谷村ひとし「負けないパチンコ学」にツッコむ | だからオイラはダメなんだ。
「谷村ひとし」と言えば、パチンコ漫画界の大御所として、オカルト打法の生みの親として、
そして、漫画を描かない手抜き貼り絵師として、パチンコの演出も判ってないインチキ野郎として、証拠写メすらも捏造する嘘吐き詐欺師として、パチンコファンから一身に注目を浴びているわけですが、

そんな谷村センセイが、8月に「負けないパチンコ学 釘を見れない素人が5000万円も勝てたわけ」という本を出しました。


「出たらクソミソにバカにしてネタにしてやろう」と思ってたんですが、
「1円でもあいつの懐に入るかと思ったら癪に障る」ので、新品で買うのを躊躇してました。

「古本屋で見つけてからにしよう」と思ってたら、ブックオフで400円で売ってたのを発見。
…当初は「どんなアホな事を書いてるのか、ツッコんでやろう」と息巻いてたものの、
実際読んでみると、想像以上の薄っぺらい内容
あまりにも馬鹿馬鹿しくなってしまい、途中で読むのを中断してました。

しかし、このままにしとくのも、私が負けたみたいで嫌なんで、
「今年の汚れ、今年の内に」という訳で、なんとか苦行を乗り切り、読み終えましたよ。

とりあえず、記事にしましたが、本と同様に薄っぺらなツッコミであることを予めご了承ください。





ずばり、この本が言いたいことをまとめると、

ボクの「オカルト」は間違いないからボクを信じろ(証拠は出しませんが)
「オカルト」を否定する奴こそ、ちゃんと証拠だせ
パチンコで勝ちたい人は、ボクの有料サイトに登録して金出せ


です。
それでは、各章ごとにツッコんでまいりましょう。


第一章の冒頭で、
『まずはボクとパチンコの出会いを少しだけ書かせてください』
と言いつつ、思い出話が約20ページ
「CR花満開」で、いきなり"オスイチ"決めたり、"リーチ目"の研究で、オカルトの存在を確信する話、などは、
まるで新興宗教の教祖が、神託を受けて開眼する様を読んでいるかのよう


パチンコ漫画を描くようになる所で名言炸裂
(パチンコ漫画と言っても、バイオレンスな設定ばかりで)
『本当に読者はこんなものを求めているのかな?一番見たいのはリーチ演出や大当たりする瞬間なんじゃないかな?』


確かにそうかもしれませんが、かと言って、
写メの画像だけで埋め尽くされたページや、適当に描き殴った小さい自画像を切り貼りしただけの漫画も求めてないと思います。



第二章は、パチンコから日本経済を読む!と言った、似非ビジネス書にありがちなパターンです。

『ホールの中には日本経済の縮図が浮かび上がっている』と、堂々と語る内容は、
「とんかつ屋の主人をホールで最近見かけなくなったら、間もなく店が閉店した」という程度の話。
尤も、今一番危ない業界はパチンコホール自体なのは、私ような業界人でもない人間にすら簡単に判りますが。



第三章はいよいよ本筋。

『釘もボーダー理論も「オカルト」の一種』と小見出しで言い切り、
自分に対する批判を打ち消すことに終始
よくある「ちゃんと税金納めてんのか?」という批判にも『確定申告してる』と書いていますが、
『流した玉のレシートや、景品交換所の換金額の電光掲示板も、ちゃんと写真を撮ってる』から
『すべて真実だ、と胸を張って言えます』だそうです。
しかし、もちろん証拠の写真などの掲載はありません。

挙句、『逆に「釘」や「ボーダー」で勝ち続けている証拠をキチンと見せてくれる人はいるのでしょうか?』と、逆ギレする始末。

お前が「オスイチ」や「カニ歩き」で勝ち続けている証拠もキチンと見せてくれたことも一切無いし、その証拠を出せと言われ続けて、一向に出さないから疑われてる訳でね。


『大勝ちした翌日は打たないようにしましょう』という理論の破綻っぷりも面白いです。
『サラリーマンが4万円のお小遣いで5000円、1万円と投資が嵩むと、冷静な判断で止められるが、
10万円持ってたら、5万円投資しても「まだ5万あるから大丈夫だ」と感覚が麻痺してしまう。
「昨日20連荘したから、10連荘でも元が取れる」「2、3連荘で終わってもまだまだ出るはず」というパターンに陥る。だから、大勝ちした翌日は打たないほうが得策だと考えます』


「昨日出たから、今日は出ない」って、そういう法則がある訳でもないのに、どうして言い切れるのでしょうか?
大勝ちした翌日にまた大勝ちすることだってあるでしょうし、
それなら逆に、小勝ちしか出来なかった、もしくは大負けした翌日に打てば、大勝ちできるとでも言うのでしょうか?


