小説「海と陸の彼方へ」

第四章新主人公ヘクター石油王国を設立する

第8話ヘクター石油を掘り当てる（中編その3）

前書き

ソフィアとの結婚も決まり、幸せを満喫していたヘクターのところにルイスからの電話が入る。それは驚くべき内容だった。エドゥワルドの正妻クラウディア・コステロとエドゥワルドが不仲になり、夫婦別れをしたばかりか、両者が抗争を始めたそうだ。マフィアとしては新参であるエドゥワルドはクラウディアの後ろ盾があって初めて組織を維持することが出来ていた。子飼いの部下と言うとルイスとアンヘルしか居ない。見る見るうちに組織はクラウディアの元に結集し、エドゥワルドを支持したのは第2夫人セリーナ・マッキンノン（27歳）とルイスしかいなくなった。追い詰められたエドゥワルドはセリーナをルイスに託し、自らは海外へ逃亡した。ヘクターはルイスとセリーナを中国の南京に居る蒋介石のところに逃がすことをアンヘルと一緒に図った。ルイスの運命や如何に？

本文

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登場人物「1935年1月1日時点」
アンヘル・ディアンジェロ16歳：ハーバーテックソリューションズ（HTS）の会長兼CEO。ル・クリスタル・ホテル所有「200万ドルで居抜き購入」。アンヘル航空㈱会長兼CEO「資本金10億ドル」。ヴィヴィ警備会社「資本金1千万ドル」オーナー。軍事産業への共同投資60億ドル「配当金：1,929万ドル/ 週」。現預金50億ドル「シャドウ・ネクサスから略奪」と債権「総額不明」所有。
マリア・エバ・ドゥアルテ16歳。アンヘルの妻。AMレジャー総合開発㈱「資本金1億ドル」社長兼COO。悪魔のように可愛い女。
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アンヘルの家族
イタリア系の不法移民で、彼らの家族名は「ディアンジェロ」です。以下はディアンジェロ家の家族構成です：
・父親ヘクター・ディアンジェロ（28歳）「10歳の若返り」：アンヘルから10億ドルの資金を貰い、テキサスで石油と天然ガスを発掘した。
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ヘクターの資金7億4,060万ドル。前回の最後で石油精製会社の資本金を5千万ドルとして計上した。
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・母親ローサ・ディアンジェロ（35歳）：ローサ・ディアンジェロは家庭を守りながら、地域の共同体でボランティア活動を行っています。彼女は子供たちが教育を受けることを強く望んでいます。ヘクターの浮気が発覚し、ヘクターと離婚した。
・兄ルイス・ディアンジェロ（18歳）：表向きはニューヨーク市警警部兼総合建設会社NYHCの社員。実はマフィアのアンダーボス。
・ルイスの双子の姉マリア・ディアンジェロ（18歳）：マリア・ディアンジェロは地元の専門校に通っています。ヘクターに誘われ、行動を共にすることになる。
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マリア・エバ・ドゥアルテ「マリア・D」16歳の家族
・エルヴィラ・ドゥアルテ13歳。マリアの妹。
・カタリナ・イルデフォンソ20歳。ルドラ金融㈱営業部長。
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マリア・ヴァレンティーノ「マリア・V」54歳。アンヘルの恋人兼投資パートナー。ヴァレンティーノ・ファミリーの死亡したボス：ヴィンセント・"ヴィニー"・ヴァレンティーノ（56歳）の元妻。莫大な資産「推定500億ドル」を持つ。軍事産業への共同投資60億ドル「配当金：1,929万ドル/ 週」。
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ジョン・マッケンジー（35歳）。エドゥアルドの競争相手「有力な建設会社グローバルテック・コンストラクション・インクGCIのCEO」。
妻: サラ・マッケンジー（33歳）, ファッションデザイナー
子供: ルーカス（8歳）, ソフィア（5歳）
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サラ・マッケンジー（33歳）の実家
父：ロバート・ハミルトン（58歳）：アメリカ合衆国の上院議員
母：キャサリン・ハミルトン（55歳）：社会活動家。アンヘルの愛人。
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ニューヨーク市長
名前: ダニエル・ハリソン
年齢: 42歳
家族構成:
妻: ジェニファー・ハリソン（37歳）
子供: エマ（10歳）、ノア（7歳）
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ニューヨーク市港湾局長
住所：ブルックリン臨海区
マイケル・スミス（38歳）
妻: クレア・スミス（36歳）, 弁護士
子供: ノア（7歳）, ミア（4歳）
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ジャーナリスト
住所：ブルックリン・ベイ・リッジ地区「イタリア系」
エミリー・デイビス（32歳）
夫: ベン・デイビス（34歳）, ITエンジニア
子供: エリー（3歳）
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エリナ・"ブラックウィドウ"・ロドリゲス40歳。アンヘルの愛人。元ニューヨーク・マフィア「シャドウ・ネクサス」の副ボス。アルゼンチン人。
マリア・"レッドローズ"・デ・ラ・クルス35歳。アンヘルの愛人。ニューヨーク・マフィア「シャドウ・ネクサス」の元人事担当。アルゼンチン人。

