急須展示と煎茶体験、ガイドと歩くやきもの散歩道

 

   11月21日(土)から23日(月)までの3日間、常滑市陶磁器会館で「急須展示と煎茶体験」を行いました。新型コロナウイルス感染症対策が叫ばれるときで、当初予定した9月から11月に変更しましたが、無事終わることができました。「ガイドと歩くやきもの散歩道」も同時に行いました。その時の様子を報告します。

  中日新聞や地元ケーブルテレビで紹介されたこともあり、多くの方が来場しました。

    

 

       

 

1 急須展示

     中国宜興市で行われたワールドセラミックティーポットコンペティションで入選した13名の急須などの展示を行いました。また、ギャラリー入り口に急須制作者の紹介パネルを掲示しました。他にも常滑焼急須の様々な加飾法で造られた急須、急須のふるさと中国宜興の作家の急須や友好都市となるまでの歴史なども併せて紹介しました。

    

 

    

 

    

 

 

2 煎茶体験

  煎茶体験は、ワークショップスペースで行いました。日本茶インストラクターの方から、お茶を淹れるときの4つのポイント「①茶の量、②湯の量、③湯の温度、④浸出時間」に留意すると煎茶を美味しく淹れることができますとのお話がありました。「煎茶の淹れ方」のマニュアルを見ながらお茶を淹れていただきました。子供連れの家族も多く、たくさんの方が体験を楽しみました。

    

 

    

 

3 ガイドと歩くやきもの散歩道

   常滑焼の歴史や文化、やきものの魅力を知り、興味・関心を高めてもらうことを目的に、「ガイドと歩くやきもの散歩道」を実施しました。やきもの散歩道がアニメ映画『泣きたい私は猫をかぶる』のロケ地になったこともあり、参加者も去年の3倍と盛況でした。

 

    

   陶磁器会館は常滑市の観光情報と常滑焼の展示・販売をおこなう施設です。館内には常滑を中心にして活躍する陶芸家の作品を展示・販売しています。陶磁器会館前で、シルバー人材センター「ブルーオーシャン」の観光ガイドさんから説明を受けて出発です。巨大招き猫「とこにゃん」は、常滑系招き猫の典型的な顔で、幅6.3m、高さ3.8mあるそうです。

 

    

  黒い板塀のある建物では、常滑焼の様々な製品の販売を行っています。散歩道にはこのような商店がたくさんあります。江戸時代から明治時代にかけて廻船業で栄えた旧家、市指定の有形文化財旧瀧田家住宅にある休憩所には、常滑市出身の著名人で名誉市民の方々のパネルが掲示されています。

 

    

   「土管坂」は、明治期の土管と昭和初期の焼酎瓶が左右の壁面をびっしりおおい、坂道には「ケサワ」という土管の焼成時に使用した捨て輪の廃材を敷き詰め、滑らず歩きやすいように工夫されています。登窯広場ににある「展示工房館」では陶芸教室も楽しめます。館内には「両面焚倒焔式角窯(りょうめんだきとうえんしきかくがま)」を保存展示しています。

 

    

   登り窯(陶榮窯)は1887年(明治20年)頃に築かれた窯で、1974年(昭和49年)まで使用され、日本で現存する登窯としては最大級です。傾斜角約17度、8つの焼成窯、高さの異なる10本の煙突が特徴です。1982年(昭和57年)に国の重要有形民俗文化財に指定されました。

 

   

   寺院の本堂前にある大きな甕は、防火用水を兼ねたものでした。水に不自由であった知多半島に愛知用水ができる前まではよく見かけたものです。現在では使われることのなくなった石炭焼成の煙突、これもなつかしい常滑の原風景です。