『ボクの基本的な立ち回りは"カニ歩き"戦法です』と、ここでも"オカルト打法批判"の火消しに必死
『今のパチンコは一発抽選システム』
『回転ごとに大当たり抽選が行われる』
『10台打ち歩いてトータルで100回転させようと、大当たりする確率はまったく変わりません』
と書いたすぐ後で、

『抽選の偏った波のいい台を500円1000円打った方が大当たり確率はアップするはず』
『大事なのは「波を読むこと」です』
『滅多に出ないような珍しい演出が出る調子のいい台に座ったから勝てたんです』
『「すぐ当たる台」は挙動が違う』
と、
何の根拠も無しに平気で言ってしまえるのが、谷村センセイの真骨頂。

章の最後に、94年からの年間収支一覧を掲載しています。少ない年でも+100万円越え
収支一覧の前のページは必読
根拠を示さない数字の羅列、
覚えやすいキャッチーなフレーズの連呼、
優しく問いかけるかのような口調、
読者自身に答えを出させようとする口調は、
インチキセミナーなどで、洗脳する時によく用いる手法ですね。




第四章は、サラリーマン向けの立ち回り方を、Q&A方式で書いています…が、当然この質問も谷村センセイが自分で考えた物ですから、全く意味がありません。

質問に答えるように見せかけて、やってることは自分の立ち回りの自慢です。(嘘か本当かも不明な)
この章も、似非ビジネス書によくあるパターンで、
常識を覆すような提案をし、読者の気を引く。しかし、実は書かれている"一般的な常識"の前提がありえない物だったり、それを真実っぽく見せる為に、根拠も無い出鱈目な数字を並べるというものばかりです。
「なるほど、詐欺師はこうして他人を口車に乗せるのか」という点では、参考になるかと思います。



第五章は、現在と未来のパチンコ業界について。
具体的な機種名が出てきますが、それだけにツッコみ所満載。

8月発売された本なので、未来予測をしてますが、

『ボクは7月末にかけこみリリースされた最後のMAXスペック機の中から、長期に渡って愛される名機が誕生するんじゃないか、と思っていま』す

「牙狼」について、
『ライトミドルがリリースされ、「劇場版 牙狼」の公開に合わせて、牙狼ブームが起きそうですね』

見事に大ハズレですねー。
MAXの名機出ましたか?北斗も前作に比べたらパッとしないし。
牙狼のライトミドルも期待ハズレだったようですし。

この程度ですよ。この人の読みなんざ。


『耳が不自由な方から「先生の漫画を読んでいると、こんな音が鳴っているんだってわかるから先生の漫画が大好きです」という感想をもらった』という自画自賛。

ハァ?
京楽のP-フラッシュを「ピュピュピュイ~ン」って書くような奴が何を言ってるんだ?


『最後に、素人代表としてある提案をさせてください』と、こんなことを言い出す。

『保通協と別に第三者機関を作るベキだとボクは思います』
『そこで審査するのは「この台はファン目線で見て、面白いかどうか?」ということ』
『あまりにも面白くない、と判断された場合はリリースできないのです』


…んな機関作らんでも、面白くないと思ったら、
ホールがしっかり判断して、ダメ台を買わなきゃいいだけの話じゃねーか。
何のために試遊会開いたり、メーカーの営業が走り回ってるんだよ。
コンサルが評価をした新台レポートを買ってるホールだって幾らでもあるでしょうに。
どうせ提案するなら、機暦や縛りを強制する営業方法を止めて、健全な市場にしろぐらい言えっての。

まさか、「その機関にボクを入れてください」とか思ってんじゃねーだろうな、コイツ。


『過去の常識が崩壊していく時代が到来しようとしています』
『これからのパチンコ業界はファンが動かしていくべきなのです』

と、締め。

同感ですね。
いつまでも適当に描いたようなヘタクソな似顔絵がデカデカと表紙を飾ったり、
切り貼りしただけの手抜き漫画が巻頭にあったりするような、
「谷村ひとしがいればと売れる」という、今までのパチンコ漫画界の常識は、
ファンの為にも、とっとと崩壊させるべきです。



パチンコ打つ分には、クソの役にも立ちませんが、
適当なインチキビジネス本を書いて、小遣い稼ぎしようと思ってる人は、この程度の本でいいんだという参考にはなるんじゃないでしょうか。










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