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ニューヨーク市の行政地図

アメリカ合衆国東部
昭文社「コンパクト世界地図帳」P52

フロリダ州の地図と出典「南部にマイアミ、更に南部にホームステッドがある」

マフィアの組織図「パブリックドメイン」

5月9日木曜日午後6時、綿花農場の母屋での夕食の光景
綿花農場の母屋に戻ったヘクターたちは、ソフィアの主導で夕食の準備に取り掛かる。ヘクターの新妻となるソフィアは、ヘクターのために特別な料理を計画して張り切っていた。

ソフィアの料理への情熱
キッチンでソフィアは腕を振るい、ヘクターのために、そして集まったみんなのために心を込めた和食を作り始める。彼女の料理する姿は愛情と期待に満ち、その熱心さが周囲にも伝わってくる。

協力する仲間たち
アン・ウェブスター、エマ・ハリス、そして同級生のエリザベス、マーガレット、アンナも、ソフィアの手伝いに積極的に参加する。彼女たちは野菜を切ったり、盛り付けを手伝ったりと、和気あいあいとした雰囲気で作業を進める。

和食のメニュー
ソフィアが選んだメニューはヘクターの健康を考えた栄養バランスの良いものだ。

1.寿司:
新鮮な魚を使った寿司は色とりどりで目にも鮮やか。手巻き寿司スタイルで楽しみながら食べられるように用意される。

2.天ぷら:
サクサクとした食感の野菜と海老の天ぷら。揚げたてを提供するため、食卓近くで揚げる工夫がされている。

3.味噌汁:
慎ましやかながらも心温まる味噌汁。具材には豆腐やわかめ、春の山菜が加えられる。

4.煮物:
じっくりと炊き込んだ野菜と肉の煮物。特に、柔らかく煮込んだ大根や人参にはソフィアの心が込められる。

5.緑茶:
食後のお茶として温かい緑茶が用意される。食事の後にはリラックスと健康のために最適だ。

夕食の光景
キッチンは活気に満ち、和やかな雰囲気が漂う。ソフィアと彼女を助ける仲間たちは料理を通じて絆を深める。テーブルには美味しそうな料理が並び、食事の準備が整うと、ヘクターを含む一行が集まり食事を楽しむ。

ソフィアの料理は彼女のヘクターへの愛情と、新しい人生への期待を表現する。一行は美味しい食事と楽しい会話で夕食を共にし、その日一日の疲れを癒やしながら明日への活力を得る。ソフィアの初めての和食の夕食は彼女の新しい章の始まりを祝福するかのようだ。

