救命救急センターのICUの前の待合所で
長いこと待たされた。



でも、誰も今の状況を教えてくれない。



看護師さんも、私が来ているのを知って、
先生に声かけておくから、
そのうち呼ばれると思うと言って、
何時間も呼ばれなかった。






「今はもう話せるようになってるよね?」







「薬で眠ったりはしてるかな?」







そんな程度に考えていた。









そう願いながらも、
心臓は締め付けられて苦しいし、
心臓の音はドクンドクンと耳の横で鳴っているようだった。



しばらくすると、旦那さんのご両親が来て、
そのあと、先生との話があった。













難しい状態から、蘇生したこと。

未だに意識が戻っていないこと。

今もまだ容態が不安定なこと。

安定してきたとしても、意識が戻らない可能性があること。




などが伝えられ、
今行われている治療や、今後の治療についての簡単な説明があり、
それについての何十枚もの書類の説明をされた。





説明なんて全然耳に入ってこなかった。






「今は薬で眠っていますが、
じきに目を覚ましますよ」
そう言ってくれると思っていた。




「なにがあったんだろう?
全然覚えてないや!」
そう言って笑ってくれる旦那さんに会えると思っていた。







先生の説明が終わり、
説明部屋を退出するとき、
「お願いします。。
おねがいします!!!
たすけてください!!!!」
そう言ったのを覚えてる。
そこで初めて涙がでた。


それまではずっと、
今起きてる出来事が信じられなすぎて、
放心状態だった。

でも信じたい気持ちもあって、
泣いちゃダメだって思ってた。



お医者さんの話を聞いて、初めて、
『あ、、ほんとなんだ、、、、』
って思いました。





私が「たすけてください!」と言うと、
お義母さんが、私を支えながら、
「結婚したばかりなんです!
おねがいします!」と涙を流していた。





そして、

私は泣き崩れた。









今までの人生で、
こんなに泣いたことなかった。



泣き崩れるというのは、
こういうことなんだ。












もう、
なにもかもがどうでもよかった。。








「患者さんの身支度を整えたら、
面会時間ではないですが、
会っていただけますので。
少々お待ちください。」


そう言って看護師さんはその場を離れた。






それからの時間も長かった。
全然呼ばれなかった。
身支度ってどんだけ時間かかるんだよ、、。







そして、1時間経つか経たないか、、、
面会できると、呼ばれた。
14:00くらいだったかな?





入る前に、看護師さんが、

「痙攣がかなり大きくでています。
ビックリしないでくださいね。」








また大きく自分の鼓動が聞こえた。









手を消毒して、



ICUのベッドのカーテンを恐る恐る開けた。











そこには、


変わり果てた旦那さんがいた。



うそだ、

人違いだ、、、



ずっとそう思ってた。


思いたかった。









でも、そこにいたのは、


まぎれもなく、


大好きな旦那さんだった。








たくさんの、


10?15?20?それくらいの量の管が
たくさんたくさん旦那さんから出ていた。


響く人工呼吸器の音。




そしてピクピクとかいうレベルではない。


バタンバタンと跳ねるような痙攣。




言い方悪いけど、


人間じゃないような、


何かに取り憑かれたのか、、


壊れちゃったのか、、、


私の知ってる大好きな旦那さんじゃなかった。




そして、


施されている『低体温療法』


体内の血液を抜き、
外の機械を通して、30°Cとかに冷やして、
それをもう一度体内に戻すのだ。


そして、
低体温を作り出し、
脳のダメージを少なくしたり、
遅らせたりするらしい。



たくさんの機械や管で
なかなか近くまで近づけず、
管をしている腕も足も包帯でぐるぐる巻きにされていた。

触れる場所もなかなかなかった。

そして、私も動転してしまって、
ショックでショックで、
近付くことができなかった。




名前を呼んでも、

跳ねるような痙攣をするばかり。




それでも、何度も何度も叫んだ。

「私はここだよ!!!!

戻ってくるんだよ!!!!!

こっちだよ!!!!

早く戻ってきて!!!!!」






ピコンピコンという、

心電図モニターの音。


耳について離れない。






『生きている』というより


『生かされている』


そんな感じだった。





彼も、ここまでしても、


生きていたい


そう思っているのだろうか?






もちろん、生きて欲しい。


でも、こんな苦痛を経験させてまで、
生きて欲しいと思うのは、
私たちが勝手なのだろうか。


よくわからなかった。







とにかく、




そのときは、なんとしてでも




生きて欲しかった。












その後親戚が続々と病院に集まってきて、
決まっている面会時間も2回ほど回ってきた。



その間、親戚全員に
別室での詳しい説明があった。



肺や脳の画像を見せられたが、
何が何のことか、全然わからなかった。




心配停止の状態で見つかったこと

蘇生まで時間がかかっていること

病院に到着するまでの細かい時間と経過

おそらく心臓の異常が発端で倒れたこと

しかし、今は
心臓の血管や脳の血管に異常がないこと

血管自体に異常があったという痕跡もないこと

外傷もないこと










つまり、

今となっては、

なぜ心臓が止まってしまったのか、

わからないこと










担当の先生ではなかったけど、

担当の先生よりも詳しく説明してくれた。






そして、最後に、


『とにかく、私たちも精一杯のことをします。

今の彼の命を頑張って繋ぎましょう!』


そう言った。








頑張って繋がないと

なくなってしまう命なんだ。




やっぱり、まだ、

助かってないんだ。。




そう思いました。
















なぜだろう。






なぜ、旦那さんだったんだろう。








誰になにをしたんだろう。








なにをしたら、助かるのだろう。








私が何を犠牲にしたら、もとに戻れるのだろう。








お願い。


だれか


おしえて













これが、

彼が倒れた日の出来事。









入籍して10ヶ月


結婚式から約1ヶ月


新婚旅行まであと2週間


そして


彼の誕生日の前日の出来事だった。








長い、

とても長い1日だった。