思うところあり、今回の記事は『老いぼれブログ』のカテゴリーを逸脱しての“番外編”です。

ここにきて、日本全国、同時多発的に出現している『伊達直人』。
皆さんはどう思われるでしょうか。

純粋な部分で、日本人、ひいては人間、捨てたもんじゃないなと、ついうるうると感動してしまいます。

軟弱であり優しい日本人。

その意味合いは裏腹で、また、大人しく、真面目で従順な日本人もまた裏腹です。


今、人々の目の前にある現実は、世知辛い世の中にあって、自分の身の回りのことだけを考えるのが精一杯で、他人のことなど気にしてはいられない。

例えば、もう既に話題にさえ上らない先頃の『スカスカお節』は、ある部分での“誰もが持ち得る”エゴの象徴だったような気がします。

ついては、Netでの批判の嵐。

でも、その現象を捕らえてみた場合、人々は現状に対して常に自分自身の中に“疑問符”を抱きながら日々の生活を送っているだろうことの表れであるというふうにも思えます。

不条理・理不尽なことを、人は皆、常識的に不条理・理不尽だと感じ、それが何かのきっかけでここぞとばかりに歪曲した形で、あるいは時にストレートに噴出するのでしょう。

『スカスカお節』に対するNetでの“お祭り騒ぎ”も、今回の『伊達直人現象』も、案外「根」は一緒なのかもしれません。

$風俗浪漫☆老いぼれの遠吠え-伊達直人


昨日(1.11)、Net配信された記事。

【タイガーマスク】厚労相「温かい気持ちに感謝」「国民のみなさん、よろしくお願いしたい」

全国各地の児童養護施設などへプロレス漫画「タイガーマスク」の主人公「伊達直人」を名乗る人物から、相次いで現金やランドセルが届けられていることについて、細川律夫厚生労働相は11日の閣議後会見で、「本当に温かい気持ちに感激している」と感想を述べた。

一方、少子化が進むなか児童養護施設に入所する子供が依然増加していることや、大学進学率が低い状態にあるなど待遇面に問題があることなどを問われると、「国の施策で恵まれない子供たちの対策を充実させていきたい」と言及。

そのうえで、「一般国民もこういう(恵まれない)子供たちに対し、温かい手をさらに差し伸べて頂ける、関心をもっていただけることは、大事でうれしいこと。国民のみなさんにはひとつ、よろしくお願いしたい」と、今後もこうした動きが広がることに期待を示した。


「国民のみなさんにはひとつ、よろしくお願いしたい」だ???

馬鹿が! 阿呆が!

老人(オイト)はそう言いたい。

私利私欲にまみれ、目先のことしか考えず、責任を持つということを知らず、結局は「他人事」で、根本的な雇用対策や福祉についてお座なりにしているというのが今の(いや、従来からの)日本の政府だと思います。

心から日本の現状を思い、国民のことを考えるなら、「よろしくお願いしたい」などという言葉は絶対に出てはこないはずです。


「伊達直人」を名乗る人物からの、同様の匿名の寄付は11日までに確認されただけで40都道府県を超え、90カ所以上に上ったと言います。

またある記事によると…

新潟青陵大学大学院の碓井真史教授(社会心理学)は今回の現象を、「日本では寄付は恥ずかしいという気持ちが出るが、伊達直人を名乗ることで遊び感覚が働き、やってみようという気になれたのだろう。
作中でも寄付をしていた登場人物だからこそ共感を呼んだ」と指摘。「贈り主の多くは漫画やアニメでタイガーマスクを見ていた40~60代」とみる。

一方で、福岡では30代の人物も目撃されており、裾野が広がっている可能性が高い。臨床心理士の矢幡洋さんは「最初の贈り主は50代前後かもしれないが、経済的余裕のある30~40代が加わったのではないか」と分析。
「インターネット上の『祭り』と呼ばれる感覚で、自分たちでブームを広げようという意図がみえる。善意の表現も時代性が出ているといえるのではないか」と分析している。


さぁ果たして・・・・・・

動機はともかく、また、この『善意の連鎖』はおそらくは一過性のものでしょうが、だとしても、これはある意味でひとつの『社会運動』であるような気もします。


依然として続く不況、リストラ、就職難。

【国民の7人に1人が貧困状態 厚労省、初の発表】(2009.10.20)
厚生労働省は20日、全国民の中で生活に苦しむ人の割合を示す「相対的貧困率」を初めて発表した。
平成19年は15.7%で、7人に1人以上が貧困状態ということになる。18歳未満の子どもの貧困率は14.2%だった。
厚労省は国民生活基礎調査の既存データを使い、10、13、16、19の各年(調査の対象は前年)にさかのぼり、経済協力開発機構(OECD)が採用している計算方式で算出。19年の全体の貧困率は10年以降で最悪、子どもは13年に次ぐ水準だった。

【生活保護受給者の自殺率、10万人あたり62.4人 全国平均の倍 厚労省調査】(2010.4.9)
生活保護受給者の自殺率が、10万人当たり62.4人と全国平均の倍以上となっていることが9日、厚生労働省の調査で分かった。
生活保護受給者の自殺率は調査した過去3年で増加し続けており、低迷する経済情勢の中、生活弱者が心身共に追いつめられている実態がうかがえる。

【生活保護、過去最多の141万世帯超に】(2011.1.12)
全国の生活保護を受給している世帯数が昨年10月時点で141万7820世帯に上り、過去最多を更新したことが12日、厚生労働省の集計で分かった。
前月比で約9400世帯増、前年同月比では約13万6千世帯増。受給者数は196万4208人で、前月比約1万3千人増、前年同月比で約19万人増。

【不況やリストラ 困窮する父子家庭 手薄な支援、意識改革が必要】 (2011.1.12)
長引く不況で、経済的・精神的に苦境に陥る父子家庭が増えている。
リストラや所得減に遭う父子家庭が増えているにもかかわらず、就労や貸付金などの行政支援は母子家庭に比べて手薄なまま。職場の余裕が失われ、「育児より仕事を優先せよ」というプレッシャーに苦しむ父親も多い。
関係者は「支援策の拡充と企業の意識改革が必要」と指摘する。


皆さんはどう思われるでしょうか。



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