夕食を摂り、ソフィアたちとリビングで談笑していたヘクターのところにキッチンに居たアン・ウェブスターがやってくる。"ルイスさんから電話よ"

ヘクター：どうした。もう着いたのか？

ルイス：いや、まだアトランタに居る。ここで泊まって明日早朝に立つから、明日の午後2時には綿花牧場の飛行場に到着できる。

ヘクター：そうか。ゆっくり休めよ。

ソフィアが突然受話器を奪い取り、ルイスに"ルイスさん。悪いけどジェームズと代わってくれないかしら"と言う。ルイスはすぐにジェームズに代わった。

ジェームズ：ソフィア。聞いてくれ。

ソフィア：貴方の話など聞く気はないわ。私から貴方に言いたいことがあるのよ。私は貴方と別れる。もうこちらには来なくても良いわ。ルイスさんに代わってちょうだい。

ルイスが受話器を取ると、ソフィアが答える。

ソフィア：ルイスさん。ジェームズと別れることにしたから、ジェームズと女はアトランタで下ろして下さい。此処へ来るのは貴方だけで良いわ。

ルイス：そうか。そうしよう。ところで親父にもう一度代わってくれ。

ヘクターが代わって受話器を取った。

ルイス：困った事態が起きた。エドゥワルドさんとクラウディア・コステロさんが仲違いした。

ヘクター：クラウディア・コステロさんと言えばエドゥワルドさんの正妻だろう？

ルイス：そうなんだが、仲違いして夫婦別れしたんだよ。今コステロさんとエドゥワルドさんが縄張りを巡って抗争を始めたんだ。

ヘクター：お前は当然エドゥワルドさん側だよな？

ルイス：もちろんだ。だがコステロさんには忠誠を誓う先代からの部下が沢山付いているんだ。

ヘクター：エドゥワルドさんの方が分が悪いんだな。

ルイス：そういう事だ。エドゥワルドさんに第2夫人のセリーナ・マッキンノンさん（27歳）の保護を頼まれて今一緒にいる。

ヘクター：他にも夫人たちが沢山いるだろう。

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ジュリア・コステロ33歳。エドゥアルド・ガルシアの第3夫人。
エミリア・コステロ27歳。エドゥアルド・ガルシアの第4夫人。
イザベラ・ロマーノ32歳。エドゥアルド・ガルシアの第5夫人。
ビアンカ・マルティネス34歳。エドゥアルド・ガルシアの第6夫人。
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彼女たちはどうしたんだ？

