日本の報道が中国・韓国に気使いする感じがするのに対し、こちらの新聞は外国の話については言いたいことを言いますよ。


現地新聞に以下のような論評が載っていましたので和訳します。


日本の新聞記事や他のブログに一部が載っていましたが、それらが書いているように「日本は軍事力を持つ道を選んだようだ」なんて原文には書いてないからね


これを書いたのはマレーシア新聞の記者ではなく、カナダのコラムニストです。だからこれは転載です。筆者のブログにも英語版記事が載っています。


でもこういう記事を安倍首相が7月25日にマレーシア訪問した直後の8月1日朝刊に転載してまで載せるなんて、意図的なんじゃない?


題名見た時、中国側に立って日本批判かと思いましたが、内容は逆でした。アップ


それでは紹介します。


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The Sun, 2013年8月1日付
筆者:Eric S. Margous


日本にとって第二次世界大戦は決してまだ終わっていない。米国海軍の軍艦ミズーリが東京湾に入り、艦上で大日本帝国の降伏文書調印式が行われて以来、実に68年間も経った現在でも、日本は屈服した敗戦国のように行動している。すばらしい国民を有する世界の強国のひとつであるにもかかわらずだ。


経済面で日本は、ぐらついているものの巨大である。安倍晋三首相率いる自民党は国会両院を制覇した。安倍首相の「三本の矢」は、低迷していた5兆米ドル規模の日本経済に一定の活を入れ、割高だった円を円安にした。


しかし、日本は軍備に関しては極小である。自衛隊は領土北部で海陸からのソ連による侵攻を防衛する目的で編成された。


米国が書いた平和憲法は、あらゆる先制的攻撃行動と兵器及び軍用品輸出を禁じている。


1960年の日米安保条約はワシントンと東京の関係の基礎となった。それに従って米国は日本に対するあらゆる侵攻を防衛することを約束した。おもしろいことに、日本は米国の防衛を支援する約束をしたものの、軍隊の海外派遣が出来ない。


安保条約の鍵は、米国が日本で恒久的な陸海空の基地を確保することであった。そして米国は半世紀経った現在でも、まだ日本に駐留する。


こうして日本は、米国の巨大な空母となり、高度に戦略的な北アジアを米国が支配するのに貢献している。


その代償として日本の産業界は米国市場への開放的な参入が許され、1960年代の高度経済成長の基礎を作った。米国は韓国にも似たような取引を与えた。


このようなうまい関係は、中国の軍事力及び経済力の急速な台頭で脅かされている。先週には中国空軍機が沖縄沖空域に侵攻し、日本では騒動となった。


数年来、中国の空軍機、軍艦、潜水艦は尖閣諸島周辺の日本領海に侵略している。尖閣諸島は19世紀から日本が支配しているものの、現在は中国は領有権を主張している。さらに憂慮されることに、琉球王国がかつて中国王朝に朝貢していたことから、中国は沖縄の領有権まで主張し始めた。


このような中国の主張、太平洋への覇権を念頭において、大洋航行可能なまでに成長した海軍と長距離飛行可能な空軍、北京政府が日増しに増長させる東シナ海の全ての島嶼の領有権主張。日本はこれらを非常に警戒している。


中国で国粋主義が過去になく高まる中、日本はますます不安になっている。米国は尖閣諸島と沖縄の防衛のために、本当に中国との核戦争も辞さないという犠牲を払ってくれるのか、という問いである。


中国はといえば、日本列島という地理上の壁に海軍力の成長が制限され、さらに脅かされ、太平洋への進出を邪魔されていると考えている。ソ連も同様に北太平洋への進出を阻まれていた。


中国の艦隊や石油タンカーが太平洋に出るには、日本本土、尖閣諸島、琉球列島の壁を突っ切るか、フィリピン北の狭いルソン海峡を通過することになる。


これを考えれば、米国が1992年に撤退したスービック空海軍基地の復活をマニラ政府と交渉中であることは、驚くことではないだろう。


中国は明らかに東シナ海と太平洋へ強硬に進出しようとしている。しかし、より広範な戦略としては、中国は海空軍による挑発で日本の面子をつぶし、日本を無力化し、第二次世界大戦の罰を与えようとしている。そしてアジア諸国に対して、現在の親分が誰なのかを誇示している。


日本はこの生死に関わる挑発を完全に認識しているものの、この第二次世界大戦後最大の脅威にどう対応するか決めていない。選択肢は2つである。


米国が中国の覇権を制止してくれることに期待し続けることがひとつ。もうひとつは米国が戦後に強制した構造を放棄し、本当の外交政策を構築し、信頼できる軍隊を創設することである。それには核武装も含まれる。


そうすることは、日本が過去の第二次世界大戦の敵に対して永遠に頭を下げ、謝罪し、服従することからの脱却を意味する。これは日本にとって天地が翻るほどの変化だろう。多くの国民は現状維持を望んでいるだろうから。少なくとも中国の軍事的脅威の再来までは。


オバマ政権の強力な支持者であり寄付者であるキャロライン・ケネディが日本大使に就任したが、このような複雑な問題が発生している時期には全く不適任である。


日本は1940年代に戦争に負けたという恥から脱却し乗り越え、国民精神を新たにしなければならないのだ。


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筆者のブログに英語原文が載っています。こちら
http://ericmargolis.com/2013/07/japan-must-face-up-to-china/