【前提事項】
2013年5月8日、中国・人民日報は同日付紙面で、中国社会科学院の専門家2人よる尖閣諸島問題の歴史的検証記事を掲載し、「尖閣を含む台湾とそれに属する島しょ部は中国に回帰すべきであり、歴史上結論の出ていない沖縄(の帰属)問題も再び議論が可能だ」との記事が掲載された。記事は社会科学院の張海鵬、李国強の両氏が執筆。
【参考意見】
米国務省のベントレル副報道官代行は9日の記者会見で「米国は沖縄における日本の主権を承認している」と述べ、人民日報の論文の主張を一蹴した。ベントレル氏は「米国は尖閣諸島(沖縄県)の主権問題については特定の立場を取らない」と述べ、尖閣諸島を巡る主権と人民日報の主張を区別する考えを示した。
【評価】50点
日本国内に「沖縄問題」が存在しない、という考え方はむしろ少数派だろう。47都道府県の中で、最も独立を主張する可能性の高い県だと言える。今回の評価は記事の内容ではなく、記事の扱いについての減点をした。日台漁業協定やオスプレイの追加配備など、日本政府と沖縄県の不協和音が響く中、しかも菅官房長官の名前を出し、その言葉を引用するかたちで仲井真知事が発言した意義を考えれば、ベタ記事扱いは情けない。
【書評の意見】
小さい県の知事は、中央官庁の役人が多い。理由として県財政は地方交付税や国庫支出金に大きく依存しているからで、小さい県になればなるほど、依存比率は高くなる。沖縄県は最も依存度が高い県だが、1972年の本土変換後、伝統的に中央官庁出身者は知事になっていない。紛れもなく「心」の部分が大きな理由だろう。仲井真知事の発言の裏に「心」の部分を感じ取るのであれば、ベタ記事扱いは心無い報道と言える。
