間もなく7月20日に公開される、映画「風立ちぬ」。

予告に、大好きな荒井由美の「ひこうき雲」が流れると、何とも言えない気持ちになります。

そして「あっ」と思ったのが、声優の起用についてです。

主人公・堀越二郎の声を演じた「新世紀エヴァンゲリオン」の監督、庵野秀明のことが話題になっていますよね。

宮崎駿監督からのオファーの言葉が、「現代で一番傷つきながら生きている声だから」だなんて。

「ポジティブであれ」「ワクワクしよう」という言葉が満ちている現代にあって、人生の奥行きを思わせる、宮崎監督ならではの発想です。


傷つく。

それは出来るだけ避けて通りたい経験だけれど、それ抜きには感じ得ない共感が、たしかにあります。


「風立ちぬ」の原作者は、堀辰雄。

堀辰雄は、この題名をフランスの作家、ポール・ヴァレリーの詩、「海辺の墓地」から引用しました。

「風 立ちぬ、いざ生きめやも 」。

これは堀辰雄の稀代の名訳と言われています。

原詩では、"Le vent se lève, il faut tenter de vivre."と表現されており、これは直訳すると…


「風が吹き起こる。生きることを試みなくてはいけない。」


学生時代、フランス語の例文にこの文字を見た時は、なんとも言えず心が震えました。

深い悲しみの中、傷ついてなお、心の中に風が吹き起こり、生きよう!と思う。

そういう瞬間が、誰にとっても、どんな人生にもあるのではないでしょうか?

悲しいからこそ、生きよう!と思う。

傷つくことを怖れない強さを教えてくれるものが、文学や芸術、映画…「娯楽」と言われるものの中に、静かに満ちています。



$子育て悩み解決!高校・大学講師 川口佳子




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