人それぞれが歩みを遂げた歳月。
その時代ごとに個人の生き方を垣間見てみると、その瞬間に感じたこと、生き方、愛し方など別の人とも
取れるほど中身が違っている。
あの時代の自分はこうだった。
あの時の自分はこうすべきだった。
時間が経過してみれば、人は過去の自分への馳せない思いでいっぱいだ。
この物語に出てくる 山崎将太 も そんな男だ。
今年で44歳。
バブルと言われた昭和、平成の好景気の時代の陰りと共に大人になった男だ。
将太は東京都下の町で生まれた。
兄妹は妹が一人、父親は公務員、母親は中学校で教壇をとっていたが、すでに年金生活者だ。
将太は東京都立の比較的偏差値の低い商業高校を卒業、大学への進学は学歴的にも、努力的にも
無理であり、簿記の専門学校へ進学した。
高校時代、比較的自由な校風だった為、将来設計もろくに考えず、成り行きまかせで決めただけだった。
どうにか専門学校で資格も取って卒業、就職口も決めることができた。
新社会人となった将太が今回の主人公である。
どこにでも居そうで、だけど真似のできない律儀な生き方で毎日を奮闘するのだ。
