運って気合で運ばれてくる?

 

    

【運の良さって気合勝ち?】

 

「おめでとうございます!当選されました。

スペイン、マジョルカ島の旅、8日間です。

行かれます?どうされます?」

 

今でもはっきり覚えている、24才の初夏、ゴールデンウイーク。

朝、電話が鳴り、ロフトから滑り落ちるように下りて電話をとり、

(あの頃はケータイはトレンディドラマの肩かけの頃。私はもちろん

おうち電話です)

とにかく。

寝ぼけていた私は、第一声が

「ん?マジョルカ島ってどこですかー?」

なのでした。

 

自分が抽選に応募したことすら忘れていたのだけど

そうそう、そういえば、ソラリアプラザで

ハガキを書いたな、と思いだし。

 

「お一人、お連れの方とご一緒できますよ。

ただし、お一人分の旅費のみプレゼントなので、もうお一人さまは有料となります」

とのこと。

 

そして、何と私は、その時即答したのでした

「行きます。もう一人、誘います。

で。いつからですか?」

 

これはあとで旅をご一緒した皆さんとも笑い話になったのですが、

ソラリアの担当者の方から

「行くと即答されたのは、

田中さんだけでしたよー。

皆さん、お仕事の関係でお休みできるかわからないってことで」

 

・・・いやいや、私も仕事してますよ。

でも!

このスペイン旅行を諦めるなんてありえない。

人生の大局的な見地から考えて、ありえない。

会社を10日休んでも何とかなるけど、

スペイン旅行を諦めるなんて

一生後悔する、間違いなく!と、

私は迷いなく思ったわけです。

 

結果。

出発前は上司に無茶苦茶嫌味を言われたり、ずーっとイヤーな空気だったけど、

帰ってきたらなんて事はなく、

なんならスペイン話で盛り上がり、仕事もとってもうまくいき。

強行突破は見事に全員幸せ、という着地に落ち付いたのでした。

その仕事も、2年後に退職しています。

 

で、思うわけです。

あの思いきりを、私はいつから失くしてしまっていたのかなあ、と。

人生は、楽しむことが前提のはずなのに。

あの時の私は、まぎれもなく、

私、なんだよなー、と。

 

結局、誘った友人ももちろん、笑えるほどの即答で「行く」と言い。

その日のうちに、2人で水着を買いに行ったのでした。

 

ここで、ふと。

ん?

一番運がいいのは、その彼女なのでは?

彼女の旅費は、私が誘ったのだから、

もちろん私が半分

持ったわけですが。

 

ま。誰が一番とかどうでもいっか。

楽しすぎるほどの、カラフルメモリー。

あの思い出は、今も色あせず、

私の中でキラキラしているのでした。