何年も前の話です。


数年前まで、夫の実家で暮らしておりましたが、現在は脱出しています。

(義実家までは、車で50分くらい……)


夫の実家にいた頃、私にもママ友と呼べる人が何人かいて。


いや、まあ、「友達」ってほどは仲良くなくても、顔を合わせれば、挨拶のみならず、なんとなく話す、みたいな人って、当時はたくさんいたのですよね。


いわゆる、田舎のご近所付き合いというか、ですかね。


田舎の良い部分、と私は思っていますけど。


田舎で子どもを育てていると、そういうことって普通にあって、色々なところで、色々な人と、子どもに関することで、色々なやり取りする機会がある、というか。



そんな環境の中で、当時の私は、けっこう多方面から、娘が着られる女児の服をお下がりでいただいておりまして。


ありがたいことに、保育園で知り合ったママさんとか、それこそご近所のママさんとかが、私に声をかけてくれるわけですよ。


「女の子の服、お下がりで悪いんだけど、どう?いりませんか?」


と。


私はいつも、


「え、いいの?嬉しい〜!!」


と、誰からもありがたくいただいていて。


私が喜んでいただくものだから、かなり多方面から女児の服が私に集まって来る、という……私はどんだけ図々しいのか(笑)

(今、思い返すと、ほんっとに色々な人が、靴とか服とかくれたな〜、と思う)


娘が小さい頃は、服の好みをあれこれ言われることも少なかったし、保育園には何着か着替えを置いておかなければならなかったから、お下がり服をいただけることは、私としては、とっても助かっていたんですよね。



そして、それをくれる人達が言うことはみなさん大体、同じで、


「うちではもういらないものだから、気に入らない服は遠慮なく捨ててね」


とか。


「うちで着られなくなったものを、渡してるだけだから、お礼とか考えないでね」


とか。


「引き取ってもらえることは、うちとしてもとても助かるから、こっちがありがたいの」


とか。


それに対して私は、


「ほんとに嬉しい」


「いつも助かってる」


「こんなにうちがもらっちゃっていいの?」


「ほんとにありがとう〜✨」


と、正直な気持ちを伝えていて。



あたり前だけど、私とその人の間では、そんなやり取りが散々、交わされているわけですよ。


お互いの感謝の気持ちを、もう、余すことなく伝え合い、完全な理解と合意に至って、お下がり服をいただいているわけです。



ところが。


これは田舎あるあるなのか、義実家あるあるなのか……。


いただきものには、「お返しをしなきゃ」と、過剰になってしまう、ということがありまして。


私がお下がり服をいただいて帰ると。


どこの誰からもらったのか、お返しはしたのか、等と、必ず義母から言われて。


だから私も、これこれこういうわけで、この人とはこんなやり取りの上でこうなっているので、お返しは必要ないし、お返しなどしたら、かえって相手を恐縮させてしまう、というような説明を義母にはしてきたのですが。


義母としてはそれでは納得がいかず、悶々としていたのでしょうね。


お下がりをくれるママさんは数人いて、そのうちの一人は義実家のご近所さんだったこともあり。


ある日。


そのママさんの家に、

義母が、

独断で、

勝手に、

お返しの品を、

わざわざ買って、

届けてしまったんです。



それを私がなにで知ったかって。


あとで、そのママさんが私に、謝ってきたから知ったのです。


「あの……おいもちゃんのお義母さんがね、この間、うちに来て。食べ物(有名店の〇〇、みたいな感じのもの)を持って来てくれたの。いただく理由がありません、って辞退したんだけど、『いつもうちの嫁がお洋服をいただいるのに、なんのお礼もせずにすみません』って……うちでも引き取ってもらえて助かっているからいいんですよって私も言ったんだけど。結局どうしてもお断りできなくていただいてしまったんだけど、なんか、気を遣わせてごめんね?」



あぁ………。


義母よ。


なんてことを。


もう、そのやり取りがどんなものだったか、私には容易に想像がつく。


相手の話も聞かずに、とにかく強引に押し付けたんだろうな、と。


その中で、私がいかに不出来な嫁であるか、

うちの嫁は気遣いができないけど、そのことを姑である私は分かっていますから。

私は常識的な人間なので!

っていうニュアンスも込めつつ、かなり強引に押し付けたのだろうな。


多分、そんな時の義母には、彼女が言った「うちでも引き取ってもらえて助かっている」って言葉はまるで聞こえていないだろうな。


それに義母はいかなる場合、いかなる場面においても、絶対に。

一度、出したものは引っ込めることがない。

その点に関しては、また別の感情が義母の中にありそうで掘り下げると面白いのだけど、長くなるからここではやめておきましょう。



その話を聞いた私は、


「もう、ほんっっとごめん。あの…こんなこと言うのもなんだけど……そういう人だから気にしないで受け取って欲しい。なにかもらったら倍に返さなきゃ気が済まない人で……あぁ……もう、ほんとにかえってごめんなさい。あの、なにも気にせず、誰にもなにも悪いと思わずに『アハハ、あそこの〇〇美味しいね〜』ってご家族みなさんで、美味しく食べてm(_ _)m」


と、平謝り。


もちろん、私とそのママさんの関係だから、みなまで言わずとも、お互いにお互いの気持ちは分かってるんです、多分だけど。


その証拠に、そのママさんの表情からは、「あなたも大変なのね」という同情が見て取れたし。


最後は、2人で何故か「いつもありがとうね」を連呼して別れたし(笑)



ほんと、義母はそんなことばかりだったな、とふいに思い出しました。


なんでしょうね、〇〇はこうするもの、みたいに全部、決まっていて、融通がきかないんです。


この話で言うなら「なにかもらったら、お返しは必ずするもの(なんなら倍返しで)」とか。


そのモードに入ったら、誰のどんな言葉にも耳を貸しません。


そしてかなり強引に、自分のその時の思いを相手の反応を伺うこともなく、押し付けてしまう。


それをしないと気が済まない、という勢いなんですよね。


それで、逆に相手に失礼なことをしていることも本当に多かったです。

(だって、相手の反応を見てやっているんじゃなくて、義母が「自分の」「気持ちをおさめるためだけに」やっていることだから)


義母とやり取りする相手が苦笑いになっているのを、何度見たことか。


そして、その相手の苦笑いのフォローをひそかに私がしていたことを義母は知る由もない。

(義母がやり過ぎるので、それに困った相手の相談、あるいは愚痴の窓口は私になっていたのである)


ちなみに、私だって人間なので、なにか間違えたり、うっかりしてしまうことは、もちろんある。


そんな時の義母はどうか、というと。


もちろん、私に分からないよう密かにフォロー……なんてしてくれない。


全部、包み隠さず、私に報告してくる(笑)


おいもちゃんの〇〇がどうしようもなかったから、私がこうしておいてあげたから!


おいもちゃんがこうしてくれたけど、それじゃダメだから私がやり直しておいたからね!


おいもちゃんがああ言うから、あの人困っていたから私がこうしといてあげたから!


などなど、容赦なく報告してくるのです(笑)



いや、それを言うなら、私、あなた(義母)の尻拭い、相当してるからね?


と、思ったけど、言えませんでした。




なんにしても。


義実家時代をこうも思い出してしまうのは、お盆が近づいているからです。


今年のお盆………どうなるのかな。


長くなるから、この話はまた今度、気が向いたら、で。