仙北市(田沢湖・西木)
角館が歴史の街であるのに対し、田沢湖・西木は自然の中と云える。山岳部が大半を占める田沢湖地区はその面積は東京都23区よりも大きく、南北では50kmほどの距離がある。
中心は田沢湖。日本一の深さと透明度を持つ湖で、流入する川も流出する川もない独立湖。また田沢湖を囲むように山岳部がそびえ立ち、秋田駒ヶ岳、烏帽子岳(乳頭山)、大深岳から八幡平へと続く、奥羽山脈の中心部とも云える部分。これらの山岳部からの恩恵は、温泉となって現れており、水沢温泉郷、田沢湖高原温泉郷、乳頭温泉郷、玉川温泉から八幡平温泉郷と、名だたる有名温泉地が並ぶ。
<名所・旧跡>
田沢湖 田沢湖駅より車15分
周囲は約20㎞、面積25.7k㎡、直径6㎞、ほぼ円形の形をし、水深は423.4mで日本で第1位(2位は支笏湖)の深さの淡水湖。
昭和初期に酸性が強い玉川を流入させた事で急速に水質が悪化し、田沢湖の固有種であった国鱒(クニマス)を始めとした全ての魚介類は全滅した。事態を重くみた政府は1972年から中性化政策を始め、玉川ダム建設など多くの試みがなされ、現在ではウグイなど生息可能になった。
真冬でも湖面が凍り付くことはない。晴れた日には水面は明るい翡翠色になり、田沢湖ブルーと呼ばれる独特な色あいを見せる。
辰子像 (湖西)
黄金色に輝く田沢湖のシンボル。東京芸術大学教授の舟越保武氏の製作で、1966年に完成。像の高さ2m30cm。田沢湖周辺にはこの他3つの辰子像がある。
浮木神社(湖西)
辰子の像付近にあり漢槎宮とも潟尻明神とも呼ばれる。
御座石(湖北)
御座神社の鳥居近くにあり、鳥居から田沢湖に向って巨石が伸び上部が平になっている。秋田藩二代目藩主が慶安年間(1650年前後)にこの岩場に床机を据えて田沢湖の景色を眺められたことからこの名がついた。
御座石神社(湖北)
室町後期の1598(慶長3)年創建と伝わり、熊野修験僧が御座石付近を修験の場と定め祠を建てたのが最初とされる。背後の高鉢山には「鏡石」や「かなえる岩」、湖岸には御座石などの巨石があり、それらの信仰の中心とされたとも見られる。
七種木(湖北)
御座神社の鳥居近くにあり、根元に雨乞石を抱きかかえるように生えている。根元にある雨乞い石を守るために、松、杉、桜、槐、えごの木、榛の木、梨の七種類の木が、一株から自然に生えたものと云われる。
田沢湖田ハーブガーデン(湖東) 田沢湖駅より車20分 無料 冬季休
約180種類のハーブや花が見られ、アロマテラピーグッズや秋田特産のおみやげも充実。土日祝日開催のランチバイキングやハーブをつかった体験教室も人気。
白浜(湖東)
田沢湖の表玄関として賑わう地区の浜は、以前は泣き砂として有名で、その白さから白浜と名づけられた。遊覧船乗り場から蓬莱の松まで約1kmにわたり、遊歩道が整備されている。夏には湖水浴が可能。
たつこ茶屋(湖南) 田沢湖駅より車25分 冬季休
田沢湖南岸のヨットハーバー、田沢湖クニマス未来館に隣接。名物の辰子たんぽは、大きな囲炉裏で焼きたてを味わえる。みそ(付け)たんぽはここが元祖とも云われており、他の観光地で売られているものとは形状も味も違う。
<博物館・資料館>
田沢湖クニマス未来館 田沢湖駅より車20分 有料 火曜休み
2017年に建てられクニマス(国天然記念物)の歴史や田沢湖の現状などを知ることができる施設。
クニマスは田沢湖の固有種だったが、1940年に玉川の酸性水を引き込んで酸性度を下げようとしたところ、魚類が死んでしまいクニマスも絶滅した。2010年に山梨県西湖で京都大学の研究チームとさかなクンが現存個体の生息を確認し、話題となった。昭和初期にクニマスの卵を複数の場所で繁殖のために他県に送ったことがあり、その子孫だと考えられている。
田沢湖の水質はまだクニマスが住めるまで改善されていないこともあるため、未来館で山梨県から(大人の事情で)借り受けて水槽で泳ぐクニマスを見ることができる。
思い出の潟分校(湖南)田沢湖駅より車25分 有料 水曜休み
旧田沢湖町立生保内小学校潟分校。創立は1882(明治15)年で、現在の校舎は1923(大正12)年築。1974年に廃校になり、村の集会所として使われてきた。改修後の2004年から一般公開が始まり、同時に様々なイベントや研修、テレビや映画のロケ地などで使用されている。
<公園その他>
劇団わらび座 神代駅より車10分
あきた芸術村の中心事業。日本では宝塚歌劇団や劇団四季に次ぐ国内5指に数えられる規模の劇団。日本の伝統芸能を基盤としたオリジナル演目に特色があり、国内で年間250、海外では1,000回を超える公演を行い、劇団員は200名を超えていた。
新型コロナの影響で2021年に経営破綻し、再建中。
抱返渓谷 神代駅より車10分
