何から書いたらいいやろう。
今日という日をどこから書いていいものか。
31年生きてきて、今日ほど願いが叶ったと思えた日はなかなかない。
今日は高槻の教職員組合の定期大会にホームランが呼ばれて、出演しました。

教職員組合というと、いわゆる学校の先生の集まりなわけで。
恥ずかしい話やけど、俺は最初乗り気じゃなかったんですよ。
なにしろ一週間前に連絡が来て、「お願いしてた人がみんな出れなくなったから出てくれないか」みたいなかんじやったし。教職員組合のこともよくわからんかったし。
でも、一応と思ってリーダーのひろきさんに連絡したら
すぐさま「これは出たい」の返事。超乗り気。しかもひろきさん、めちゃめちゃ興奮してて。
いったいなんなんだろうと思いつつも、出演が決定。
よくよく話を聞いてみたら、それは俺にとっても重大で、人生の中でも重要な意味を持っていたんです。
ここから長くなります。
ひろきさんが出たいと興奮ぎみに言った理由に、「教師や教育の実態」があった。
ひろきさんは小、中、高校と、普通学校に通学していたみたいで、いわゆる支援学校には通ってなかったらしい。
そもそもひろきさんは支援学校にはあまり賛成でない。
「健常者(障がいのない人)も、障がいを持ってる人も同じ『人間』や。あまり分けないでほしい」と言っていた。
そして、これはひろきさんは勿論、元教師の母親から聞いた話でもあるのだけど、
意外にも教師のほとんどは「障がい」や「福祉」の世界を知らないらしい。
これには俺も衝撃を受けた。
悲しいかな、ここに「健常と障がいの別け隔て」が発生するのだという。
ひろきさんは「別け隔てのない教育を心がけてほしい」と、今回のライブで伝えたかったのだ。
だから、これほどまでに興奮しながらも出演をしたいと言っていたのだ。
その時、俺の昔の記憶がフラッシュバックした。
ここからは俺の話。
実は、俺も軽度ではあるけど「学習障害(今で言うLD)」という障がいを持っている。
小学校の時、集団に馴染めず、いつもいじめられていた。
先生には問題児として見られて、みんなの前でこっぴどく怒られることもあったし、親が学校に呼び出されて「家でどんな教育をしてるんだ」と、ねちねちと言われることも度々あった。
結局、小学校2年で不登校になり地元の学校から転校。小学校3年生で早くも親元を離れて寮生活をすることになった。
28歳で大阪に帰るまで、20年の歳月を要した。
教師が、俺の人生を変えたとも言える。
段々、ひろきさんの気持ちがわかってきた。教育や、教育の現場は、そこの子ども達の人生を変えるほどの力を持つんや。
だから、教師が偏見や差別的な目で見ることは、恐いことなのだ。
最近認知されるようになったけど、学習障害は珍しいものではない。
学校時代、クラスにいわゆる「ちょっと変わった性格のやつ」っていたと思うけど、それくらいの割合でいるものなのだ。
けど、それはどうしても教育の現場では「足を引っ張る問題児」として見られることが多いみたい。
ひろきさんもまた、悔しい思いもたくさんしてきたらしい。普通科の学校は楽しかったけど、壁も多かったそうだ。
想いが、一つになった。
ひろきさんも、俺も、教師に対して伝えたいことがあったんや。
ひろきさんはそれを俺に気づかせてくれた。
ホームラン、一致団結して今回のライブに挑んだ。
本番前。血が騒いだ。
良くも悪くも教師のおかげで学校が嫌いになった。だからこそロックを知ることができたし、音楽が好きになれた。
ブルーハーツに憧れて10数年。
ロックを続けてきたんや。
そしてひろきさんと出会った。
俺のロック人生、ここに置いていこうと思った。
「やってやろうぜ俺達。教師達に、目にものを見せてやろうぜ」
1ホームランのテーマ
2相棒
3叫び
ひろきさんの「叫び」の前のMCが印象的やった。
「僕らの生きるこの世界は『障がい者だけの世界』でもないし、『健常者だけの世界』でもないと思います。どうか障がい者を特別視しないでください。別け隔てのない共生教育を望みます」
俺も上記の自分の過去を打ち明けて、「叫び」を演奏した。
過激な差別用語が歌詞に入ってるこの歌は、この教職員組合の定期大会には不謹慎やろう。
でもこれをやりたかった。それは二人とも同じ気持ちやった。
同じ人間じゃないか。
みんな、なにかしら抱えて生きてるんだ。
今まで雑談していた会場が静まり返った。
ライブの後、ひろきさんと手を取り合って笑い合った。
会場が静かになって、みんなこちらを見ていた。俺達にはそれだけでも大成功やった。
教職員組合のいろんなことも聞いていたから。よけいに嬉しかった。
でも、組合の人たちから暖かい言葉もいただいて、敵視していた分、気恥ずかしいやら申し訳ないやら。
この日、俺は音楽人生で初めて本当の「ロック」ができた気がする。
それは、ひろきさんがいなければ到底叶わなかったことや。ほんまにありがとうや。
帰り際、改めてひろきさんにお礼を言って帰った。
みんながどう思ったかはわからないけど。ホームランにとっては、伝説の夜になった。
こんな夜をまた二人で生み出していきたい。
僕らホームランです。
今日もありがとうございました!!
今日、この場所に呼んでくれてありがとうございました!!
