浸りたいところだが
とにかく雨宿り
頂上には
食堂 お土産
と書いてある建物と
神社
シャッターは完全に閉まっている
シーズンじゃないから仕方がない
食堂の軒下に身を潜める
いやしかし
ひどい雨だな
晴れていればここから
雄大な景色が見えたであろうに
仕方ないっちゃ
仕方ない事だけど
やっぱり悔しい
食堂の軒下は
あまり屋根が無く
ほとんど意味がない
体力の回復にと思ったけど
あまり休めそうにない
雨水は
とうとう最終防衛ラインの
インナーに到達
良くここまでもったと言えるけど
このままでは
風邪をひいてしまう
幸いなことに
だいちゃんの忠告により
駐車場に置いてある車には
予備のラフな服を用意してある
車に辿りつきさえすれば
乾いた服と
雨に当たらない場所とが
一遍に手に入る
平和な日常を手に入れるため
ここは速やかに降りるべきだ
だいちゃん
頂上をもう少し満喫したいところだけど
ここに居ても体力奪われるだけだし
いち早く車に戻ろう
うん
あきちゃん
写真取ろうよ
え
あ
いや
だいちゃん
俺インナーに浸水してきて
まずいのだけど
あきちゃん
俺なんかとっくにびちょびちょだよ
あぁ
強い
強い人だ
よし
だいちゃん
写真取ろう
大ちゃんのデジカメで
何枚か写真を撮る
よし
もう思い残すことはないな
名残惜しいと言う気持ちもあるが
そんな事は言ってられない
なにか本能で感じる
ここにこのまま居たら死ぬ
大げさだけど
残っていたら風邪をひくのは
確かだ
だいちゃん
準備はいい？
あきちゃん
行こうか
我々は速やかに
下山を開始した