ルイス：全員コステロさん側に付いてしまった。

ヘクター：エドゥワルドさんはどうしているんだ？

ルイス：彼は姿をくらませた。エドゥワルドさんからは親父に渡せと金を預かっている。50億ドルの預金通帳だ。俺を匿う資金のつもりだろう。

ヘクター：それはお前が持っていろ。

ルイス：いや。俺は自己資金を100億ドル持っているから必要ない。

ヘクター：そんなに持っているのか。それじゃあ、金は預かるがどうしたものかな？とりあえずお前とジュリアさんの二人はこちらに来い。何とか考えよう。

ヘクターは受話器を切り、ニューヨークのアンヘルに電話した。

アンヘル：やあ。父さんか。順調に行っているようだね。

ヘクター：俺の方は問題ないんだがルイスが問題を抱えていてな。

アンヘル：そうなの？兄さんは俺には何も言ってくれないんだよ。俺に何か出来ることはあるかな？

ヘクター：ルイスを逃さないといけないんだが、整形手術をさせないと不味いな。

アンヘル：以前にエドゥワルドさんを手術したインタイ・アルマンド（16歳）が学会の集まりで今ダラスに居るよ。連絡してみるよ。

アンヘルはインタイに電話し、テキサス西部のヘクター牧場へ向かってくれと頼んでおいた。

アンヘル：父さん。インタイは明日の午後2時頃に綿花農場へ着くそうだ。

ヘクター：そうか。これでヘクターも逃げられるな。

アンヘル：何処へ逃がすつもりなの？

ヘクター：それが難しいところだな。中国の蒋介石のところへ行かそうか。

アンヘル：父さんにコネでもあるの？

ヘクター：いや。そんなものは無いんだがな。あれば苦労はしない。

アンヘル：三合会のリー・シャオフェンさんに電話で頼んでみるよ。

アンヘルはブエノス・アイレスに居る友好的な三合会のリーダー：リー・シャオフェンさんにロスアンゼルスから南京への航海の手配を頼み、南京での車と飛行機及び住居の手配も合わせて頼んだ。合計で200万ドルの費用で済んだ。為替の換金も南京で出来るそうだ。

アンヘルは父に手配が済んだと電話し、ヘクターから感謝された。

娘のマリアからも電話があったが、"ルイスのことを話すと、是非ともルイスに会っておきたい"というので"お前も一度綿花農場に来い"と言っておいた。飛行機の手配が済んだようだから新鋭機に乗ってくると良い。

その飛行機に乗ってルイスとセリーナ・マッキンノンさん（27歳）をロスアンゼルスまで行かせれば良い。あとは船便で南京まで行くことが出来るだろう。ヘクターは中国へ逃がすのなら整形までする必要はないかも知れぬと思ったが結論は本人たちに任せれば良いと割り切ることにした。

☆ジョン・スミス（32歳）課長の悪戦苦闘
その頃、☆印の小屋周辺で石油と天然ガスが同時に出たことでジョン課長は悪戦苦闘していた。次から次から湧き出してくる原油や天然ガスの始末に困り果てたのである。貯油タンクと貯ガスタンクを作るお金は沢山貰っていたが如何せん工事が追いつかない。

ジョンは貯油タンクと貯ガスタンクが出来上がるその日まで、ボーリングをストップさせた。20本ある穴も18本塞ぎ、それ以上噴出させぬようにした。結局100本掘った穴のうち少なくとも20本から石油と天然ガスが同時に噴出してきたが、現在の処理能力では2本しか対応できないということだ。

ジョン・スミスはヘクターにその旨報告し、"お前もしばらく綿花農場へ来て休め"と言われ、離れの一室を宛てがってもらった。

☆ソフィアの夜の散歩：オーガニックコットン農園での思索
午後8時、綿花農園内は夜の静寂に包まれており、新妻となるソフィアは農園を散歩する気になった。ヘクターが長電話をしている間、彼女はオーガニックコットンの畑を歩き、農園の自然な美しさと農業の原点に触れることにした。

ソフィアは頭に取り付けられた小さなライトを用いて、夜の農園内を安全に歩けるように準備を整える。周囲は静かで、ただ彼女の足音と自然の微かな音が聞こえる。

農園の道を歩きながら、ソフィアは手入れされたオーガニックコットンの畑を見て回る。昼間の喧騒から解放された畑は、夜の静けさに包まれ、綿花の花が夜の闇にほのかに光っている。手作業で丹念に育てられた綿花の株々は、自然農法の優しさと農園の哲学を物語っている。

散歩中、ソフィアはオーガニック農園の自然の美しさに心を奪われる。星明りとライトだけが周囲を照らし、遠くには夜の虫の音や風のささやきが聞こえる。化学肥料や機械を使わず、自然と調和して育てられる綿花の畑は、彼女に自然の大切さを思い出させる。

ソフィアは散歩を続けながら、自分が管理することになるオーガニック緑肥農園の役割や、ヘクターとの新しい生活、これからのチャレンジについて、静かな夜の中で瞑想的な思考にふける。

散歩を終えて母屋に戻るソフィアの表情は穏やかで、何か心に決めたかのような安堵感が漂っている。ヘクターのもとへ戻り、彼女は新たな決意を胸に夜の残りを過ごす準備をする。

