所定16:24の貨物は、余裕のある時間帯に走らせるか、また次の貨物のダイヤに載せる、いわば段落としをする。これによって、旅客列車への影響を最小限に抑えているのだろう。)
これを個人的に「14分の壁」なんて呼んでたんですが、当駅止が挟まることによって軽々と打ち砕かれてしまいました。
とまあこんなことを考えながら発車標を撮影していたわけですが、停車中のやくもが意味不明な表示を出していまして…なんと普通!
表示は普通でも、状況は異常でして…
まあこんな形の普通が来るわけないですし、倉敷民の「やくも以外なら何でも乗ってOK意識」が見事に作用しており、誤乗は0だったはずです。
とか言ってたら、山陰では381系が臨時普通運用に入ったり、遅延時に各駅停車に化けたりとかフリーダムなことしてるらしいですが…このブログで取り上げる内容ではないですね。
もう一度3・4番のりばに戻って撮影。57分発の瀬戸行に乗って帰りました。
やくもに続き、サンライナーも当駅止の登場によって3・4番のりばでも見られるようになりました。ここでも律儀に列車名を出す岡山システム、非常に丁寧です。
とりあえずここまでまとめると、
「のりば番号右端表示は継続しながらも、それ以外の表示はほぼ全てSUNTRASを踏襲している」
と言ったところでしょうか。
このブログや、Twitterでは、SUNTRAS!SUNTRAS!と連呼していますが、個人的にSUNTRASは大変美しい表示をするので、好きなんです。のりばの左右を矢印で案内するのは直感的で、設置数を減らすことができるメリットもあります。岡山支社に導入されたものは、ほぼSUNTRASでありながら、倉敷駅ではSUNTRASと全く同じ左右矢印ありの割付、岡山駅ではのりば番号を右に出す割付、と違いが生じました。
個人的にはのりば番号を出すのはスマートさに欠けるので、矢印表示を出すのに賛成なのですが、岡山駅の発車標を突き詰めて考えると、のりば番号を出さざるを得ない状況であるようにも思えました。
これについては、また後日、「考察編」という名前で記事を書きたいと思っていますので、暇なときにでも考えてみてください。
さあ次は瀬戸大橋線・津山線・吉備線ホーム。
先にネタバラシすると、昔に予想した通り、きっちりシステム連動の案内が行われていました!趣味的な視点では、新しい表示がたくさん出てきます。
津山線と吉備線はささっと流しますが、瀬戸大橋線ホームはネタの宝庫ですので、写真盛りだくさんでお届けします!お楽しみに!