さだお、今どき超古典的な詐欺に引っ掛かってなけなしの金をむしり取られる | C.I.L.

さだお、今どき超古典的な詐欺に引っ掛かってなけなしの金をむしり取られる

近頃オレ様はお仕事の良縁に恵まれ、「きっとこの先何年か関わるんだろうな」 と思える案件をいくつか並行している状態なんだが、好事魔多しというものなのか、思いもよらない超古典的な詐欺に引っ掛かってしまった。

事の経緯を説明すると下記の通り。


・某コミュニケーションツールで知らない人間からメッセージが届く。「○×社の某さんらと話をしている時に貴方の名前が出て、興味を持ったのでぜひお会いして仕事の話をしてみたい」 とのこと。

→何度かやり取りをしている中で、「参考までに現在進行形の企画だとか、新しく動かしたい企画を書類にまとめて持って来て欲しい」 とお願いされる。

→さすがに機密保持なんかを結んでいる相手との企画内容はバラせないので、細部を適当に誤魔化しつつ新たに書類を作成。相手はグルメ系の出版物に強いとのことだったので、それ系のネタを4~5件分くらい簡単にまとめておいた。

→待ち合わせ場所に赴く。やって来たのは白髪が目立つ初老の男性。恐らく60歳に手が届くかどうかくらいの年齢で ”柴崎太一” と名乗る。(恐らく本名でもPNでもない)

→ランチタイムちょい過ぎくらいの時間に、都内某所のオサレ系ダイニングみたいな店に入店。

→ジジイ 「ここは馴染みの店でねえ」 などと言いつつ、昼間だっつうのに、そして仕事の話をしに来ているというのに、訳のわからんワインを頼んでみたり、ランチコースじゃなくアラカルトでフォアグラだのなんだのを頼みまくり、オレにも 「さあ、君も遠慮なく食べなさい飲みなさい」 と薦めてくる。

→ジジイが企画書を見せろと言って来たまではよかったのだが、次に 「今現在の仕事相手の名刺を見せろ」 と言って来る。初対面なので、相手が実際にどういう付き合いがある人間なのか知る必要があるというのはわかるので、「疑われているのか?」 と思い、軽く悩みつつも一緒に本を作った人間の名刺や、仲の良い出版関係の人間の名刺をチラ見させる。

→ジジイ、よりによって 「その名刺を預けろ」 だの 「企画書を持ち帰らせろ」 などと言って来る。さすがのオレも 「このジジイやべえ!」 と悟り、「名刺は渡せない、企画書も機密保持を結んでもらってからじゃないと渡せない」 とやんわり断る。

→ジジイ、ああだこうだと 「俺はすごいんだぞアピール」 を繰り返す。だがこの時点でさだおは心を閉ざしていたため、早く話を切り上げて帰ろうと軽く受け流す。

→さだお、話せば話すほどじじいへの疑いを強くし、こりゃダメだと帰宅モードに。だが運悪くもよおしてしまったため、他人の名刺も企画書もしまってバックを持ったままトイレで用を足す。(席に戻るまで2分程度だったはず)

→席に戻ったらジジイがいない。

→外で電話でもかけてるのかとしばらく待つも、帰ってくる気配がなく、ウェイターがチラチラ様子を見に来るようになる。

→ウェイターにジジイがどうしたのか聞いてみると、「お連れ様は帰られました」 とお約束の展開。ある程度覚悟はしてたので、店の人に何があったのか説明し、ジジイの素性を聞いてみる。すると、馴染みの店だと言っていた割には 「初めてお見かけする方でした」 とこれまたベタな回答。試しに名刺を見せるもそんな名前は見たことがないという。

→さだお、半べそ状態になりながら仕方なくお会計。するとそこには 17,800円 という地元板橋では考えられない衝撃的な数字が!



ジジイてめえだけは殺す!


殺害予告上等だボケ!板橋じゃ17,000円もあったら何回外食できると思ってんだコラ!しかも今回は昼間だぞ?何が悲しくて昼間から17,000円もの大金をはたかなならんのじゃ!

しかもオレは体質的にワインが合わないので、仕事の話をしに来てるんだし止めとこうと、付き合いでちょっと口を付けただけっていう。何この敗北感!?

ここしばらくオレにしちゃ随分といい流れだったからおかしいなとは思ったんだ……。

そんなこんなでさだおがマジ凹みしていると、お店の人も哀れに思ったのか 「あの、なんのフォローにもなりませんけど、お会計を少しまけておきますので……」 と、申し訳なさそうに14,000円に書き換えた伝票を持って来る。

→店には何の罪もないので全額払うと言うも、店の人は 「いえ、お客様は全然お酒を召し上がられておりませんし、当店に悪い印象を持たれるのが何より嫌ですので」 と引かない。

→詐欺られた直後だったので思わず泣きそうになりながら人情に甘えて14,000円お支払い。

→帰宅。

→即座に関係各位に電話連絡。

→出版業界に顔の利くコワモテのおっちゃんに時間を作ってもらって会いに行き、事情説明をし、柴崎太一と名乗ったジジイの風貌を伝えて名刺を渡す。(が、恐らく偽名なので同じ名前は二度と使わないと思う)

→連絡網を回し終わったところで 「あ、そういえば!」 と、そもそもの発端である某コミュニティツールにアクセス。相手のアカウントを調べようとするも、皆さんお察しの通りすでに退会済み。まあしかしそれでもダメ元で運営にメール問い合わせだけはしておいた。

→さだお、あまりに古典的な手法に引っ掛かった自分が恥ずかしくて部屋に閉じこもって泣く。←今ココ




というわけで、同じような仕事をしている皆さんはこんなバカみたいな手口に引っ掛からないようにお気をつけください。

ある人に言われたけど、付き合いのある人間の名刺や企画書を持って行かれなかっただけ良かった。その辺りはさすがのさだおもガード出来た。わーい。

昔から他人の企画書や名刺をああだこうだと理由を付けて奪い取って自分の手柄にしてみたり、そこまで大きな話じゃなくても名刺に書かれている人間を次の詐欺相手にしたりなんていう手口はあった。しかし今の時代にそれをやるかね……。

しかも上手く行かないと悟るや食い逃げて。

ああ……。

失った金以上に自分の浅はかさを思い知らされたダメージがでかい……。