散歩から戻ったソフィアは、ヘクターの待つ寝室に入ってきた。彼女の装いは、カジュアルでありながらも洗練された夏の日のスタイルを反映していた。

白いタンクトップに花柄のショートパンツを合わせ、ピンクとブルーの色が目を引く。足元にはピンクのオープントゥハイヒールを履いており、明るい色使いが彼女の明るい性格を映し出している。この洗練されたが心地よい装いは、夜の穏やかな雰囲気に溶け込んでいた。

ヘクターの待つ寝室に入ったソフィアは、その夜のために選んだネグリジェに着替えた。彼女が選んだのは、エレガントでありながら快適さも考慮したデザインのネグリジェだった。

ソフィアは柔らかく肌触りの良いシルク製のネグリジェを選んだ。その素材は肌に優しく、着心地が良い。色は落ち着いたクリーム色を基調としており、彼女の優しい雰囲気を際立たせる。

シンプルながらも繊細なレースのトリムが施されており、優雅さと女性らしさを表現している。長さは膝丈で、動きやすさと上品さを兼ね備えている。

ソフィアはネグリジェに着替えた後、ヘクターの待つベッドに静かに潜り込む。彼女の姿は、夜の静寂と調和し、寝室の穏やかな雰囲気に溶け込んでいた。ネグリジェの選択は、彼女の洗練された感覚と、ヘクターとの新しい生活への期待を反映していた。ベッドに潜り込む彼女の動作は慎重でありながらも、新しい生活への喜びと期待に満ちていた。

ヘクターは優しくソフィアを抱き締め、初夜の営みの時と同じように長い長い時間を掛けてソフィアを愛撫した。肩と背中を優しく撫でながら耳元で変わらぬ愛をささやき続ける。

気の遠くなるような時間が過ぎたあと、たまらなくなったソフィアがヘクターを求める。完全に迎え入れる準備が出来ていると信じていたソフィアはヘクターをスムーズに受け入れることが出来ると思っていた。

でもそれは大きな誤りであった。赤子の頭ほどあるヘクターのものはめりめりとソフィアを犯していく。その都度ソフィアは強烈な衝撃を受け、両手でヘクターの胸を強く押したがびくともしなかった。

ヘクターは力強くしかも無理押しはしなかった。ソフィアとヘクターが押し引きを繰り返しているうちにソフィアは徐々にヘクターを受け入れる準備が整い、ヘクターのものが中に入る時や出るときも苦しさを感じなくなっていた。

ソフィアは押し引きを何度も何度も繰り返すうち、急に身体の内側から強い高まり、うねりを覚え始めついに絶頂を極めた。ソフィアは身体を反り繰り返し、大きく快楽のうめきを漏らした。

ソフィアは生まれて初めての性の喜びを味わい、その快楽の深さを教えたヘクターを心から愛するようになった。

今回はここまでにいたしましょう。次回をお楽しみに。

後書き

ルイスは父ヘクターの計画を聞かされ、漠然とした恐怖を感じたが、エドゥワルドの第2夫人セリーナ・マッキンノンさん（27歳）をクラウディアから守るためにはやむを得ないと勇気を奮い起こした。いつの間にかルイスはセリーナを愛するようになっていたのだ。セリーナはそんじょそこらにはお目にかかれない女性で、生まれついての聖女なのである。モルモン教原理主義派などに居なければ聖アグネスと同様にキリスト教徒から崇拝されただろう。インタイに整形手術を受けるよう勧められ、苦悶したがセリーナが頑なに断り、リスクはあるが整形はしないことにし、その足でロスアンゼルスへと向かった。行き先ははるか彼方中国の南京である。当時南京は国民党政府が支配する都市であった。国民党は蒋介石が主導権を握っており、対日、反共産党を標榜する政権であった。蒋介石の政敵毛沢東は長征の最中であった。

第四章第8話ヘクター石油を掘り当てる（中編その3）