空海教学の至宝を紐解く⁉

 

『釈摩訶衍論の研究』

上・中・下三巻

<総頁・約1300ページ> 中村本然著

 

 

『釈摩訶衍論』は、真言宗の開祖弘法大師空海が真言教学の特徴である即身成仏思想や十住心論思想を構築する際に非常に重要視した論といわれています。

 

 

また真言教学史の中で生起する能作性如意宝珠をはじめとする如意宝珠信仰、高野山浄土信仰、立義分読誦信仰の思想的典拠になっているのも『釈摩訶衍論』の教説とされます。

 

 

さらには密教の宗教儀礼を象徴する国家安穏の法会である後七日御修法はいうまでもなく、弘法大師法などにもその影響が色濃く看取され、真言密教の教相・事相にとって肝要な論ということができます。

 

 

 

本研究には『釈摩訶衍論』が描く構想をはじめ、本論である『大乗起信論』との関係やその特異性について、様々な視点から考証を重ねた論考を網羅しております。

 

 

併せて、久しく途絶えていた『釈摩訶衍論』の講伝を、近年、機会を得て開筵しましたので、その務めも果たしたいと考えております。 

 

 

令和5年は、真言宗の開祖である弘法大師空海のご生誕1250年を迎えました。些かなりとも報恩の想いを捧げることができれば、幸甚に存じます。