玉川の夏瀬ダム下流から神代付近にわたる渓谷。かつては人が抱きかかえる様にしないとすれ違えなかったことから名がついたと云われる。遊歩道が整備され回顧の滝まで20分ほどの行程で行くことが出来る。その先は過去の崩落により通行止め。
神の岩橋、小影山、茣蓙の石、若狭の急流、誓願寺、回顧の滝などの見所も多く、その渓谷美は大分県の耶馬渓と並び賞され、「東北の耶馬渓」と言われる。
刺巻湿原 刺巻駅より徒歩15分 有料(協賛金)
国道46号線の沿いにある湿原。3haのハンノキ林に6万株のミズバショウが一面に咲き誇る。花の時期にはミズバショウ祭りが行われ、入り口付近には屋台などが出るほか、夜はライトアップされる。4月上旬~5月上旬が見頃。
八津・カタクリ群生地 八津駅より徒歩 有料(協賛金)
特産の西明寺栗を栽培する栗林に自生しており、その規模は20ha(東京ドーム4.2個分)にも及ぶ。地域が4月中旬から5月上旬にかけて集落全体が「かたくり群生の郷」となり、角館の桜と共に観光客が押し寄せるため、通行規制が行われる。
秋田駒ヶ岳
田沢湖駅より車25分(アルバこまくさ)+専用バスで車30分(8合目)
標高1,637mで秋田県第1の高峰。頂上は主峰の男女岳や男岳(1,623m)、女岳(1,512m)等からなり、珍しい火山地形や田沢湖が一望できる展望、豊富な高山植物で知られている。冬季通行止め。6月から9月までは自家用車の通行規制あり。
玉川温泉 田沢湖駅より車60分 駐車場・有料
国道341号線で八幡平に向かう途中にある温泉。入浴だけでなく、周辺散策なども楽しむことが出来る。散策路の途中には岩盤浴が出来る場所が無数にあり、宿泊客だけでなく、土産物店でゴザを借りて岩盤浴を体験することも可能。
江戸時代には硫黄採掘場として開発され、明治時代に湯治場として営業開始。玉川温泉が有名なのは、岩盤に北投石(国特別天然記念物)という微量の放射線を放つ石が含まれるため。
玉川温泉地内には、1周約1km(所要時間約30分)の自然研究路が設けられ、大噴(おおぶき)と呼ばれる源泉湧出口や熱湯が幅3mの流れとなる強酸性の湯の川、音をたてて水蒸気などを吹き上げる噴気孔など、大自然の息吹を間近で見られる。
玉川ダム 田沢湖駅より車30分
1990年に完成した堤高100m、堤頂長441.5m、奥只見湖、田子倉湖に次ぐ東北3番目の貯水量を誇る重力式コンクリートダム。洪水のための水量調整や灌漑、上水、工業用水の供給、発電などに使われている。
ダム湖は宝仙湖と名付けられ、上流の中和施設から流出した石灰水を宝仙湖において撹拌・中和させることを目的としているため、宝仙湖は独特な青色に見える。
茶立ての清水 田沢湖駅より車15分
田沢湖から八幡平に通じる国道341号線沿いに湧く清水。山肌に直接パイプを打ち込み数ヶ所の井筒から清水がほとばしる。言い伝えでは、秋田の殿様佐竹氏が乳頭温泉への湯治の途中にこの清水で茶を立てて飲んだことから「茶立ての清水」のいわれになったと。
八幡平(はちまんたい)田沢湖駅より車90分 駐車場有料
標高1,614m。岩手県と秋田県の県境に広がる。頂上部が平らな高原をなしたアスピーテ(楯状火山)で、その周辺に無数の沼や湿地が点在する。日本100名山。
伝説によると、蝦夷征伐に来た坂上田村麻呂がここに八幡平にたどり着き、その極楽浄土のような景色に感激し、戦の神である八幡神宮を奉り戦勝を祈り、この地を「八幡平」と名付けたとされる。ただ史実では坂上田村麻呂はこの地には至っていない。
八幡沼/鏡沼 田沢湖駅より車90分
八幡平山頂近くにある東西600m、南北200mの大きな沼。最大水深は22.4mで、複数の火口が連なってできた複合火口湖である。こうした火口湖は山頂付近に18個ほど連なっている。
近年、雪どけ時に途中にある鏡沼の雪どけが眼のように見え、ドラゴンアイとして人気になっており、駐車場渋滞が発生するほど。
八幡平大沼 田沢湖駅より車70分
八幡平アスピーテライン、ビジターセンターの近くにある。大沼自然探勝路は、湿原散策の遊歩道で、全コースほぼ平坦なので歩きやすい。一周1km程の格好の散歩コースで、特に紅葉の時期(10月上旬頃)は多くの観光客でにぎわう。
後生掛自然研究路 田沢湖駅より車75分
後生掛温泉の駐車場から出発する遊歩道。山間のいたるところに火山性の湯泉が湧き、火山観察の場所がいくつも見られる。日本一の大泥火山をはじめ、オナメ・モトメ(後生掛温泉の源泉)・大湯沼など生きた火山現象を観察することができる。所要時間は1時間前後。
大場谷地(鹿角市) 田沢湖駅より車60分
玉川温泉からアスピーテラインに向かう途中の道沿い、仙北市と鹿角市の境界付近にある湿地帯。7月上旬には高山植物が満開になる。散策に15分~30分。