林の中で、スズメバチの巣を見つけました。
バスケットボールよりも大きい、りっぱな巣です。夏の間はしげった葉にかくれて目立ちませんでしたが、今は、木々が葉を落とし、遠くからでもよく見えます。
スズメバチの巣ときくと、近づいたら中からハチが出てきて、刺されないか?と不安になるかもしれません。
確かに、夏から秋にかけての時期は注意が必要ですが、冬の間なら心配はいりません。
巣の中にハチはいませんし、残った巣が来年また使われることもありません。
では、ハチはどこへ行ったのでしょうか?実は、夏に活動していたスズメバチのほとんどは冬を迎える前に死んでしまって、もういません。今、生き残っているのは、秋に生まれた新しい女王バチだけです。
女王バチは枯れた木のすき間などを見つけて入りこみ、そこで寒さをしのいで、たった一匹で冬を越します。
そして、春をむかえ気温が上がってくると、一匹だけで新しい巣をつくりはじめ、子どもを産んでいくのです。
といっても、すべての女王バチが冬を越せるわけではなく、寒さで死んでしまうものもいます。
これから、女王バチにとって厳しい冬が始まります。
(2022.12.14 十勝毎日新聞掲載)